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中国の文系は日本の理系?!

你好我好大家好,どうもMuneです。

私は、ようやくビザを受け取り、先日中国に渡航して隔離生活を過ごしております。ついに中国生活が再開した喜びと不安が葛藤しているところですが、ぼちぼち楽しんで行きたいと思います。隔離の事についても後日まとめたいと考えております。

さて、今回は中国と日本の大学の学部とその人気や認識について少し話してみようと思います。
実際に中国の大学に来ると、中国には日本ではあまり見かけない学部があったり、同じ名前の学部でも踏み込む内容が少し違うのだと実感します。それによって学生間での人気な学部やハードルの高さに違いが出るので、今回はその例をいくつかピックアップして話してみたいと思います。

先に言いますが、これは普遍的にこのような傾向があるなという私の主観に基づくものなので、例外がきっとあると思います。もし言葉足らずがあってもあしからず。

その学部が人気なの?!

まず、中国と日本の大学の学部志願率から人気度を見てみましょう。

日本の大学の学部別人気は、だいたい理系だと歯学、薬学、工学、理学が人気で、文系だと国際関係、語学、人文科学に経済学系といったところでしょう。(Benesse引用)
近年はコロナで交換留学が難しい事もありますが、国際関係や語学は未だに人気が高いですね。そして経済系も常に安定的な支持があるようです。

そして中国の大学の学科人気ランキングを見てみましょう。(百度热搜引用)
ここに出てくる「电子」「工程」「计算机」「数据」などのワードが含まれるものは基本的には工学、プログラミング関連の学科になります。そうやって見ると、文理総合だと工学系がトップを総なめしていますね。ちなみにこれらの学部が有名な大学にあの清華大学の名前が上がります。これも中国一の理系大とも言われたりする理由の一つかもしれません。
では所謂文系に属するものを上から見て見ると、第5位の工商管理(経営学)、6位の工程造価(専門管理学)、10位の市場営銷(マーケティング)、11位の国際経済と貿易はいずれも経済系の学部になります。

ひとえに経済系と言っても中国だとこれらは一般的に応用経済と言われる分野で、商学とまとめられます。普通の経済学が理論経済という分野になります。
つまり中国ではこれほどまでに工学系や応用経済系などの目指したい仕事の方向性に直結しやすい分野が人気という事になります。

もちろんこのランキングを下っていくと教育関連や法学などもありますが、やはり文系だと経済系が過半数、理系だと工学系が多くを占めていました。

この日本との人気の差は社会の需要とステレオタイプなど様々な理由があると思いますが、個人的には中国で人気な学科の上位を占めている学部のほとんどが数学系の力が強く要求されるものなのが面白いと感じました。次の話題に続くものですが、この数学色が強い傾向は日本ではなかなかないと思います。日本だと、どちらかというと少し敬遠されがちなのが対比になりますね。

文系の皮を被った理系学部達

前述した応用経済(商学)と理論経済の分野は一般的には文系の学部に属するものだと思います。大学によって差はありますが、ある程度の数学の授業を要求されますが、それでも他の学部との差は大きく無いかと思います。
しかし、中国の経済系はかなり理系色の強い文系学部になります。というのも、中国の経済系は数学能力に対する要求がかなり高いように感じました。それぞれの大学内で数学に対してレベル分けされるのですが、経済系の学部は一律で数学科のクラスよりも一個したのほぼ最難レベルに割り振られるのがほとんどのようです。
数学の科目は大学によって差はありますが、私の所ですと微積分上下、確率統計、線形代数(各4単位、数学合計16単位)と日本の科目とは大差無いかと思います。

また、これは完全に留学生の私視点の感想なのですが、中国の数学のレベル自体が日本よりも高く感じました。分野は多くなくとも応用問題などの深みが増しているように感じます。そしてそもそもの数学的記述法などが日本と違いがあるのも留学生にとっては少し骨が折れるものかと思いました。

そして、数学難しいなと中国の友達に呟いた際、学部を聞かれ、商学だと答えると、それはそうだよと言われたこともあるので、中国の方の認識でも経済系は数学の要求が高いのかもしれません。

この時点で、だいぶ日本と中国の学部の差が出ていますが、これはあくまでも経済でしょ、数字を扱う分野なんだから難しくても納得よと思う方もいると思います。
ただ、この経済系と同等の数学レベルを要求される文系学部も中国では珍しくないようです。

例えば、私のいる人民大学だと社会学、労働人事学(所謂人口学)、情報管理、金融、公共管理、統計を習う生徒はみんな前述する数学を勉強する事になります。

これにプラスしてそれぞれの専門の授業では習った数学を前提に授業を進めたりするので、1日のうちに数学に触れる機会はかなり多いです。やはりそうなると文理の境界は曖昧になると思います。

私を含め、かなりの留学生が入学後にこのギャップに一発やられることがあるので、もし学部を考えている方があれば参考にしていただけたら幸いです。

日本ではあまり知られていない人気学部

さて、せっかく大学の学部の話をするので、日本ではあまり存在が認識されていないけど、中国では人気を集めている学部を紹介したいと思います。

まずは、なんといっても新聞学部(マスメディア)でしょう。
このメディア学部、日本では私立の大学の一部で開設されたりする分野ですが、中国ではかなりの規模と認知があります。文系学部の中でも経済や法学に次いでトップクラスに人気な学部です。
この分野では一般的にはメディア理論や広告学を学び、平たくいうと物事の伝え方から宣伝の仕方や映像媒体の作り方が知れるようです。私も何度か広告学の授業を聞きに行ったことがあるのですが、経営のマーケティングに通ずるところもあり、とても興味深いと感じました。
私のいる中国人民大学はこの新聞学部が特に名を馳せていて、同じくこのが学部をメインに据える中国伝媒大学という有名な大学もあるくらいメジャーなところです。

中国でメディアとか情報の伝え方を学んで大丈夫なの?と思ったあなたはぜひこの学部を調べてみましょう。新たな発見があるかもしれません。

もう一つが漢語国際教育学部です。名の通り、中国語の国際教育を学ぶという学部になります。大学によっては対外漢語なんても呼ばれたりします。
ここ数年でこの学部は凄く志願生を伸ばしているようで、元々多言語を勉強している方がダブルメジャーとしてとる事も多いみたいです。中国語が国際的に需要が高まり、その需要を理解しているということがその原因なのでしょうか。
ここの学部は中国語という言語の深掘り、つまり「言葉」と「文字」について言語学に携わりながらの授業もあるようで、象形文字の中国語ならではの楽しさがありそうです。

そして建築関係、特に土木工程はとても人気を博しています。理系代表の清華大学の一番有名な学部でもあります。中国は全国的にもまだまだ開発段階というのもあり、建築関係は日本での需要よりも圧倒的に高いように感じます。その分、日本よりも細分化されたコース選択があるようにも感じます。興味がある方はぜひ清華大学のページで調べてみてください。

ちなみに、私のいる中国人民大学にはかなり特殊なマルクス主義学部というものもあります。人民大学が党の大学なんて呼ばれる理由の一つでもあるので、日本になくて興味持った方は調べてみてください。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました
今回は私の知る範囲で中国の大学の学部について少し紹介してみました。
同じ名前でも学ぶ内容がちょっとずつ違ったり、そもそも日本にあまり無いことを学べたりするので、こういう所も中国に留学に来る理由になり得るかと思いました。
少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

これからも留学のことなどを中心に色々書いていこうと思います。
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