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『ワンダリング・ノート』〜トムとレナ(3)

トム:で、「絵本世界」に戻るつもりが、一輪車のタイヤに触れた途端に、元の「現実世界」まで戻って来てしまったんだ。多分だけど、記憶を取り戻すために必要なイベントが強制的に発生したのかもしれない。


Lena: "You mean the 'real world' we live in, right?"

レナ:私たちの住んでいる「現実世界」のことね?


トム:それでこの世界に来た途端に、ルナが突然くしゃみをしだしてさ。アレルギーでもあるのかな? とか考えたら、笑いそうになっちゃって。


Lena: "Hmm, so she came with you, huh?"

レナ:ふーん、彼女も一緒に来たんだ。


るなは はじめて ぶらんこに のった! 「lol」の まほうを おぼえた!

トム:ほら、いつもの公園のブランコだよ。興味がありそうだったから、彼女に乗り方を教えてあげたんだ。そしたら何か、面白いことを言ったんだよな。「何のためにするのか?」とか「ゴールはあるのか?」とか。


Lena: "Oh, I get it. The big event was a swing date with a cute girl in a witch-like black outfit, wasn't it?"

レナ:あーそーなんだ。重要イベントって、「黒装束の可愛い女の子とのブランコデート」だったのね。


トム:え? いや、そんなんじゃないよ。だって、これは君の──


レナ:ふーん。


トム:ゴホン!・・・そこで、僕はベンチの上に置いてあった絵本を偶然見つけてしまったんだ。そして再び僕たちは「絵本世界」へ転送された。


Lena: "Oh, you managed to complete such a lovely 'event', huh?"

レナ:素敵な「イベント回収」が出来たんだねー。


トム:そ、そしたら見てよほら、この間の男性がまた掃除していたんだ。しかも僕たちの服装までフォーマルに変わっちゃた。そして僕の記憶はまた混濁して、この「絵本世界」が僕の住んでいるいつもの世界だと思い込んでしまった。


Lena: "Oh, you two make such a perfect couple, don't you?"

レナ:へー、お似合いのカップルだねー。


トム:男性はだんだん様子がおかしくなって、ついに豹変して僕たちに襲いかかって来たんだ。ルナの能力もなぜか発動しなくって、もうダメかと思った瞬間、ある男の人が突然現れて僕たちを助けてくれた。


Luna: "So, they went all out with the special effects just for this scene, huh?"

ルナ:ここだけ凝った演出なのね。


トム:そのヒーローの名は「チャーリー・アルジェント」真っ赤なマントを翻し、フォーマルな服装で一輪車にまたがる姿はまるで・・・まるで?


レナ:え? これってトムの大好きな「牛のお面」じゃない?


トム:・・・と、今回はこんな流れだったけれど、何かあるかな?


レナ:そうね〜、色々とツッコミどころ満載って感じだけど。まず、どうしてルナって子まで着いて来たの? トム一人で戻ってくればいいじゃない。


トム:それは僕も同じ質問をしたんだ。戻った世界で記憶のデータが消えそうになった場合に、彼女がそれを補填しなければいけないからって。それは彼女にしか出来ないらしいんだ。実際にそれは、僕も体験しているし。


レナ:ふ〜ん。あとね、一緒にブランコに乗る意味もわかんない。それって、その子のことが気になってるんでしょ?


トム:いやそれは、その・・・君に似ているからで、たまたまブランコがあったし・・・別に深い意味は、ないよ。そ、それよりレナ! 君が聴きたがっていたその、「牛のお面」の歌が手に入ったんだ。君の好きなノリノリのEDMだよ、聴いてみてよ。

レナ:ふ〜ん。何だか腑に落ちないけど? まあいいわ!

牛のお面を被ったおじさん①|Udio

牛のお面を被ったおじさん
You're a weirdo wearing a cow mask
omen omen お面 お面
a man in a suit
gyu gyu 牛 牛 mask mask mask mask

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