福岡県うきは市|観光・教育のビッグデータ活用事例
福岡県うきは市は、福岡県南東部にある人口約2万7千人の町です。
今回はICT教育の事例です。経済産業省と内閣官房が提供する「地域経済分析システム」を活用した事例です。
■本記事のまとめ
・地域経済分析システム(RESAS)に蓄積されたデータを分析して活用し、3つの施策を実施。
(1)来訪者を地域を特定し、観光PRの対象地域を見直し
(2)道の駅の訪問目的を特定し、施設の改善を実施
(3)中学校の地理の授業で活用
地域経済分析システムとは?
地域経済分析システム(Regional Economy Society Analyzing System、略称:RESAS)とは、2015年から提供が開始されたシステムで、地域経済に関する様々な情報を分かりやすく見える化する、というものです。
地域創生のための入口としてデータを活用できるように、官民の様々なデータを地図やグラフで見える化しています。各地域が自らの強み・弱みを分析して、解決策の検討を後押しするツールとなっています。
実際にサイトを見ていただくと分かりますが、市販されているツールと並ぶレベル(それ以上かもしれません)でとても見やすく、豊富なデータを見ることができます。
「地域経済分析システム(RESAS)で見る ビックデータ活用の可能性」
出典:経済産業省 地域経済産業グループ 地域経済産業調査室
2017年のデータでは、総閲覧数約832万PV、訪問ユーザー数約69万人で、着実に利用が拡大していっているシステムです。
データをもとに観光PRの対象地域を見直す
福岡県うきは市では観光PRに力を入れていましたが、期待よりも来訪が少なく、思ったような成果を出せずにいました。
そこで、地域経済分析システム(RESAS)を使い、うきは市への来訪者はどこから来ているのかを分析しました。データ分析した結果、鳥栖市・佐賀市・日田市・大分市など、県外からの来訪者が多いことが分かりました。
※画像:「地域経済分析システム(RESAS)で見る ビックデータ活用の可能性」
今までは、人口が多い福岡市を中心にプロモーションを行っていましたが、プロモーション対象地域を変更し、来訪者を増加させています。
データをもとに道の駅の位置づけを見直す
うきは市内にある「道の駅 うきは」は立ち寄り型の施設として位置付けていました。うきは市にある別の場所が目的地としてあって、途中に立ち寄る場所としての「道の駅 うきは」ですね。
ところが、地域経済分析システム(RESAS)と独自のヒアリングを行った結果、立ち寄るのではなく、道の駅自体が目的地となっているケースが多いということが分かりました。
元々立ち寄り型の施設として捉えていたため、買い物以外の機能はあまりなく、例えばレストランでご飯を食べて、周りの自然に触れてゆっくりしてから買い物をする、ということが出来ませんでした。
データ分析の結果から、市場ニーズを取り逃している可能性がわかったため、「道の駅 うきは」を目的地型施設として、新たな機能やサービスの充実を図るようになりました。
中学2年生の地理の授業で活用
観光だけでなく、教育においても地域経済分析システム(RESAS)を活用しました。
うきは市立浮羽中学校2年生の地理の授業で、地域経済分析システム(RESAS)を活用し、生徒自らがうきは市の農業等について分析し、発表を行いました。
※画像:「地域経済分析システム(RESAS)で見る ビックデータ活用の可能性」
データ活用においては、まずデータを収集するところが非常に大変で苦戦するところですが、RESASのように既に蓄積されたデータを活用できるというのはぜひ使うべきです。なぜなら、データを活用するということは、事実に基づいてより精度の高い対策を打つことができるからです。
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