epilogue《詩》
幕を下ろしても鳴り止まない拍手
何度目かのカーテンコール
深く深くお辞儀をして
最期の勇姿を観客に焼き付ける
この俺の目にもこれが最後の舞台
自然と込み上げる静かな感情
ますます高鳴る拍手に
深くお辞儀し
舞台を去った
もうやり切った
もう俺には悔いもない
胸のポケットに忍ばせていた
古ぼけたセピアの写真
お前も祝福してくれるか
一人きりの舞台
リズムを取りながら踊る
見えないドレスが華麗に回転する
俺の胸にターンしてきたお前に
もう二度と離さないと約束の口付けを
俺のエピローグはどうだった?
口の端から流れた糸のような鮮血
やっと二人きりになれたな…
お前の柔らかな唇で本当の幕を閉じた
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