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信頼と尊敬の構築は心をラクにする

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

「あなたが言うならやってみます」という関係性って、最強です。

イメージしやすいのは、マネジメントのシーン。

上司と部下の関係性でよく聞くのが、「なんであなたからそんなことを言われないといけないんですか?」と部下が上司に疑問に思っているということ。

部下にこう思われる時点で、その上司は上司失格ですし、適切なマネジメントができなくなります。

関係構築の根底にないといけないのは、信頼と尊敬です。

「あなたが言うなら、信じてやってみます」・・・上司と部下の関係性であれば、いかにこの状態をつくるかが大切。

「この状態になっていないからマネジメントに苦戦している」という上司は少なくないはず。

「あなたが言うなら、信じてやってみます」の状態をつくる上でのポイントは、「従わせる」のではなく「自発的にやってもらう」ことです。

何かを依頼する時、無理に押し付けるのではなくて、それをやる理由を部下自身が納得していることが大切です。

そのために上司がやるべきことはたくさんありますが、最もわかりやすいのは、理由を明確にしてあげることです。

「なぜ?」という目的をセットにして伝えてあげる、しかも、その部下に特化した理由として伝えてあげるんです。

一般論だけを並べても、「それって、なんで自分がやるの?」ってなってしまいますから。

関係構築というのはシンプルですが、そう簡単にできるものではないです。

でも、そこを疎かにしたら、関係性においてずーっとしこりが残る感じになりますし、個人にとってもチームにとって良いことはありません。

誰かが一歩を踏み出すしかないので、上司自身が勇気を持って、部下に踏み込んでいきましょう。

ここからは、「信頼されて尊敬されるということはどういうことなのか?」ということについて言及していきます。

メンター育成で使っている言葉で、「メンティからの信頼度は何%ですか?尊敬度は何%ですか?」というものがあります。

なぜこの言葉を使うかというと、メンターがメンティに信頼されていて、尊敬されていれば、メンターが伝えたことをメンティは素直に取り組んでくれるからです。

逆を言うと、信頼されていなくて尊敬されていなければ、何を言っても響きませんし、1on1での対話では表面的な自分しか見せずに、見せているものと別のところに本心がいる可能性があります。

僕のメンターとしての実体験からしても、コーチャブルな人は成長スピードが速いですが、メンティに「この人に言われたからやってみよう!」というスタンスがなければ意味がないんです。

🔶信頼度や尊敬度はどうやって測ってるのか?
🔶メンターとして信頼される為に何が大切だと考えるか?
→この2つの問いに答えたことがあるので、以下に記します。

Q1.信頼度や尊敬度はどうやって測ってるのか?

【Answer】
端的に言うと、対話での『感覚』です。わかんないので、少し言語化します。
例えば、「連絡に対するレスの速さや頻度」「アクションの実施度合い」「メンティが発する言葉」「1on1に対する準備」「1on1後の連絡内容」「1on1と1on1の間のコミュニケーション」などなど。
これらの視点で、「メンターである自分のことを信じて頼ってくれているか(信頼度)」、「メンターである自分のファンであるか(尊敬度)」を測っています。
尊敬度をもう少し噛み砕くと、「〇〇さんが言うならやらなきゃ」という状態になっているかということでもあります。僕の場合は、「信頼してます」「尊敬してます」というメンティの言葉は鵜呑みにせず(信じていないというわけではないです)、相手の態度や行動で判断しています。顕在化したもので判断してしまうと、相手の潜在的な部分を探れなくなる為です。
実際に、「やります」と言ってやってこないメンバーを度々見てきました。これは、僕への信頼度と尊敬度が100%になってない証拠です。それぞれが100%であるならば、設定したゴール(共通の認識として掲げているもの)に対するアクションなので、何よりも優先してやるはずなんです。
ただし、ここで注意なのが、信頼度と尊敬度っていうのは、相手との関係性の上でマウントを取るわけではないということ。相手から信頼され尊敬された状態のメンターがやらなければならないのは、メンティのことも信頼して尊敬することです。相互の信頼と尊敬があるからこそ、あくまでも伴走者として相手の自立と自律を生めるんだと、個人的には思ってます。
信頼度と尊敬度の正解なんてないんです。自分が100%だと思っても、メンティに「100%です」と言ってもらったとしても、その信頼や尊敬がいつ崩れるかなんてわかりません。メンターが成長せずにメンティだけが成長していけば、100%だったものがどんどん下がっていく可能性もあります。または、メンターとしては100%だと思っていても、メンティからしたら100%じゃない可能性もある。メンティが「100%です」と言っても、メンティ自身も気づいていない潜在的なところで100%にならない何かが存在するかもしれない。
だからこそ、「これをやったら測れる」というよりは、「関わり続ける限り追求し続けるものが信頼度と尊敬度」なのかなって思います。

Q2.メンターとして信頼される為に何が大切だと考えるか?

【Answer】
これも端的に言うと、『メンティが信頼するポイントを押さえること』です。
誰かが誰かを信頼する時のポイントは違います。違って当然なんです。生きてきた環境や経験が違うから、価値観も違うし、人を信じるポイントも違う。それを頭に入れないで、「こうやったら信頼される」って決めつけてはいけません。
ただ、共通するポイントはあると思ってます。それは、『誠実で謙虚な姿勢を持ち、感謝の気持ちを持って相手と接すること』です。これは日常生活においても同じです。1on1の場合はここに、『本気で相手の人生を豊かにしようという覚悟と責任を持つこと』をプラスします。
例えばそのうちの一つに、「本気であなたが掲げたゴールに対して伴走しますよ」という意志がメンティに伝わることが挙げられます。そこで大切なのが、『初回の1on1』だと考えています。「あっ、この人を信じて頼って良いんだ」と思ってもらう為の時間にならないと、自発的な1on1への参加姿勢が生まれないので、2回目以降の1on1が有意義になりません。
ただし、初回で100%にする必要はないです。もしかしたら、慣れるまでは「1on1を実施すること」が目的になる可能性もあります。それでも良いと思ってますし、僕も最初はそうでした。「絶対に成長をさせてみせるから、1on1をやろう!ついて来て!」と、僕がメンバーにお願いをして、1on1の時間をスケジュールに入れていました。1回目の1on1でやったことは「1on1をやることの意義を伝えて、1on1をやることに対して同意を得ること」でした。
メンターの僕としては、メンティを成長させるという使命を追ってるわけなので、1on1という時間を有意義にする為の準備をひたすらにするわけです。複数回の1on1を通して、自らの考えや価値観に変容が起こってきて、行動の変化が訪れたり、成果が出てくると、「この人を信じてやってきたら、なんか自分が良い方向に変わってきた!」と感じる瞬間があり、そうなると、信頼度が100%になっていくんだと考えています。
別の視点で大切なのは、メンティに要求していることを自身でもやることや、メンティ以上に自身が成長していくことはとても重要です。メンティが変容を起こして成長をしていくと、どんどん視座が高くなって、自分で自分の変容をコントロールできるようになってきます。いわゆる「自走」の状態です。そうすると、下手したら「メンター必要ないかも」ということを思い出すかもしれないのです。そう思われないように、メンター自身も成長し続けなければならない。
「メンティの3倍以上の角度で成長していかなければならない」と思っています。メンティからの信頼・尊敬を獲得し続ける為には、メンター自身が成長し続ける。これは忘れてはいけません。
ただ、メンティがメンターに「もう1on1は不要です」と宣言することは、とてもいいことだと思います。その段階まで伴走できたということこそ、メンターの価値だからです(マラソンのペースメーカーみたいなイメージかな)。

人をマネジメントしたり、ビジネスをマネジメントしたりする時には、以下のようなことを実行します。

①ゴールを設定する(リーダーシップ)

②ゴールまでの道を定める(リーダーシップ)

③いつまでにどこまでどうやって進むかの計画を立てる(マネジメント)

④メンバーの役割分担を決めてチームを作る(マネジメント)

⑤進捗を確認して計画通りでない場合はアクションを実行する(マネジメント)

⑥ゴールまでチームを引っ張る、チームを鼓舞する(リーダーシップ)

なので、上司と部下が「あなたが言うならやってみます」という関係性になっていることは、非常に大切なんです。

「あなたが言うならやってみます」ということを部下が発するためには、部下が「この人が上司なんだ」という『納得感』を得ていることが必要です。

チーム構成は組織的に行われて、個人が意見することはできないことが多いですけど、「あの人が上司かなぁ、嫌だなぁ」と思われることなく、「あの上司で良かった」と思われる状態(納得している状態)をつくるには、まずは『上司と部下の関係性を深めること』が大切。

🔶どんな人なのか?る
🔶強みとか弱みは何なのか?
🔶どんな人生ミッションやビジョンを掲げているのか?
🔶仕事を通してどんな人になりたいのか?
🔶過去にどんな経験をしてきたのか?
🔶これ迄はどんな上司と仕事をしてきたのか?
🔶仕事に対してはどんな姿勢なのか?
などなど・・・

スタートした瞬間にやることはたくさんありますし、関係性の構築というのは継続的にやっていく必要がありますから、継続的にその人のことを知れるように心理的安全性を作ることが大切です。

上司として「何を言うか?」ではなくて、「何かを言うか上司自身が部下にとってどんな存在なのか?」を追求していきましょう。

「あなたが言うならやってみます」という関係を上司と部下の間で構築できたら、上司も部下も心がラクになっているはずなんです。

仕事においてマイナスなストレスを抱えている人は5人に3人いるとされている今の日本において、どんな役割の人だとしても、ストレスマネジメントは重要な要素です。

僕として思うのは、「そのストレスは、上司と部下の関係性にこだわることで、ある程度は解消されるんだろうな」ということ。

人との関わりの中で生じるストレスっていうのが、やっぱりとても大きいので(いろんな人を見てきてそう思います)。

少しでも多くの人の心がラクになったらいいなぁ。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。


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