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 晩年 著:太宰治

 読んでみたきっかけはFacebookで外国人が薦めてくれたからであった。図書館に行くと晩年一作で借りるのは難しい、全集になっちゃうと諦めていたが出版年が戦後の古めかしい一冊を借りる事ができ、昔の文字に悪戦苦闘しながら読み終えた。

 思い出と女生徒は面白かった。けれど、他の作品もいっぱい収められているのだが、それはなんでこの作品が入っているのかわからない。と言うような謎の奇譚が多かった。太宰の文章は決して読み易いわけじゃない。どう展開するのかが奇想天外で、ここで終わるのか。で、何だったんだろう。と疑問に残る作品が多かった。

 晩年は短編集である。

 思ひ出 雀こ 逆行 ロマネスク 陰火 満願 女生徒 黄金風景

 となっている。思ひ出は幼少期から大人になるまでの初恋を雀こは訳のわからない詩だった。逆行には副代がついた四編 蝶蝶 盗賊 決闘 くろんぼ が収められてる。ロマネスクは 仙術太郎 喧嘩次郎兵衛 嘘の三郎 が収められてる。陰火は 誕生 紙の鶴 水車 尼 が収められてる。そして満願、女生徒、黄金風景となっているのだ。

 副代がついたショートショートが一々、奇天烈で一体俺は何を読んでるんだ?とわからなかった。太宰治ファンには申し訳ないが面白さと言うのがわからない。その才能の有無がわからない。で、どうしたんだ?と言う終わり方が多いのである。解説が欲しかったが解説は無かった。

 私には文学を吟味する力量が無いのかもしれない。他の太宰作品も読みたいと思える内容では無かった。現代文学しか読めないのかもしれない。古典はもう懲り懲りだ。ただ、自由に物語を編んでるその姿と、幼少期兄弟姉妹がたくさん居て、女中や下男などを雇っている資産家に生まれて色々な思い出があったんだなぁと、それを懐かしくも思い、恥ずかしくも思い、しかし、それを著す事で他人の雑事も見事に消化してくれる。そんな才能があったのかな?とおぼろげに思うだけだったのだ。

 以上

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