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愛のコリーダ

1976年公開の大島渚監督作品。日本とフランスの合作で、主演は藤竜也、松田暎子。実際に起こった『阿部定事件』を題材にしている。コリーダとはスペイン語で『闘牛』の意味だそう。

体を張った演技とはこの事だ。ここまでして作品を作りたいと思った監督と、それに応えた演者さん達にまず感服。作中、本当に事を致している(ほとんどの時間2人は繋がっている)から、もはやドキュメンタリー。実際にあった事件ということもあり、より一層生々しく感じる。闘牛のように情を剥き出しにして突進する定(松田暎子)に対して、それをかわす事なく全て受け止める吉蔵(藤竜也)の優しさに思いもよらずうるっと来てしまった。

とは言っても、殆どの時間を占める様々なプレイシーンはもはやギャグのようにも見える。過激で、奇怪。バリエーションの豊かさには感心すら覚える。藤竜也が裸に着物一枚だけ羽織って河川敷を颯爽と走る姿には吹いたし、ゆで卵や刺身など様々なアイテムの使い方がまぁ凄い。思わず「うっわぁ…」と声が出てしまった。

そんな2人には切な過ぎる結末が待っている。実際にあった究極のラブストーリーだ。人間って凄いな…。

様々なバージョンがあるらしけど、現在U-NEXTでは修正を減らした2000年公開(モザイク有)verが配信されている。

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