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対峙

なんたる密室群像劇だろう。圧巻だった。

アメリカの高校で起こった銃乱射事件の被害者家族と加害者家族による対話で構成された作品。111分のほとんどが個室にいる4人の画と会話。飽きちゃいそうなそのシチュエーションとは裏腹に物凄く集中力を高められ、深く感情移入してしまったもんだから泣き過ぎて上映後は放心状態だった。

被害者である生徒の両親と、加害者生徒の両親。加害者生徒は最後自ら命を絶っている。単なる被害者と加害者に位置付けることが出来ない状況が故に終わりが見えない会話。
加害者の両親は当人ではないし、親として殺人者を育てようと思って子育てしてきた訳ではない。被害者両親の心の傷は言うまでもなく途方も無く悲しく深いが、加害者両親もそれは同じだと私は思う。そもそもどっちがどうと言う話ではないけど。言うならば4人とも被害者なんだろう。

対峙する家族、でも1番共感し合える当事者同士でもある。この映画に結末はないけど、一歩だけ、抜け出せなかった状況から抜け出すことは出来たのかもしれない。


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