ことば遊びとショートショート43『Soretender』
肌と髭のラブストーリー。
僕は毛穴を通り、その肌と出会った。
感情のない髭剃り。剃ればいつも深剃り。
ジョリジョリ処理されても、顔を出して、傷つけた分だけ、君への想いと髭が濃くなった。
もっと切れる剃刀で、もっとすごいシェーバーで、より映える輪郭線、作れたらよかった。
そう願っても、無駄毛だけど。
絶対!君の運命の髭に僕はなりたい。
荒れたり、血が出たり、不器用な愛だけど。
剃り残しに触れただけで、チクチク、お肌はヒリヒリ、心も。
『君にとって僕は何?』
そう思うほど、青くなるのさ。
失敗!悩んだ末にフェイスライン。髭伸ばしてみたり、ダンディな未来では、君が見えない。
その事実に渋い口回りさ。そりゃ、むさ苦しいよな。
(乾燥)
グッバイ!君の肌に僕は似合わない。
それもこれもホルモンの定めなら、永遠に生えないと脱毛するよ。
悪くないよな…もう会えないけど、わかるんだ。
『とても綺麗だ』
(了)
【雑記43】
ショートショートの題材は日常生活や体験からアイデアをいただくことが多いですが、たまに的を絞ってあるものを狙いすまして書きたくなることがある。
Pretender/Official髭男dism
今、日本で1番聴かれているであろう曲(書いた当時)でショートショートを書きたいと思った。
その真っ直ぐな決意をどこでどうした結果、肌と髭のラブストーリーになったのかはわからないし、一見ふざけているようだけど、素晴らしい楽曲へのリスペクトがある。
本気で髭男の髭を剃るつもりで書いた(どういうことか誰か教えて下さい)
できれば曲を聴きながら、髭を撫でながら、無い方は無駄毛を思い浮かべながら、読んでもらえる世界線なら幸いです。
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