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こんなクラスで勉強したかった。『外国語の水曜日』黒田龍之助


この本を喫茶店で読んでいた私は、笑いすぎて危うくコーヒーを吹き出しそうになりました。別にジョークが書かれていたわけではなくて、ただ、大学の研究室での楽しい外国語学習の1コマが書かれていただけ。でも、とてもほほえましくて、ありがちな楽しい外国語を学ぶ時間。

他の授業と違って、外国語の授業は他人の翻訳間違いも楽しい。しかも、大抵の場合、いつもは良くできる人が、ある時とんでもなくおかしな間違いをして、みんなにネタを提供してくれます。この本でもやっぱりそんな話が載っていて、大笑い。

著者の黒田先生はロシア語が専門。そして研究の関係で、近隣諸国の語学にもチャレンジされています。自分が勉強するだけでなく、学生さんや友達の先生とも一緒になって勉強し、そのときの様子をエッセイとしてこの本にまとめているいて、読者にとても役にたつし、何より楽しい。

黒田先生は外国語学部の先生じゃないので、学生たちにはいろんなタイプがいて、<虎の巻>もたくさんあります。一般的に語学ができそうな明るい陽気な学生や理系らしく、やたらと理詰めでデジタルチックな学生、そして、地味で暗くて後ろ向きだけれど、決してあきらめない努力家の学生。語学の学習方法が人の数だけあるってことを、この本は教えてくれる。

この本のサブタイトルは、<学習法としての言語学入門>言語学の専門的な話題もわかりやすく説明してあります。社会人はもちろんだけれど、できれば大学生にも高校生にも、とっても楽しいおすすめの本。


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