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ビジネス書好きの私が、小説を読んだら幸福感が急上昇した話

先日、久しぶりに小説を買いました。最後に自分で小説を買ったのがいつなのかも思い出せないくらい、久しぶりに。

そしたら、「なんでもっと早く気付かなかったんだ・・・」と愕然とするくらいの、幸福感を味わったんです。

ここ数年、ビジネス書ブームですが、私と同じように「読書はビジネス書派」の方に全力で小説の良さをお勧めしたい。もしかしたら、「素晴らしい小説を一冊読むことは、ビジネス書を数冊読むくらいのインパクトを人間に与えるんじゃないか?」くらいに思っています。

最近、エネルギー不足を感じられている方は、ぜひこの記事を読んで小説を手にとっていただきたいです。



20代は、ビジネス書ばかり読んでいた私


私は、読書自体は昔から好きな方(中学時代に図書委員長を務めていたくらいには)でしたが、20代はもっぱらビジネ書が専門でした。

それは、私の20代がやたらギラギラしていたからかなと思います。

「頑張ること」が自分の価値を証明する手段だと思っていた私は、社会人1年目の頃から社会人としてのノウハウ本をよく読んでいました。その後、副業などをしていた頃は、フリーランスや起業家の方の本を読んでモチベーションをあげていたりもしていました。

20代は、今思えば常に不安が根底にあったんですよね。何かしていないと、不安。成果を出していないと、不安。価値ある自分でいないと、不安。だから、自分の中の空っぽに見える部分を、本で読んだ知識や自信で埋めたかったのだと思います。でも、それは、まるでドーピングするかのように一過性のものなのだけれど。

だから、休みの日には、何かしら「意味があること」をしていないと落ち着かなかったんです。そんな風だったから、小説はもちろん、映画だって数年に1回見るかどうか、でした。


小説を読もうと思ったきっかけ


そんな私が、小説を読もうと思ったのは、たまたま手に取った雑誌の影響です。

「ひとり時間の充実」という特集で、いろんな人が自分なりの「ひとり時間」の楽しみ方を紹介している雑誌で、その中で「小説を読む」と答えていた人がいたのです。


そもそも私は、20代後半に仕事で挫折したことをきっかけに、「こんな風に頑張り続ける人生は無理だ!」と悟り数年かけて生き方のリハビリをしているところでした。

日常に余白をつくり、「ただ存在しているだけでOK」という価値観を、あの手この手で自分に染み込ませる。結果、人間性が180度変わりめちゃめちゃ生きやすくなったのです。なので、今でも「頑張ること」以外で自分を満たす方法をずっと研究し続けています。


だから、「ひとりの時間の充実」とかも好きなテーマで。「小説」はこれまで意識したことはなかったけれど、なんだかとても印象に残ったのです。

思い立ったら即行動に移さないと気が済まない私は、すぐに本屋に行ってピンときた小説を買ってみました。選んだのは、小説に疎い私でもタイトルを聞いたことがある、文学賞も受賞した作品。

そして、さっそく買ったばかりの本を持ってスタバに行き読み始めたら・・・

あっという間に一時間以上が経過していました。

その時、最近では感じたことのない「幸福感」にじんわりと包まれていることに気付いたんです。

まさか、小説を読むだけでこんな気持ちになれるとは・・・。今までいろんなことを試してきたけど、ここまで即効性があったものがなかったので、なかなか衝撃でした。


では、なぜ小説を読むことが幸福感につながるのか?

私なりに考察してみました。


①没頭できる

頭を空っぽにして、何かに「没頭」することがストレス発散につながる、という話を聞いたことはありませんか?

おそらく、スポーツや、「今ここ」に集中するマインドフルネスなどがストレス発散になる、というのと同じようなことかなと思います。


不安なことや、イライラすることがある時って、それらがぼんやり頭の中に居座って離れない。だから、別のことに意識を集中させると、頭の切り替えになるんですよね。

何かに没頭する、というのは、まさに「頭の切り替え」に繋がると思うのです。

小説は、日常から離れて、異空間に身を投じることができます。その瞬間は、今抱えているモヤモヤを忘れてしまえる。一時的な現実逃避に聞こえるかもしれませんが、頭の切り替えには一役買っていると思います。


②泣くことがデトックスになる

最近、「涙活」という言葉を聞いたことがあります。涙を流すことで、スッキリする!というストレス発散方法(活動?)の一つみたいです。

これも、「わかるなぁ」という人が多いのでは?と思います。特に、大人になると、感情を表に出さないようにしているものだし、そもそも左脳ばかりゴリゴリ使って生きているビジネスマンからすると、「感情を動かすことが悪だ」くらいに思ってる節がありますよね。(私はそうでした・・・)


でも、感情は動かして、しっかり放出していかないと、心に溜まっていくばかり。それに、感情を殺しているっていうのは、全くもって人間らしくない。特に、「幸せ」なんてものは、「○○ができたら幸せ」なんて達成によって感じることではなく、感じるものですからね。感情を殺すことが当たり前になっていたら、感じられるわけがない。

だから、心を震わせて感情を表出する行為って、私はそれだけで「幸せ」を感じる一歩になっているんじゃないかな、と思います。


・・・と、これは私の持論ですが、涙活についてはこんな記事がありました。

副交感神経が優位になることでリラックス効果が得られる、というきちんとした理由があるようですね。


③人生に必要なメッセージをもらえる

エンタメ作品って「人生の指針」になるメッセージが込められていること、多いですよね。音楽、漫画、映画など・・・「人生のバイブル」と言えるようなものが、誰にとっても何かあるんじゃないかと思います。

小説だって、例外ではないですよね。

私は、夫が映画やドラマ好きで、夫と付き合うようになってから影響されてそれらを一緒に見るようになりました。それまで、私は音楽は好きだったけど映画やドラマは「時間の無駄」としか思ってなかったのです。(失礼・・・)

でも、全然違いましたね・・・!エンタメって、根底には何か「伝えたいメッセージ」があって、それを効果的に伝えるようにストーリーが組まれているものなんだな、と実感しました。


特に、「人生を動かすためのメッセージ」って、ビジネス書なんかでも私はたくさん触れてきましたが、エンタメを通して伝えられる方がスッと入ってくる気がするんですよね。

それはきっと、「ストーリーの力」なのかなと思います。伝えたいことって、ズバッと言っても押し付けがましくなったりします。でも、ストーリーに忍び込ませて伝えると、自然と入ってくる。

スピーチとかでも、ストーリー性があるものだと共感性が高まりますよね。それと同じことが言えるのかな、と思います。


今回読んだ小説からも、私はメッセージを自分なりに受け取りましたが、なんだか心の奥にジーンと滲み入る感じで。これは、ビジネス書とは全然違う感覚。

しかも、小説って余韻が残るので、受け取ったメッセージがずっと残るんですよね。ビジネス書って、ともするとサラッと読んでしまったりするので、ここまで残ることはあんまりなかったかなぁ・・・と思います。



これが、私が小説を読んで幸福度が上がった理由、です。

あとは、単純に、20代の時は足りない何かを埋めようと必死だったけど、こういうエンタメに触れられる時間を噛み締められる心の余裕ができたのが、すごく嬉しい。

なんだか、単純に「気負いなく楽しめている時間」って、ホッとするもんです。

こういう、目的や意味なんかないものに時間を割けることが、人生の幸せにつながるのかな、なんて思ったりします。



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