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「移住して新規就農」を妨げる3つのハードルとは?

おはようございます、ひらっちです。お盆休みが終わった頃はかなり忙しかったですが、今週は農作業がひと段落したこともあり、ちょっとのんびりモードです。少し涼しくなってきましたし、ぼちぼち次作の準備でも始めていこうかなと思います。

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中! 農業にご興味のある方はぜひこちらもご覧ください! 

■脱サラ組の新規就農希望者にありがちな「大いなる勘違い」とは?

あらためまして、ひらっちです。今日は「農業」「新規就農」について書いてみたいと思います。

マイナビ農業さんで記事を書かせてもらうようになったこともあって、最近は改めて「新規就農のハードルって何だろう?」と考えることが多くなりました。

この夏は研修生を晴れて新規就農者として送り出したのですが、新規就農がいまいちスムーズにいかない根本的な原因は、補助金などの制度というより、農業の本質がうまく伝わらず、大きな誤解が生じている点に問題があるのかなと思っています。

コロナ禍では「プチ移住ブーム」が起きていて、その文脈から「田舎で農業を!」というテレビ番組や記事をよく目にするようになりました。以前からこうした流れはあったわけですけど、最近は昔のような「老後に農業」というパターンではなく「若い世代が農業へ」という話も増えてきた気がします。

この流れ自体は、僕自身も大歓迎だし、これだけ上の世代の農家が減ってくるわけですから、可能性は大いに広がっていると思っています。その一方で、「なんとなく勘違いしているんじゃないかな?」と感じることも少なくないので、今日はそのあたりを書いてみたいなと思います。

■サラリーマンから農家に転身する際は「3つの異世界」を覚悟すべき?

「脱サラして田舎で農業って、結構可能性があるんじゃね? 自給率も低下しているみたいだし、いっちょ地方に移住してトライしてみるか!」

こんな方もいるかもしれませんが、僕がこうしたコメントを聞いたとしたら「ギャップに苦労しそうだなぁ~」と正直思います。

なぜなら、そもそも「サラリーマン」から「農家」への転身は、大きく2つの意味で、別世界に足を踏み入れることになるからです。

【1】農業の世界

これは当たり前の話ですが、農業法人などで働いていた人でない限り、農業の世界を全く知らない、「異業種への転職と同じ状態からのスタート」になります。「これまで飲食業界で働いていた人が、未経験からIT業界に行く」みたいな感じをイメージしてもらえれば、簡単ではないのが良く分かると思います。農業ってそんなに簡単な世界ではないですよ。

【2】経営者の世界

そして、この視点が抜け落ちている人が多いのですが、農家になるということは「個人事業主・経営者」になるということです。あなたは、経営スキルをお持ちですか?「生産だけやっていればいい」と思っていませんか? すべてを自分でやる覚悟があるか、そしてそれを「楽しい」と思えるか。この視点が抜け落ちていると、結構大変だと思います。

そして、もう一つ、「移住」を伴うケースでは、さらに「3つ目」の異世界に飛び込むことになります。

【3】田舎の世界

農業の世界は、地域とのつながりが非常に強いです。土地を借りること一つをとっても、地域の農家さんを頼らなければいけない。この点は、新規就農者さんが一番戸惑う点かもしれません。都会とは全く異なる世界が広がっていますので、人とのつながりがいい意味でも悪い意味でも希薄な都会に慣れ親しんでいる人にとっては、大きなギャップを感じるでしょう。

田舎にはその地域特有のルールやしきたりがあります。全く地縁がない場所に移住する場合には、まず「その地域のルールを知る」ところから始めないといけない。これは農業に限らず、生活全般に関わってくるお話ですし、「そもそもコミュニケーションが苦手」という人には相当キツイと思います。

僕の場合、確かに【1】は全くの素人でしたが、就農のタイミングでは少なくとも家庭菜園レベルでは5年ほど、研修に2年ほど通った状態でした。結局そこから3年ほど黒字化に時間がかかるわけですが、「知識ゼロではなかった」ことは、それなりにアドバンテージがあったと思います。

【2】については、すでに就農の時点で個人事業主として10年弱のキャリアがありました。ライターという全く異なる業界ではありますが、自分で営業し、生産し、経理をして確定申告をして…と、経営の基本的な流れやイロハは習得していました。創業塾なるものに参加し、FPの資格を取得し、中小企業診断士などの勉強もしました。これは、農業のスキル以上に役立だったと思います。

そして【3】ですが、僕は、農業のコミュニティーに属するのは初めてだったものの、元々実家のある地自体の農村部で就農したため、全く土地勘がないわけではなかった。これは非常に役立ったと思います。

というわけで僕の場合、この3つをパラメータにしてみると、

【1/農業スキル】★★☆☆☆
【2/経営スキル】★★★★★
【3/田舎適応力】★★★☆☆

こんな感じでスタートしたことになります。

こう見ると、ゲームの初期設定としてはなかなかいい感じのパラメータだった、という気がしますね。

■まとめ

いかがでしたでしょうか? 我ながらこの3つのパラメーターは、新規就農の適正を図るうえで、なかなかいい指標なんじゃないかな?と思います。

これから新規就農を目指そうという方は、この3つのパラメーターがどれくらいの☆数になっているのかを考えてみると、自分の現在地がよりクリアに把握できると思います。

脱サラによる就農は「異業種への転職」「経営者への転身」という2つの意味で、別世界へと足を踏み入れることになります。

これまでの「従業員マインド」では、絶対にうまくいかない。農業のスキルだけでなく、あなたの「起業家マインド」が試されていることを、ちゃんと肝に銘じておいてくださいね(^^♪

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