見出し画像

ビジネスリーダーがNPOの経営・ボードに参画すべき理由

こんにちは、World in You代表の山本未生です。
World in Youでは、多様なセクター(ビジネス、パブリック、アカデミア、ソーシャル)の皆さんが、NPOの経営・ボードに関わることを応援しています。関わる人やその人の本業にとっても、NPO側にとっても、そして社会にとっても、ベネフィットが沢山あります。


自身、大学卒業後、民間企業+副業でNPO支援→ビジネススクールでMBA→現職、という旅を中で、NPOの経営に関わるとリーダーシップを学び実践できる素晴らしい機会、というのを実感してきたので、ぜひ皆さんにもお勧めしたいのです。

これからの時代に求められ活躍できるビジネスリーダーとして、仕事だけでなく、社会とのつながりは必須です。社会という時、仕事で関わるステークホルダーだけではなく、仕事以外でも、どう地域社会や社会で起きていることに自分ごととして関われるかが、すごく大切なのです。

多様な人々との協働・コミュニケーション力

NPOの経営に関わることで、本業へ持ち帰れるものがあります。
1つ目は、越境学習、越境リーダーシップなどが言われていますが、多様な価値観や立場の人と議論・協働するコミュニケーション力です。
NPOという組織の経営や方向性という抽象度の高い話を、多様なバックグラウンドの人々と議論するには、ハイレベルのコミュニケーション力が問われます。

センスメイキングの力でビジネスへのヒントを

2つ目に、センスメイキングの能力を高める点で、NPOの経営・ボードに関わることは非常に有効です。
センスメイキングとは、多様な情報源の情報を統合して自分(たち)がいる現状を理解する力ですが、いつも情報を得ている範囲から、社会課題やNPOなどに広げて世界を見ることで、ビジネスに役立つインサイトにもつながります。

組織を経営する目線を若いうちから練習しよう

3つ目に、セクターや規模感は違えど、NPOの経営をみることは、組織を経営する目線を学び実践できることになります。ビジネスとNPOの経営には、違いも当然ありますが、共通するチャレンジも多く、知見を相互に活かせます。

人生を豊かにする仲間や学び

さらに仕事へのメリットだけでなく、NPOに関わることで、人生100年時代、皆さんの人生が豊かになります。会社だけが人生じゃない、となったときに、社会でエネルギ―を持って活動しているNPOや社会起業家の方や、様々な社会課題に出会うことで、大きなエネルギ―が湧いてきます。人や社会に関わりながら、役に経ち続け、学び続けていく場や仲間が、会社以外にもあることは、人生を豊かにします。

プロボノやボランティアでNPOに関わる方が増えてきていますが、現場の特定の活動に断片的に触れるだけではなく、まず団体の経営や役員目線で、団体がどこに向かおうとしているのか、何が必要なのか、を一緒に考える、という経験があると、NPOへの関わりがより有意義になります。

まとめていうと、「社会に開かれたリーダーシップ」をNPOの経営・ボードに関わることで、磨き実践していけるのです。

このあたりは、アクサHDジャパン代表取締役社長兼CEOの安渕 聖司さんに東洋経済オンラインでの記事でインタビューさせていただいたので、ご覧ください

NPO側にとっての意義

関わる人側へのメリットを簡単に書いてみましたが、当然、関わることによって、NPO側・広く社会にとっても、ビジネスリーダーの経験が還元されます。(このあたりは、こちらのnoteに以前書いてみました。「なぜボードフェロープログラムをはじめたか」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

NPOのボードを模擬体験する場

とはいえ、
いきなりNPOの経営・ボードに関わるといってもどうやって? と思う方もいると思います。

その入り口でお試しする機会として、World in Youで実施していて今年3年目になるボードフェロープログラムについて、少しご紹介させてください。

これまで、企業の経営者、大手企業サステナビリティ/CSR部長、次期役員候補、新規事業企画者、弁護士、会計士、議員、大学教授、非営利団体の代表、大学院生などにご参加いただいてきました。

もし、下記にあてはまるなあと思った方は、詳しいご案内を見ていただけたら嬉しいです。

  • 自分の想いや経験を活かし、社会の課題解決に自分ごととして貢献したい方

  • 社会課題や非営利組織についての学びやネットワークを、ご自身の企業や仕事に活かしたい方

  • 参加団体の経営陣と共に、団体の存在意義や組織のあり方に向き合い、長期的な関係性を築きたい方

  • 人生100年時代、働き方や生き方が多様化する中で、目の前の仕事や関係性に留まらず、多様な価値観や立場の人と協働したい方


社会人がリーダーシップのシミュレーションをできる場

さいごに、昨年のプログラム参加者(コンサルにおつとめ)が、参加してみての感想を書いてくださったのを抜粋します。
まさに、これから役立つリーダーシップを実験・実践し、かつ貢献できる機会として、考えていただけたら嬉しいです!

このプログラムは私にとって、社会課題解決のため「個人として」どんな役割を果たせるかの、シミュレーションあるいは実験の場だったと思います。
実は、社会人になると、個人としてのシミュレーションや実験が許される機会というのは、そうないと感じています。
(企業の商品開発のための実験などはあるわけですが。)

そんな中、なぜ個人としてのシミュレーション・実験の場が必要なのか?
現代では、社会や集団を変えていくメカニズムとしての「リーダーシップ」が重要であって、個人のカリスマ「リーダー」が求められているわけではありません。

つまり、(1)個人が万能スキルを身につけていくことよりも、(2)色々な個人が知恵やスキルを出し合って一体的にリーダーシップが発揮されるよう、①個人が自らの興味・能力・適正などを見極めてそれを強化し、②そうした個人が互いに連携する場を創出・継続することが必要に思います。

(アニメに例えれば、ドラゴンボールよりもNARUTO型…と思ってます笑。あるいはポケモン? 全員サイヤ人になれば世界平和が達成されるほど、現実は甘くない。)

(2)のうち特に①は、高校や大学も本来そのような場ですが、その環境を活かしきれた自信のある大人は少ないのではないでしょうか。そして社会人になってからは、そんな場は与えられず、常に実践の場で成功(というより、組織が成功するために、個人として絶対に間違えないこと)を求められて来た人が多いと思います。

でも私が参加したこのプログラムでは、社会課題解決という壮大な目標は掲げながら、そのために個人としてシミュレーション・実験を重ね、来るべき実践の機会に、自分に何ができそうか、何を改善すればいいか、どうしても強化できない部分は誰に助けて貰えばいいか、かなり具体的に分析し戦略を立てることができました。

なぜなら、プログラムは全体通して、実質的には実践でありつつも、常に「模擬」や「閉じられた関係性」の場として設定されていたからです。
子どもの成長においてもそうですが、人間は閉じられた(親密な)関係性での模擬的な反復演習がないと、社会でスムーズに力発揮できない側面があるように思います。私にとってのこのプログラムは、まさにそうした場でした。

(タイトル画像 Photo by Ben White on Unsplash


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?