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 春色梅児誉美 訳:島本理生

 この作品は人情噺として江戸時代の天保三年(1832年)に為永春水によって描かれた当時のベストセラーである。島本さん自身もこの話を頂くまで原本を読んだ事は無かったそうだ。しかし、原本を改訂し、主人公の一人称で主人公を変えて進むように改稿したとある。この改稿が良かったのか悪かったのかはわからない。すぐに違う人物による語りになって読む方では足枷になったかもしれないが、物語を読み解く上で改稿が助けになる読者も多数いると思う。

 唐琴屋と言う花魁のお店の主人が亡くなった。養子として居た丹次郎に許嫁のお長だったが、丹次郎に借金を被せて追い出した鬼兵衛に仕切られる事になったから唐琴屋の遊女も芸者も大変な目に遭った。

 丹次郎を金銭的に助け匿う事をした米八からこの物語は始まる。もちろん丹次郎に入れ上げてる芸者だから米八は丹次郎を助けるのだ。その為に芝居を打った此糸にお長を助けたお由、藤兵衛などが登場人物である。

 それぞれに恋をして、なんと最後はハッピーエンドであった。その恋模様や物語は割愛するが古典にこんな面白い人情噺があったとは思いもよらず、実際に現代にも十分通じる作品に島本理生さんも圧倒されたとあとがきに書いてあった。

 島本理生さんは次の作品が出るまでTwitterを休むと書いていた昨年末、もうTwitterのアカウントは消されて無くなってしまった。あの時、頑張ってたのがこの春色梅児誉美なのかと手に取ったのだが古典の現代語訳出版などとは思いもよらなかった。

 文学界の振興の為にこのような作品も手掛けるようになった島本さんに乾杯である。

 これで、手元にある本は全部読み終えた。禁じていたゲームでも再開するか。

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