見出し画像

「ギフテッド」って何?

こんにちは。あすぺるがーるです。

近日、NHKで連続的に放送されている発達障害特集番組について、様々な意見が当事者さんから発信されています。

そのなかに、こんなツイートを見かけました。

私はこのツイートに一言物申したいと思いました…が、

そもそも、私が「ギフテッド」という言葉の意味を把握しておらず、「ギフテッド」という言葉の世間的認識がかなり曖昧になっていることが判明。

そこでまず、ギフテッドについて簡単にまとめようと思います。


ギフテッドとは?

ギフテッドは、先天的に平均より突出した知的能力を持っている人のことです。知的能力は学問的なものに限らず、音楽・絵画などの芸術分野など多岐に及びます。

知能の8分類

教育心理学者のガードナーは、知能を8つに分類しました。

これらの能力に対して全ての人間が得意不得意を持っていますが、これらのうちどれか一つが突出していると、ギフテッドと呼ばれ得ます。 

言語的知能:話しことばや書きことばへの感受性、言語の学習・運用能力
論理的数学知:問題を論理的に分析する、数学的な操作を実行する、問題を科学的に究明する
音楽的知能:リズムや音程、和音、音色の識別、音楽演奏や作曲、鑑賞のスキル
身体運動的知能:体全体や身体部位を問題解決や創造のために使う能力
空間的知能:空間のパターンを認識して操作する能力・対人的知能:他人の意図や動機・欲求を理解して、他人とうまくやっていく能力
内省的知能:自分自身を理解して、自分の生活を統制するために自己の作業モデル効果的に用いる能力
博物的知能:自然や人工物の種類を識別する能力

英才と2E

「英才」は、上記8つの能力が全て高いレベルを示すギフテッドのことを指します。

それに対して、ある能力に対しては高いレベルを示すものの、ある能力に関しては谷があるギフテッドを「2E」と呼びます。

2Eは twice-exceptional「二重に例外的である」の意で、2Eの当事者は学習障害や発達障害を併発している例が多いです。


ギフテッドの判定方法

ウェスクラー式知能検査

いわゆるIQテストと呼ばれるものです。

子供向けのものがWISC、大人向けのものがWAISと呼ばれます。

このテストで、全検査IQもしくは下位検査項目のうちいずれかが130以上を示すと「ギフテッド」と診断されます。

RTIモデル

RTIモデルとは、他の子どもと能力的発達が異なる子どもの能力や必要な支援を客観的に判断する診断モデルです。

RTIでは、子どもに3段階の支援を施します。

第1段階では、通常学級で全ての子どもを対象に質の高い指導を実施します。

ここで他の子どもと能力的発達が異なることが分かった場合、第2段階として通常学級での指導に加えて、少人数での補足的な支援が追加されます。

それでも不十分な場合は、第3段階として個別的な支援を追加します。

このように徐々に支援を追加しながら、子どもの能力と必要な支援を客観的に判断するのですが、日本ではほとんど浸透していません。

総合的判断

日本では、ギフテッドを判断する方法が知能検査しかないのが現状です。

しかし近年、知能検査だけでギフテッドを判断することに疑問が投げかけられています。

上の8つの能力のうち、少なくとも音楽的知能・対人的知能・内省的知能・博物的知能は知能検査では測ることができません。

そもそも知能検査は日常で使う知能を測るための検査のため、音楽に限らず日常に則さない芸術的能力を測るものではないのです。


IQがさほど高くなくても、ギフテッドである可能性はあるのです。


そこで出てくるのがこの「総合的判断」なのですが…

IQスコアに加えて、概念形成、抽象的思考、語彙力、創造性、数理能力、芸術的素養を総合的に判断します。  ギフテッドとは?特徴と判定法、能力を発掘して育む6つの教育法を紹介(2ページ目)【LITALICO発達ナビ】

これを見て「何この雑な説明…」と思ったのですが、一口に才能と言っても多岐多様。

見つからなければ才能にならないんだもの、最終的にそうなってしまうのも仕方ないですね…。


ギフテッドの抱える課題

これらの難題を乗り越えて才能を発見し、ギフテッドだと認定されたとしても、手放しで喜ぶことはできません。

ギフテッドは、ギフテッドであるがゆえに様々な精神的課題に直面することが多いのです。


ギフテッドの人は、他の人より神経の感受性が良いため、常に刺激を生理的に強く経験する状態に置かれています。

これをOE(過度激動)と言います。

OEは生まれてから死ぬまでなくなることはなく、ギフテッドの人たちの精神や日常生活にも大きな影響を与えます。

そのため、様々な精神症状に苦しめられることが多いのです。

気分的うつ

OEが強いと、身の回りのあらゆる刺激に過剰反応してしまいます。

その結果、周囲の人に感情の起伏が激しい「気分屋」、些細なことで不愉快になる「神経質」など負のレッテルを貼られてしまうことがよくあります。


運良くそれを免れたとしても、人との距離感や社会性を持った行動を取れているかどうかに苦しむことも少なくありません。

感覚が他の人と全く違うために、普通の人が取ってる行動が心から自然にできなかったり、相手の感情・欲求・反応などを考えすぎて一貫した行動が取れなかったりするためです。


しかし、刺激を避けるために一人でいると、今度は「付き合いが悪い」と非難されてしまうかもしれません。


このような八方塞がりの状況で、気分的鬱(慢性の鬱病とは異なる)を感じやすいのですが、それもOEのために強く感じられてしまい、さらに気持ちが追い込まれてしまいます。

孤立

ギフテッドの人たちは、OEによって周りの人と話が合わず友だちができにくかったり、周りの人から疎外されたりしがちです。

刺激を避けたり、内向性によって頻繁に内省したりするため、自ら一人でいることを選んでいるときもあります。

アンダー・アチーブメント(低達成)

ギフテッドの人の中には、学校のテストで本当はもっと良い点数が取れるのにも関わらず、わざと低い点数を取ろうとする人がいます。

それは、自分の才能を隠すことで周囲に溶け込もうとしたり、才能によって担当教師との関係が思わぬ方向に向かってしまうのを防ごうとしたりするためです。

先に言及した鬱気分や不安などの精神的症状が、パフォーマンスに影響することもあります。

また、学習障害を併発している人の場合だと、「ギフテッドと学習障害が同時に存在するはずがない」という思いこみのため、学習障害が見逃されてしまうことがあります。

完璧主義

自分の能力の限界を知らないギフテッドの人は、他の人より多くのことが大した困難なく、ときに他の人以上に達成できてしまうことがあるため、完璧主義者な一面があります。

しかし、高い思考の年齢に対して身体年齢や人生経験が追いつかないため、自分の思ったように行動できないことにもどかしさを感じることもあります。

その場合、完璧主義も相まってさらに辛い思いをしてしまいます。


最後に

この記事の出典欄を見たら、文章に真面目な人たちからグーパンチを食らうことになるでしょう。

それでも言いたかったのは、ギフテッドだからといって「才能ある、バンザイ!」では済まないということです。

他の障害と併発している2Eなら、なおさら。

これを踏まえて、今回書くはずだった後記事で「発達障害特集に出てくる人は才能が~」の件について書いていきたいと思います。

乞うご期待…されすぎるとできなかったとき辛いのですが、乞うご期待を。

*********************

出典

ギフテッドとは?特徴と判定法、能力を発掘して育む6つの教育法を紹介【LITALICO発達ナビ】

ギフテッド - Wikipedia

学習障害とRTIモデル|発達障害に関するニュース&コラム[LITALICOジュニア]

*********************

#ギフテッド #とは #発達障害 #学習障害 #メンタルヘルス #天才







この記事が参加している募集

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。いただいたサポートは、他の方のnoteのサポートや購入、そして未来の自分を磨くことに充てる予定です。