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冬の旅

1985年にベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した作品。仕事帰りに観てきた。

リュック一つ背負い流浪する18歳の女性の物語。この作品は彼女が凍死体で発見されるところから始まる。何故彼女は路上を選んだのか、何故あのような死を遂げたのか、それまでの物語を路上で出会った人達の語りと共に映し出される。

「楽して生きたいの」
ずっと可哀想な状況が続くが、主人公モナからしてみれば自由でいられる望んだ世界だからだろう、とても生き生きと自分らしく過ごしていて、こちらも重くならずむしろちょっと清々しい気持ちで観れた。
でも、楽しめるはずのことを楽しめなくなってくるとそこは地獄だ。いや、でも本人はそうは感じていなかったかもしれない。そこまでしても楽して生きたかったのかもしれない。

流浪する男性の映画はよくあるし、実際にもホームレスは男性が多い世の中で、流浪する女性の映画、というのに興味が湧いて観に行ったけど、ドキュメンタリーのように生々しいロードムービーで良かった。

ちなみに…主人公モナ役のサンドリーヌ・ボネールさん。『あのこと』の主人公アンヌの母親役をされている女優さんだった。

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