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 アンダスタンド・メイビー 上下巻 著:島本理生

 いやぁ〜面白かった。凄かった。期待を裏切らないでくれる作家さんだと改めて思った。

 また機能不全家庭のお話しで家出少女をカメラマンの浦賀仁が救うと言う物語だったが、そんな簡単な話しじゃない。

 上巻は中学から高校時代の話しを書いている。浦賀仁さんの写真集を手に取り、ファンレターを送り、返事が返って来た事を喜んでる藤枝黒江が主人公。両親は離婚しており、母は働き詰め家事の一切を熟しながら自立した中学生だった黒江の恋模様と浦賀仁さんの元へと旅立つ所を。

 下巻は浦賀仁さんのカメラマンのアシスタントをしながら昔のメンバーも登場しつつ伏線を完全回収している。伏線の完全回収がなされる最後100ページくらいは寝る間も惜しんで読み切ってしまった。

 恋人として登場する彌生(やよい)君と仁さんに助けられて、コンクールに応募し、最後は日本を飛び立ってニューヨークへ写真家の船出をする黒江はカッコ良かった。

 根本は暗いお話しなんだけど、恋愛模様、情景描写、心理描写、会話表現、比喩、トラウマをミステリーのように回収して行った筋書き、そしてハッピーエンド。私が読書に求める物全てが詰まっていました。

 私も写真家に憧れて新田桂一さんにフォローして頂いて貰っていた時期があってInstagramにのめり込んだ時期もありましたっけね。それこそ新田さんのアシスタントになれないかなぁなんて彼の作品を買ったりしてた時期がありました。

 私は新田桂一さんからフォロー外されちゃったけど、写真家になりたいって言って弟子入りしたらこんなストーリーがあったのかもしれないなぁなんて自分を投影して読み込んだ部分もあります。

 カメラマンが主役になる恋愛ドラマ、あるようで無いです。こんな物語を読んだのは初めてでした。もう〜島本理生さんに乾杯。

今日もコンビニにコーヒーとタバコを買いに行きます。私の唯一の楽みです。奢ってくれた方はフォローしてイイねしてコメント入れさせて頂きます。それくらいのお返ししかできませんが、ご支援して頂けると幸いです。