見出し画像

【つの版】中東&西洋史・参考文献

ドーモ、三宅つのです。つのが中東&西洋史関係の記事を書く時に参考にしている文献集です。東アジア関係は「日本古代史」にまとめました。

つのは全くのド素人で、先行研究の上澄みを掬って浅瀬でチャプチャプしているだけです。インターネット上の記事や歴史読み物的な新書・文庫本などをつのなりに読み、図書館とかで調べて考えてはいますが、つのの書いていることを鵜呑みにはせず、あなたはあなたで調べて考えて下さい。

なお、つのは「面白いからこの方がいい」的な考え方をあまりとりません。やりたくばパルプ小説やマンガ、ゲーム、アニメなどフィクションの領域でやって下さい。センセーショナルに書けば本は売れるかも知れませんが、蓋然性に欠けた情報が拡散して独り歩きし、巡り巡って邪悪なカルトや反社会集団に利用されかねません。というか、されて来た歴史が厳然とあります。左右の思想に偏ることなく、つのなりに噛み砕いて、ここに提示します。

◆基礎史料◆

聖書

ユダヤ教の聖書(律法・預言・諸書=TNK[タナハ]、キリスト教でいう旧約聖書)と、キリスト教の新約聖書は、西洋文明の根幹をなしています。好むと好まざるとに関わらず、西洋文明や文化を知るには聖書とキリスト教を知らなければ始まりません。結構パルプで面白いので読んでみて下さい。

電子でも無料で読めますし、日本語訳や解説書も多数ありますが、あんまりカルトなのは選ばないのが吉でしょう(つのは宗教を押し付けはしません。あなたの信仰や思想を大事にして下さい)。岩波版は注釈も充実しており、学術的に手堅いかと思います。

他にも外典や偽典、タルムードなど無数の注釈書が存在します。図書館とかを探せば原典もあるでしょう。深入りは禁物ですが興味があればどうぞ。

クルアーン

イスラム教の聖典です。これを知らずしてイスラム教は語れません。アッラーフから啓示されたとされますが、旧約聖書や新約聖書の物語がちょくちょくダイジェストで挿入されるので、聖書知識がざっくりあると解像度もあがります。これも岩波文庫から井筒俊彦訳が出ているので、だいたいこれでわかります。深入りしたければ概説書とかハディースとか調べて下さい。

歴史(ヘロドトス)

「ヒストリー」の語源となった書物です。日本語訳は岩波文庫から出ています。ギリシアのみならずアケメネス朝ペルシアやエジプト、スキタイなどの歴史も綴られていますが、基本的に講談調の物語なので現代の歴史学から見るとつっこみどころも多々あります。眉に唾を塗りつけてお読み下さい。他にも『アナバシス』とかおもしろ古典作品が無数にあるのでお読み下さい。

これらギリシア・ローマの古典は、中東・西洋文明の根幹をなしています。つのもあまり詳しくありませんが、このサイトでいろいろ読めます。

◆概説書◆

世界史の誕生(岡田英弘)

文庫サイズでユーラシア世界史の流れがだいたいつかめる良書です。1992年の本なのでちょっと古いですし、癖やつっこみどころもありますが、中央ユーラシア世界の遊牧民が世界史を動かしてきた様子がよくわかります。

ローマ人の物語(塩野七生)

建国から千年を超えるローマの歴史をざっくりつかめる歴史小説です。いろいろと癖やつっこみどころもあり、批判も多いようですが、教養として入門するにはいいでしょう。気になる部分は各自調べてつっこんで下さい。単行本は分厚いので文庫版の方が携帯には便利です。電子書籍版もあります。

中世ヨーロッパの歴史&イスラムの時代(講談社学術文庫)

日本では未だにあまり知られていない、中世ヨーロッパ(西欧)やイスラム世界の歴史がざっくりつかめる良書です。中公新書の『物語・中東の歴史』などでカバーすると、さらにざっくりつかめます。あくまで入門書・概説書ですので、深堀りしたい人はどんどん調べて下さい。

物語・ウクライナの歴史(黒川祐次)

日本では未だにあまり知られていない、東欧の大国ウクライナの歴史がざっくりつかめるお得な良書です。スキタイやルーシの昔から、ポーランドの支配、コサックの活動、苦難の近代史も綴られます。ルーシ・ロシアについて詳しいwebサイトも存在しますが、近年はこうしたサイトも鯖が滅んだりして消滅しつつあります。サルベージが必要ですね。

ハザールやユダヤで検索すると典型的な陰謀論のサイトばかり引っかかりますが(noteでもそんな記事ばかりです)、どういう流れで陰謀論が生まれたかの参考にはなります。深入りはしないようにしましょう。

聖書vs.世界史(岡崎勝世)

世界の創造と終末を規定したキリスト教的歴史観(普遍史)は、長く西洋人を呪縛し続けました。千年王国、最後の審判といった終末論の幻想は聖書に起源を持ち、様々な革命思想の淵源となっています。歴史とは出来事に意味を与え解釈を施す文化なので、宗教的な幻想も立派な歴史の一部なのです。

この他にも歴史関係の書籍やサイトは掃いて捨てるほどありますが、つのが記事を書く上で参考にしている基本的なものはこれらと英語版Wikipediaぐらいです。つのの記事に時々提示してあります。読んでみて下さい。うっかり陰謀論などにハマると戻れなくなる恐れがあるのでご注意下さい。マジでご注意下さい。人間は容易に嘘を吐き、騙されやすい生き物です。

【以上です】

この記事が参加している募集

推薦図書

つのにサポートすると、あなたには非常な幸福が舞い込みます。数種類のリアクションコメントも表示されます。