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テノール! 人生はハーモニー


フランス、バンリュー(郊外団地)に暮らす低所得ラッパー(演じるのはビートボクサーのMB14)が、ひょんなことからオペラ座の声楽教師に認められ、クラシックの声楽を学ぶことになる。

映画は、オペラ(富裕層の音楽)とラップ(貧困層の音楽)の対比で、フランス社会の階層格差を描き出していく。

現実には仲間や家族と同様の貧困層に属する主人公だが、次第にオペラという芸術の魅力にとり憑かれていく。音楽に境界はない。音楽の中ならば、このハードな現実を超えて夢をみることが可能なのだ。

クライマックスは(この種の映画ではお約束だが)コンサートでアリアを歌う主人公。その圧倒的な歌唱力に、目と鼻から得たいのしれない液体が噴き出して止まらなかった…

(2023.6.16)
http://www.wonosatoru.com

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