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ひつじにからまって

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ひつじにからまっているものがたりたち
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#夏

夏の忘れ形見

夏の忘れ形見

サッカーボールが川原に三つ落ちていた。いずれも潰れ、空気は抜けている。秋口を迎え空気が冷めているせいか、もはや風鈴の涼しい音も鳴らなくなった。

あれは夏の忘れ形見だろうか。夏休みの宿題をやり忘れてしまうような、プールに入り忘れるような。サッカーボールは、これまでの人生でぼくが忘れてきたもののひとつに思えた。

上から眺めると、顔のように見えた。ええと、なんだっけか。シミ、シマ、あとちょっとのとこ

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夏が終われば

夏が終われば

いつからだろうか。この縁側がこれほどまでに静かになったのは。
ここで子供たちが花火ではしゃぐ姿を眺めていれば、セミやコオロギがやかましい声が聞こえた。この年になってもいまだにその光景がまぶたに浮かぶが、それらの声だけは聞こえない。
幼かった子が独り立ち、孫を連れて帰ってきたときには喜びが胸をうつものの、あの煩わしかったものすべてが、いまや遠く、遠くのように感じられる。

「なあ親父、一緒に暮らさな

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スイ味のかき氷

スイ味のかき氷

「いい加減食べなよ。誰かが頭痛で寝込むことになるよ」
「溶けたら固めて、また同じことができるから放置しましょうよ」

夏になると彼女はとても困った人になった。氷を削る手の感覚に夢中になって、時間ができればしょっちゅうかき氷を作っている。その様子はまるで暗示でもかけられているようだった。
彼女がその気になればわずか一時間足らずでせまい食卓は足の低いグラスで埋まる。近所の子供にあげたりもしたけれど、毎

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