ことば遊びとショートショート7『海相撲夏場所』
見渡す限りの海と砂の土俵。座布団を敷いた観客で大入の海上。今年の海相撲夏場所も大盛況。
さぁ、結びの一番。西の横綱、黒潮部屋の海皇。さすが世界的海流、圧巻の巨体。対するは東の横綱、親潮部屋の浜の海。こちらはなんと小柄なこと。
おや?土俵に人魚が腰かけているが、ここは母なる海、水に流しましょう。互いに海水を投げると塩に早変わり。
さぁ、注目の立合い。はっけよいのこった!
力士型の海流同士がぶつかると魚が飛び出してきました。これは潮目、好漁場でお肌もピチピチだ。海皇が浜の海を軽々と持ち上げた!万事休すか?いや、浜の海が押し返している!豊富なプランクトンの突っ張りだ!浜の海が豪快に投げ飛ばした!
すごい水飛沫、これぞ海相撲の醍醐味!沢山の座布団が舞っていますが、あれは昆布団、問題なし!
観客も海へ帰り、私も土俵を海へ返して、お別れしたいと思います。
解説は私、渦潮部屋の鳴門がお送りしました。
(了)
【雑記7】
子供の頃に勉強した内容を、大人になって改めてショートショート視点的に広げるのが楽しい。
今回のお話だと『海流』だ。
ぶつかりあう海流…それって実は相撲をとっているのではないか?
だとすると海流同士ががっぷり四つで組み合うと、生態系的にどうなるのか?
とショートショート的に事実と織り混ぜながら、自分の答えを導き出していく。
ショートショート視点で生活すると、そこにはたくさんの不思議な世界がゴロゴロと転がっている。
新月からだんだんと月が満ちてくると、僕は爪切りでパチンと切りたくなる。そしたら、どうなるだろう?
そんな風に、子供の頃に知った知識を勉強し直したり、大人になって学んだ知識から想像を膨らませる瞬間がとても好きだ。
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