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仕事で得たい報酬と向き合う(内的報酬と外的報酬のバランスが大切)

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

僕は誰かをマネジメントする際に、最初に確認することがあります。

それは、
🔶なんで働いているの?
🔶なんでここで働いているの?
🔶ビジョンや夢は何?
🔶どんな姿になりたいの?
🔶どんな自分でありたいの?
🔶どんな報酬を得たくて、この環境でこの仕事をやっているのか?
などの問いです。

これらにスパッとすぐに答えられる必要はないのですが、こういう視点を持って働いてほしいという想いは持っています。

組織に所属すれば、誰でも何かしらの役割や使命を与えられます。

ただ、その仕事を「与えられるからやる」という動機にしないでほしいんです。

個人が掲げている未来から逆算して、その仕事を自分の成長に紐づけてやってほしいと伝えています。

「どうせその仕事をやるなら、その仕事で得られるものを最大化させたい」という意図があります。

そして、自分の目指している未来の姿に繋がっているという認識を持った上で仕事をすることで、ワクワクとイキイキとした気持ちで臨めると思っています。

『〇〇ドリブン』ということをあえて言語化するなら、『自分ドリブン』かな。

ドリブンという言葉には、「~に突き動かされた」「~に駆り立てられる」という意味があるので、『ドリブン=原動力』という言葉にもなるか。

『自分ドリブン』って、言葉からしてセンスがないですが、意味としては「自分で自分を突き動かしてほしい、駆り立ててほしい」というメッセージを込めています。

だから、「もし何かやらされていると感じる仕事があれば言ってね」とメンバーには伝えていますし、そういう時に気軽に言ってくれる関係性を構築することにも注力しています。

「本当はこう思っている」が引き出せなければ、何の意味もないですから。

何を原動力として働いていもらうかというのは、個人の生産性やチームの生産性に大きく影響します。

主体性を発揮しながら自分で自分なりの目的設定をして行動に移す人がいるチームなのか(役割の範囲内で行動を移すことを前提にしながら、役割を超えてでもチームや組織にとって良いと思ったらやった方がいいというスタンス)、何かがあっても「それをやったら何をもらえるんですか?」と気にして何も行動をしない人がいるチームなのか。

リーダーやマネージャーが、報酬についてどのように考えているかで、そのマネジメントの方法は変わってくるでしょう。

どっちが良い悪いはないと思うので、リーダーやマネージャーをやっている人は「自分はどっちがいいかな」と考えてみる、プレーヤーの人はリーダーやマネージャーに「〇〇さんはどういう考えを持っていますか?」と聞いてみる。

そういう動きをやってみるといいでしょう。

『馬にニンジン作戦』というのは、聞いたことがあるか、もしくは知っている人が多い話だと思います。

『馬にニンジン作戦』について調べるといろいろな記事が出てきますが、2つの記事をピックアップして内容を紹介します。

理解が深まると思った部分を以下に抜粋しています。

「馬の鼻先にニンジン」なんて言葉がある。馬の前にニンジンをぶら下げたら、それを食べようと馬は全速力で走り出すという、マンガやアニメでよくみるシーンだ。
人間でも同じように考え、高給で釣れば優秀な人材はいくらでも集められるし、モチベーションをいくらでも上げることは可能だ、ということを主張する人も結構いる。
しかし実際には、馬は賢い生き物だ。「走ることとニンジンを食べることは別」だとすぐ気づき、ニンジンを上手に食べるための工夫をするようにはなっても、走ろうとはしないだろう。業績を上げる人の中には、そこまで金や名誉に貪欲だったわけではないけれど、純粋に仕事が楽しかったからそれにのめり込み、結果として高い成績を収めることになった、という人も結構いる。こうしたタイプは、高給を示されると、かえって意欲を失う。高給、すなわち期待の高さがプレッシャーとなり、プレッシャーに押しつぶされて、仕事が楽しくなくなってしまうのだ。楽しくなくなると、パフォーマンスがひどく低下する。こうした性質の人は、仕事にいかに楽しく取り組むか、ということが大切になる。
世の中には、お金が欲しいから働く、という人もいる。そういう人は、「馬の鼻先にニンジン」よろしく、高給でモチベーションを高めることも可能かもしれない。しかし、私の経験上、そうした人は、世間ではむしろかなり少なめ。多くは、「仕事が楽しい」ことの方が、パフォーマンスを高めるのに役立つようだ。お金だけでモチベーションを上げようとしても、そうした性質の人は、むしろ高給を示されたことでモチベーションを失うことになりかねない。
「馬の鼻先にニンジン」は、実際には馬も走らないようだ。YouTubeで検索すると、実験映像が出てくる。ニンジンを食べたければ、ニンジンを食べる工夫をすればよいだけのこと。わざわざ走る必要はない。人間もそうだ。高給を示されたら俄然やる気が出るか、というとそうでもない。働いて欲しいなら、働きたくすればよい。つまり、働くこと自体が楽しくなるように工夫すればよい。
高給を示す、という行為は、ある意味、安直だ。仕事を楽しくする工夫を捨て、お金で解決しようとしているのだから。しかし、楽しくすることはお金だけではなかなか実現できない。上司、あるいは経営者の心がけによるところだからだ。上司が、経営者自身が、仕事を楽しいものにしたい、と考えているかどうかが、大切になる。
馬は、ニンジンなんか与えなくても、本来、走るのが好きな生き物だ。放っておけば、草原の中を跳ね回っている。人間にとっての仕事もそうだ。本来仕事は、工夫を凝らすことで達成することを楽しめる、とても面白い「ゲーム」だ。人間は、変に期待値を釣り上げられなければ、仕事を楽しめる生き物だ。楽しんだときのパフォーマンスは、最高のものになる。
高給を示しても働いてもらえなかった経験のある経営者は、「しょせん人間は、働くのが嫌いな生き物、利益だけ貪って仕事はできる限り怠けたい生き物なのだ」と信じてしまうことがあるようだ。だが、自分自身が、仕事を楽しいものにする工夫を怠っていなかったか、もう一度見直す必要がある。仕事は楽しくないものだと決めつけて考えるから、お金で釣るしかないと考えてしまうのかもしれない。しかし経営者がそう考えれば、仕事は楽しくないもの、という社風ができあがってしまう。これではもったいない。仕事を誇りある、楽しいものとすること。そうすれば、社員は嬉々として働く。お金は、なるべくそうした社員の仕事ぶりに見合うものにすること。
生活に困らず、余裕を確保できるものにすること。それができれば、会社は「楽しい!」を労働意欲のドライブにして、ますます加速するように思う。

何年か前のうちの塾のある生徒は、「先生、これができたら、何くれる?」が口ぐせでした。いつもいつも、そうでした。定期テストのときも、「成績が前回より良かったら◯◯を買ってもらえるんだ」と、一夜漬けにせよがんばるのでした。「次のテストであなたのがんばりをみせて」というと、「じゃあ、がんばったら、何くれる?そうじゃなければ、めんどくさい」とこうでした。根は素直なのに、ほめるとうれしい顔をするのに、せりふは「何くれる?」。
なぜそんな言い方をするのか、これまで疑問でした。最近、はたと思い当たったのが、もしかすると、ご家庭での「ご褒美作戦」???小さいころから、100点取ったら◯◯円、お手伝いしたら◯◯円と親子で「契約」があったとしたら、家庭以外でも「契約」したくなって当然。だって、それがその人の動機付け(モチベーション)つまり、やる気のもと、かも知れません。
子どもであれ、労働して報酬をもらう、それがお小遣いなのだ、というどこかの国の考え方とは少し違うでしょう。だって、日本ではたいていお小遣いは別にあげるようですから。やる気づけを、「馬の鼻先にニンジン」、と同じように考えてしまうと、子どもの思考回路をゆがめてしまうことになりはしないか、と小さなことが気になったりします。

『馬にニンジン作戦』が悪いということを言いたいわけじゃありませんが、どんなニンジンを相手に与えるのか、どんなニンジンを自分に与えるのか、これが大切だと思うんです。

組織で言うと、報酬の設計に関わる話。

チームをマネジメントしたり、誰かをマネジメントする上で大切なのは、リーダーやマネージャーを務める人自身が、ブレない軸を持っていて、その軸に沿ってメンバーと関わることだと思います。

チームをリードしたりマネジメントするやり方には、定石はあっても正解はないと思うので、会社の文化・風土やメンバーの個性に合わせて調整をしていく必要があります。

マネジメントにおいて報酬をどう絡めていくのか、それも組織づくりにおいてはしっかりと考えていかないといけない。

仕事によって得られる報酬を考えた時に、内的報酬と外的報酬のバランスが大切です。

人によっては、どちらかだけで良いという人もいるかもしれませんが、両者がバランス良くあれば、それはそれで良い状態のはず。

組織視点で考えたら、両者の上げ方を間違えてしまうと組織が崩れていくので、組織の理想像から逆算しないといけません。

『図解 人材マネジメント入門』を参考にして報酬を理解していきます。

こちらの本、人材マネジメントの教科書として使っています。この本を参考にして、報酬について理解していきます。

なんと、この本の一部がディスカヴァー・トゥエンティワンさんのnoteでマガジンとして無料公開されているので、ぜひ見てみてください。

無料公開されている範囲で、報酬について理解していきます。

◆報酬とは賃金だけではない
報酬とは、賃金だけではない。そう捉えると、企業の人材マネジメントにおける「報酬」の設計とは、働く人が「仕事によって何を得られるのか」、個人と組織の接点(タッチポイント)において「どんな嬉しいもの」があると組織パフォーマンスが最大になるのか、という設計に他なりません。
例えば「納得感ある評価」によって賃金を「公平に分配」することだけではなく、組織内に「魅力的な仕事」を生み出し「適切に異動配置・アサイン」することも重要な報酬になります。
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◆内的報酬と外的報酬
内的報酬とは、仕事そのものから生まれる報酬のことです。仕事にやりがいがあること、キャリア開発の喜びを感じること、職場の仲間や仕事で知り合った人たちとの人間関係から得られた社会的満足、などです。あると満足につながります。研究者ハーズバーグはこれらが「動機づけ(モチベーション)」の要因だと言っています。
外的報酬は、外から与えられる報酬です。給与や昇進、社会的な地位があがる、大きい椅子に座れる、秘書がつく、などです。ハーズバーグはこれらが足りないと不満につながる「衛生(予防)」の要因だと言っています。

※引用:以下のnote

◆最適なのは大きな内的報酬と適度な外的報酬
組織パフォーマンスを最大化するためには、内的報酬と外的報酬はどのようなバランスで考えれば良いでしょうか?賃金などの外的報酬は、多すぎても少なすぎても問題が生じます。賃金が少なすぎる場合、働く人の生活に支障が出る、不満から退職につながるなどの悪影響が起きることは想像に難くありません。しかし賃金が多すぎる場合にも悪影響があります。プリンストン大学の心理学者、ダニエル・カーネマンによれば年収7万5000ドル(約900万円)を超えるとそれ以上は賃金が増えても幸福度(生活の満足度)に影響はないそうです。企業の負担を考えても、適度な外的報酬であることが重要だと言えます。
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◆外的報酬は使い方によっては内的報酬を邪魔することもある
例えば好きで勉強をしていた子供にご褒美(外的報酬)を与えてしまうと、それがなければ勉強をしなくなる、好きで熱中していた仕事に金銭報酬を与えられるとやる気がしなくなってしまう、など。これをローチェスター大学の心理学者エドワード・L・デシは「アンダーマイニング効果」と名付けました。一方で、何かの賞を目指して頑張るなど、外的報酬があることによって内的報酬が促進されることもあります。これを「エンハンシング効果」と言います。コストをかけて外的報酬を増やせば、人はやる気になるわけではない、むしろやる気を削がれたり、幸福度が減ったりすることもある。人材マネジメントの難しいところです。逆に言えばコストをかけなくても内的報酬を促進する方法は工夫次第でいくらでもある、とも言えます。

※引用:以下のnote

内的報酬と外的報酬を改めて画像で示すと、こんな感じ(上記の本より引用)。

そして、内的報酬と外的報酬のバランスを考えた組織づくりをしていかないと、どちらもないとか、どちらかに偏ったりとかではいけないということ。

上の画像で言うと、『支障が出る水準』というラインをどう捉えるかで、目指す組織の姿が変わってきそうですよね。

内的報酬と外的報酬をどのように引き上げていくのか?というのは、とても大切なこと。

例えば好きで勉強をしていた子供にご褒美(外的報酬)を与えてしまうと、それがなければ勉強をしなくなる、好きで熱中していた仕事に金銭報酬を与えられるとやる気がしなくなってしまう、など。これをローチェスター大学の心理学者エドワード・L・デシは「アンダーマイニング効果」と名付けました。一方で、何かの賞を目指して頑張るなど、外的報酬があることによって内的報酬が促進されることもあります。これを「エンハンシング効果」と言います。コストをかけて外的報酬を増やせば、人はやる気になるわけではない、むしろやる気を削がれたり、幸福度が減ったりすることもある。

『幸福度の作り方』をどう設計するかで、報酬の与え方が変わってくるなと感じます。

これは人によっても価値観の違う領域ですし、だからこそ、会社としての指針は必要なんだと思うんです。

そして、その指針に沿ったメッセージを、採用のシーンから伝えていくことが大切で、入社後のオンボーディングでも一貫した関わり方をしていく必要があります。

ただし、
🔷採用時には内的報酬をフックにしているから、入社後も内的報酬だけを見せていれば良い。
🔷採用時には外的報酬をフックにしているから、入社後も外的報酬だけを見せていれば良い。
というのは違います。

採用時に内的報酬をフックにしているにも関わらず、入社後には外的報酬をチラつかせると、元々持っていた内的報酬への意識がなくなり、外的報酬にばかり目がいくようになる可能性があります。

一方、採用時に外的報酬をフックにしているにも関わらず、入社後には内的報酬をチラつかせると、「やりがいの搾取だ」と思われる可能性がある。

だからこそ、内的報酬と外的報酬の両者を踏まえた上で、採用時から入社後まで一貫したオンボーディングを設計する必要がありますし、外的報酬の賃金に関しては、ライフステージの変化に伴って気になってくるタイミングが必ず出てきますから、人生設計を踏まえて考えていかなければなりません。

🔶内的報酬を上げる為に何が必要か?
🔶外的報酬を上げる為に何が必要か?
🔶それぞれの報酬にはどのような繋がりがあるのか?
ということを、組織文化や組織風土を踏まえて考えていく必要があります。

「どちらを上げるのが先なのか?」という答えのない問題もありますが、「どちらが先とかではなくて、両方上げていくための施策を打っていく。結果として、どちらかが先になる。」という考えなんだろうなと思います。

この話は、「どんな組織・会社にしたいのか?」「その会社ではどんな人が働いていてほしいのか?」という理想の姿を決めないと、方向性が定まらない話です。

逆に、内的報酬と外的報酬の上げ方が定まっていれば、働く人としても自分の人生をイメージしやすいですし、仕事だけではなく私生活も捉えた上で、「この会社で働くことが自分にとって適切なのか?」という判断も下せます。

何よりも、『今』だけじゃなくて『未来』も見据えた仕事ができるので、成長予感も持ちやすいかなと感じます。

仕事によって得られる報酬を考えた時に、内的報酬と外的報酬のバランスが大切だという結論になります。

人によっては、どちらかだけで良いという人もいるかもしれませんが、両者がバランス良くあれば、それはそれで良いはず。

組織視点で考えたら、両者の上げ方を間違えてしまうと組織が崩れていくので、組織の理想像から逆算しないといけない。

『報酬』というのが働く上では大切で、それこそ「この会社で働く意味」に直結する部分だと思っています。

ただ、上げ方を間違ってしまうと、取り返しがつかなくなるということも理解しないといけない。

個人レベルから組織が崩壊する可能性もある・・・これは頭に入れておかないといけません。

「お金を上げれば良い」「やりがいさえあれば良い」という単純な考えだと、働く人が離れていくということを忘れずに・・・。

冒頭の話に戻りますが、個人としてできること、やるべきことは、これらの問いに対して自分なりの回答を待ち続けること。

🔶なんで働いているの?
🔶なんでここで働いているの?
🔶ビジョンや夢は何?
🔶どんな姿になりたいの?
🔶どんな自分でありたいの?
🔶どんな報酬を得たくて、この環境でこの仕事をやっているのか?

「目的もなく、ただ何となくここで働いている」という状態は、生きがいや働きがいを低下させ、個人にとっても組織にとっても良いことがありません。

目的を持つこと、決意すること、これが個人の元気に繋がり、心のラクをつくりだします。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。

他のnoteも読んでいただけると嬉しいです。


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