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【創作のようなもの】もったいないから使い切ります

日付が変わった深夜0時過ぎ。
両親は寝ているこの時間が私の落ち着く時間だ。
昔から夜型人間で朝は苦手だった。
夜になって家族が寝て、邪魔されずに好きなことができる時間が、物心ついた頃からホッと出来る時間だ。

今夜は小さな端布を無地の布に縫い付けている。
チクチクと手縫いで。
無地の布にカラフルな模様の入った布を縫い付けると、アクセントになって可愛い。
昨日は編み物をしていた。
「使わないからもらってほしい」と言われ、ありがたく頂戴した毛糸を使って。

子どもの頃から手芸が好きだった。家庭科の成績も良かった。
特に好きだったのは編み物。その次に刺繍。
布を使う裁縫はできなくはないけれど、そんなに興味を抱かなかった。
布より糸が好きだった。

そんな私が日常的に裁縫もするようになった転機は2019年。コロナ襲来である。
以前からハンドメイド作家として、自作のものをイベントで販売していた私だが、感染症の流行に伴いイベントはほとんど開催されなくなってしまったのだ。
作品作りの合間にしていたアルバイトも、お店が休業になって無くなってしまった。
世の中が大混乱していた。

そこで始めたのが布マスク作りである。
薬局からマスクやアルコール消毒液が消え、手に入れることが困難になった。
だから布マスクには需要があった。ちょっと狂気を感じるくらい。
当時、たくさんの人が布マスクを作っていた。
そして今度はマスクを作るためのガーゼやマスクゴムが入手困難になった。
ガーゼの代わりにさらしを使うようになり、さらしも入手困難になって、綿の布を使うようになった。
最終的には白いミシン糸まで入手困難になるくらいだった。
あの狂気を感じるような時期はなんだったんだろう。

今は頼まれない限り、マスクは作っていないけれど。
それがきっかけでたくさんの布を使うようになり、結果、小物作りをするようになった。
ハンドメイド用品のリサイクル店の人とも知り合うことができ、お手頃価格で材料を入手できるようになった。
そのお店には使わなくなった手芸用品、材料などがたくさん送られてくる。
圧倒的に多いのは端布や使いかけの毛糸。
捨てるのはもったいないから、誰か使う人に利用してもらいたいという人達から送られてくるのだという。

私もイベント出店中に年配の方から声をかけられて「家にたくさん毛糸があるから使ってもらえないか」と言われたことが何度かあった。
使わなくなったからといって、処分できないという気持ちは良く分かるので、ありがたく頂戴した。
元々、使える物を捨てることに抵抗があったけど、リサイクル店の方と知り合って余計にその気持ちが強くなった。
世の中にはこんなにも、利用してもらいたいと思っている手芸材料があるのだと。

それから私の創作活動では、今まで通りの制作に加え、材料を使い切ることに重きを置くようになった。
本当に小さな欠片のような切れ端も捨てることはしない。
くるみボタンを作ったり、クレイジーキルトにしたり。
今やっているように、無地の布に縫い付けてカラフルな布を作り、それを使ってブックカバーやミニバッグなどの小物を作ったりする。
同じもののないオンリーワンが出来上がる。

縫えないくらいの小さな欠片や、編めないような糸の切れ端なども出てしまう。
でも捨てない。意地でも捨てない。
そういうものは、あみぐるみやぬいぐるみなどに詰める中綿に混ぜて使っている。
素材も無駄にならないし、ゴミも減らせて、作品に生まれ変わるので個人的には満足しているのだけれど。
課題は頂戴した毛糸や布が大量になり、部屋を占領していることと肩こりがキツいことだ。
とりあえずここ2年くらい、オーダーをいただいた場合以外は新しい材料を買わず、手元にある物を利用して、少しでも部屋の面積を増やすことを目標にしている。


こんにちは。羽根宮です。
企画の中に「もったいないから」というのがあったので書いてみました。
ほとんど実話ですが、身バレを防ぐため(?)に、企画の課題と直接関係ない部分にはフェイクも入れています。
「ハンドメイド作家」と名乗るような者ではございません。

でも以前から、物作りは好きなことであり、私にとって「無」になってモヤモヤを空っぽにするための大切な時間です。
細い糸で編んだり、手縫いでチクチクしたり、時間がかかる細かいことが好きだったりするので、出来上がるまでにそこそこ時間がかかってしまいます。
仕上げたいから時間をかけてしまうので、なかなか他のことが進みません。読みたい本が積まれているから、読書もしたいのですが……。
今日もほとんど本は読めていないですねぇ。
今から少し読もうかな。

ここまで読んで下さって、ありがとうございます。
優先順位をつけるのが苦手で肩が凝っている羽根宮でした。

#もったいないから

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