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楽しい東京てんこもり。映画『唐人街探偵 東京MISSON』中国、2021年


家族で見終わったあと、「あー楽しかった!満足!!」っていう映画、かなり久しぶりな気がします。オープニングの成田空港のはっちゃけたアクションだけでお腹いっぱい。「ここ、日本じゃないっ!」って全力で笑っちゃって、楽しすぎて、うれしくなってしまいます。全編、日本愛にあふれまくり。

ちなみにこの映画は、シリーズ3作目。中国では私立探偵は法律違反。でも、外国ならオッケーってことで「唐人街」、つまり外国のチャイナタウンで中国人の探偵を活躍させるお話。中国の映画やドラマは、警察の無能さを指摘するような作品もご法度。ただし、外国でやるなら問題ないそうで、1作目はタイ、2作目はニューヨーク、そして3作目が東京。

シリーズものですが、この映画だけ見ても全然大丈夫。これまでのお話は、諏訪部順一さんが解説してくださっています。

で、もうオープニングの全力アクションから、疾走するストーリーが2時間以上続くんですけど、体感1時間半。これでもかって「東京」らしさ、中国人のみた「日本」が、グイグイ画面に迫ってきて、その中にいて、全然違和感のない妻夫木聡。派手すぎるスーツを着こなす金満イケメンおぼっちゃまで、超軽くて、でも頭がよくて、友情にアツい。最高です。

主人公の劉昊然はかわいいし、王宝強は相変わらずおもしろい。その周りを彩るのは、かつて中国人の超然アイドルだった山口百恵の夫、三浦友和。海外でも活躍している浅野忠信、長澤まさみ。『空海』(原題:妖猫伝)に出た染谷将太。中国で大人気だった『東京ラブ・ストーリー』の鈴木保奈美。

なにより驚いたのが、タイのムエタイアクションの大スター、トニー・ジャーが出演していたこと。映画『マッハ!!!』の衝撃は忘れられません。基本コメディなのですが、アクションも半端なく楽しいのは、彼の存在あってのことかも。

中国では春節(旧正月)映画というのがあって、基本コメディで、それに加えて海外ロケ+α。家族で楽しめて、ウキウキ気分になれる映画。日本でいえば、かつては寅さん映画? 今なら、春休みのコナンくん映画みたいな感じかも。

かつてはフォン・シャオガン(馮小剛)が北海道ロケして大当たりの『狙った恋の落とし方』(非誠勿擾)なんてのもありましたが、この東京ロケは桁違い。とにかく中国側の費用が潤沢で、渋谷スクランブル交差点の撮影なんて、数分のシーンために3億かけて足利にセットをつくったとか。

しかも、セットそのまま残していって、「日本でご自由にお使いください」状態らしい。ひえぇ……。日本なら、この3億円だけで映画1本撮れるそうです。

この『唐人街探偵3』映画が大ヒットして、中国では750億の興行収入があったということなので、次の4はロンドンが舞台。なんと、アンディ・ラウ(劉徳華)がラスボスとして登場。楽しみです。そして、『唐人街探偵3』が日本でも結構人気なので、急遽、前作『唐人街探偵2』のニューヨーク編も公開されることになったとか。いいニュースです。

邦題:唐人街探偵 東京MISSION(原題:唐人街探案3 英題:Detective Chinatown3)
監督:陳思誠
出演:王宝強、劉昊然、妻夫木聡、トニー・ジャー、三浦友和、長澤まさみ
制作:中国(2021年)136分


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