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【読書メモ】体験格差/今井悠介著*原因はお金だけじゃない

しゃけこ🐟です。
今まで、読書メモをNotionにつけていたのですが、noteを始めてみて「そっかー、せっかくだから読書メモをこっちに載せればええんやぁ」と気づきました。さっそく書いてみます。


今日の本:体験格差/今井悠介

しゃけこ🐟的、印象に残ったこと

「体験」機会と親の経済力の影響は大きい。やっぱり。

この本にも書かれているように、親の収入の大小と子どもの「体験」機会には大きく関わりがあります。(※この本で指す体験というのは、スポーツ系や文化系の習い事への参加、家族の旅行や地域のお祭りなどの参加のことをいう。)
例えが昭和で恐縮ですが、スネ夫とのび太くんだとスネ夫の方が「体験」機会に恵まれていそうだなぁと思う、直感的なその感じです。

登山、海水浴、スキーなどの自然体験も自然たっぷりの地方に住んでいる子どもの方が「体験」機会に恵まれていそうだなぁとも思いますが、その直感は、この本によると違っているのです。要は、自然体験も居住地よりも家庭の経済力に影響を受けると。
うーん、お金なのか・・・。

でも、近所のお祭りとかイベント参加には、経済力って影響ないんじゃない?幻想

とはいっても、近所のお祭りへの参加には、そんなに経済力って関係ないんんじゃない?とも想像しましたが、話はもっと複雑でした。

無料で提供されている色々なイベントがあるじゃないか、お金がなくてもそれをちゃんと探して参加すれば十分だ、そんな意見もあるかもしれない。
しかし、情報を探すのにも時間がかかる。労力がかかる。毎日働くことに精一杯で、地域とのつながりを持つことができず、親同士の関係も構築できず、口コミでの情報が自分には回ってきづらいのだという声もたくさん聞いてきた。

体験格差/今井悠介 P57より引用

お金を得るために必死に働くと、時間が無くなる、地域やママ友とのつながりどころではない。結果として、「体験」機会につながることができないということになってしまうのですね。

地域の子育て家庭の人たちに、どんな体験が提供できたらいいのだろう

私、地域住民という立場で、地域コミュニティの活動に企画から参加させてもらう機会もあり、子育て家庭の人たちにどういう体験があればいいのか、それを地域のリソースを使ってどう実現できるのだろうなぁ、とぼんやりと考え始めていたところだったのです。ちょうどいい本との出会いでした。親にとっても、安心感を得られることや時間的、体力的にも大きく負荷がかからないことも大切だろうなと思います。

発達凹凸(発達障害)の子どもの「体験」機会を確保するのも、大変なんだよね

マイノリティの子どもを持つ親は、自分たち親子がこの社会のどこでなら受け入れられ、どこでなら受け入れられないのかの境界線を敏感に察知している。そして、嫌な思いをしないために、子どもにさせないために、どこに行くか、どこには行かないかを熟慮している。

体験格差/今井悠介 P148より引用

発達凹凸(発達障害)児の親として、この文は本当によくぞ言語化してくださいました!という思いになりました。

境界線は、場の雰囲気と場のリーダーのキャパシティで大きく変わります。
・「親だったら、この子を何とかさせろよ」という親のしつけがなっていないぞ圧をかもしだしてくる場もあったり(その場では顔で笑って、言葉は全部スルーして、家に帰ってから疲労感を覚えるパターン)。
・子ども本人には優しい雰囲気で関わってくれるけど「障害児なんだから親が全部フォローしろよ」が全面的に出ている人もいますね(もちろん言われなくてもフォローしますけど、その空気だけが全面的に出てるとしんどいですわ)
・変化球としては、「この場にいてもかまわないですよ。その代わり、私たちとは違う世界の子どもと親なので関わりませんけど」というマイルド系も(居させていただいている、ということなんですね。なんかしんどいと思いつつも、みなさんにご迷惑をおかけしないように・・・と親が動いてしまいがち)。
・そして、少数ではありますが「○○くんが来てくれてうれしいー」と一緒に楽しんでくれる人もいて、そういう場と出会ったら、私もマジで泣きそうになります。

放課後ディサービスや発達障害の子ども向けの習い事では、「来てくれてうれしいー」と言ってくださる方が総じて多いのですが、だからといって支援界隈だけで生きていくことで、私たち家族の世界がせまくなってしまうことも気がかりなのです。

引き続き、無理ない範囲でどこでなら受け入れてくれやすいのか、時には傷つきながらも見つけていきたいなぁと思ってます。


最後は、私の感想が前面ににじみでてますが、これからもこんな感じで読書メモを残していきたいと思います。

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