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「湯を沸かすほどの熱い愛」と、彼女の欲しかった愛について


みなさま、いかがお過ごしですか。

私はこの週末は少し仕事をして、日曜は彼と映画を見ました。【湯を沸かすほどの熱い愛】という邦画です。
最近コロナで引きこもりがちなので、家でnetflixなんかをみて過ごすことが多いです。

「湯を沸かすほどの熱い愛」という映画は、中野量太監督、宮沢りえ主演で、オダギリジョーがその夫役、杉咲花さんがその娘役です。

オダギリジョーが1年前に蒸発して出て行き、女手一つで娘を育てる宮沢りえ(双葉)が主人公です。
娘は中学生?なのですが、学校でいじめにあっています。制服を隠されたりして、学校に行くのが心底辛そうです。
でも宮沢りえは鬼の形相で「負けるな、逃げるな、学校にいけ」と、彼女を布団から引きずり出したりしています。優しくも厳しいお母さんです。娘さんもそんな宮沢りえに背中を押されて、勇敢に問題に立ち向かって行きます。


(あっ、それ、観ようと思ってた!という方は、以降ネタバレ必至なので★★★マークのところまで飛ばしてお読みください)


そんな中、パート先で突然倒れた双葉(宮沢りえ)は、搬送先の病院で、自分がステージ4の末期ガンであることを知らされます。
彼女は探偵を雇い、出て行った旦那(オダギリジョー)を見つけ出します。彼は隣町で、風俗店の女の子との間にうっかりできてしまった女の子と2人で暮らしていました。(彼女の母親は逃げた後でした)

そんな訳で、余命数カ月の双葉と、だらしのないオダギリジョーと、娘さんと、オダギリジョーの浮気相手の子ども(?)との4人暮らしが始まります。

でもストーリーが進むうちに、娘さんも実は双葉の本当の子どもではなかったことがわかります。(生後1歳未満のその子を、前妻から双葉が引き受けて育てたという経緯だったのでした)
娘さんは大変なショックです。その上母親は末期癌。突然の情報に混乱します。
双葉は最後に命を振り絞って彼女を産みの母親と引き合わせ、また絆を結びなおさせようとします。初めは反発した娘さんも、双葉の思いを汲んだのか、徐々に産みの母親を受け入れて行きます。

そんなわけで双葉には、血の繋がった子どもはいなかったのですね。

彼女の病態は普通に悪化して、緩和ケア施設に入院します。
でもそこに、オダギリジョーの失踪をお願いした時の探偵が訪ねてきます。
「例の件、わかりました」と。

実は、双葉自身にも、母親がいなかったのです。
母親は彼女が小さい時に「いつか迎えに来るから」と約束したまま二度と戻らなかった。
母親の捜索を、その探偵についでにお願いしていたというわけです。

探偵の調査の結果、母親は生きていました。
双葉は結果を聞くなり、「今すぐ会いたい」と探偵に頼み込み、病院を抜け出して母親を訪ねます。

母親は東京の高級住宅街で娘と孫と仲良く幸せそうに過ごしており、
訪ねてきた探偵を「そんな娘は私にはいない」と追い返し、双葉には会おうとしませんでした。

双葉はそれでも、母親の姿を一目見ようと、生垣から家の中を覗き込み、そこで自分の母親が孫と遊んでいるのを目にします。
「お母さん…」と、母親の姿を目に焼き付けるようにして。

娘さんは、死の床にある双葉に向かって、最後まで笑顔で、「お母ちゃんを一人ぼっちにはしないから」と力強く語りかけます。

そのようにして、物語はクライマックスへと進んでいきます。

双葉は結局死んでしまいました。壮絶な痛みと戦って。時に「死にたくない」と泣きながら。
最後は喋ることも動くこともままならないまま。

そういえば旦那さんは、日々弱っていく双葉を直視できず、何もしてやれず、「最後に欲しいものとかして欲しいこととかねえのかよ」と聞くのですが、
双葉はエジプトに行きたい、新婚旅行で連れてってくれるって約束した、と
言いはするものの、彼の「それはちょっと…」の言葉に「冗談よ。あなたは何にも約束を守ってくれたことなんかない でも、死んだら全部許すから。私が死んだ後のことよろしくお願いします」的なことを言っていました。


★★★

と、まあそんなストーリーなのですが、これがもう、途中から涙が止まらない感じで、
というよりむしろ呼吸困難に陥るほどで、隣に彼がいなかったら声をあげて泣きたいくらいで、
彼になるべくバレないようにポロポロ無音で涙をこぼすのがとっても大変でした。笑
(案の定翌朝目がパンパンに腫れてしまいました)

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