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【経済評論家 岸 博幸 氏と語る vol.2】地方の中小企業が生き残るには!?

前回、「中小企業の淘汰の時代」を語った、Wizの顧問【岸 博幸氏】。今回は、「地方の中小企業が生き残るにはどうすれば良いのか」について語り合いました。

▼【vol.1】中小企業の淘汰の時代と生き残るためのポイントはこちら

参加者
・株式会社 Wiz 代表取締役社長 山崎 俊
早稲田大学理工学部卒業後、大手通信商社に部長職で入社。最年少で執行役員に就任する。2012年、同社を退社し、「ヒトにフォーカスした仲間を集める企業を作りたい」そんな思いから30歳で独立し株式会社Wizを設立。

・元経済産業省官僚/慶應大学大学院教授 岸 博幸 氏
一橋大学卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。コロンビア大学経営大学院にてMBAを取得。小泉政権で竹中平蔵大臣の補佐官・政務秘書官を、また菅政権では内閣官房参与を務め、構造改革を立案、実行。現在は、テレビ番組のコメンテーターや講演会などで幅広く活躍している。

・株式会社 補助金ポータル 代表取締役社長 福井 彰次 氏
月間利用者100万人。国内最大級の補助金・助成金のプラットフォーム「補助金ポータル」を運営。分かりづらい補助金・助成金の概要や、申請方法など国と企業を繋ぐというミッションのもと事業を展開しており、会員数も30,000名を超えている。

“若い人”や“よそ者”の力をいかに使うか

Wizが麻布十番にて運営する「Wiz Kitchen」にて

山崎:岸さんは、地方の中小企業が生き残るには、何をすべきだと考えていますか?

岸:“若い人に好き勝手やらせる”ということを最優先に考えなければならないと思います。“若い人”や“よそ者”の力をいかに使うか、それができない企業や地域は生き残っていくのは難しいですね。

福井:若い人がいない地域は、よそ者を集める必要があるわけですね。

岸:その通りです。

山崎:若い人がいないというのは、若い人材が流出しているということですよね。流出させないためにはどうすれば良いのでしょうか?

岸:地方には学校が少ないので、進学時に一度流出するのは仕方がないと思います。ただ、一度都会に出た後に、また地元に戻ってこようと思えないのが問題ですよね。若い人が、地元では自分のやりたいことができないと感じているのだと思います。

山崎:若い人材に戻ってきてもらうためには、その地域にどのような環境があれば良いですか?

岸:給料が良い仕事がある、若い人の意見ややりたいことが反映される職場があることが重要です。さらに、その地域に起業を応援できる雰囲気があるかどうかも大事ですね。

地方には、都会に比べて課題が山ほどあります。課題があるということは起業のチャンスが山ほどあるわけです。それにも関わらず起業できないのは、若い人が自由にやるのを地域の高齢者が押さえつけてしまっているからです。地方には、これまでのルールを変えたくないという風潮が根強くありますよね。

山崎:そうですね、地方で新しいことを始めるのは、東京で行うより難しく感じます。
地方の課題と言えば、地方の商店街ってどこも寂しくなっていますよね。

シャッター通りに見る地域活性化の難しさ

岸:地方の商店街の多くがシャッター通りになっている理由はシンプルです。地方の商店街に並ぶお店は、だいたいが店舗の上の階が住居になっていて、そこに暮らす高齢のオーナーは年金をもらっています。地方は物価が安いから、お店の売り上げがなくてもなんとか暮らしていけます。お店を若い人やよそから来た人に自由に使わせることも滅多にないので、シャッターを閉めたままになる…という状況になります。
若い人やよそからきた移住者が頑張り、商店街を活性化できることもあるんですけどね。

福井:大阪に、商店街全体を一つのホテルに見立てて、地域活性化をしている例もありますよね。

岸:そうですね、やり方によっては、シャッター通りになっている商店街も活性化できるはずです。チャンスはあるのに高齢のオーナーがなかなか動かないということも多くあって、地方の動きづらさを感じます。そこをどう変えるかが大変なんです。

福井:地方の課題に対してトライしている企業って、あるにはありますが、少ないですよね。

岸:地方にはポテンシャルがあるからもったいないですね。
佐賀県の取り組みがいい例なのですが、佐賀の県庁職員の中途採用者の割合は行政職職員全体の15%と非常に高く、全国の自治体の中でトップなんですよ。民間を経験した人材、様々なキャリアをもつ人材を積極的に活用することから、地域活性化を生み出していますよね。

山崎:アリーナ建設を実現させるなど、佐賀県の動向には私も注目しています。やはり、地域を活性化させるためには、若い力、よそ者の力が必要ですね。

福井:岸さんは地方が抱える課題もたくさんご存じだと思うのですが、地方でやったら面白いだろうなと思うビジネスはありますか?

岸:地方の主要産業は基本的に、農業と建設業、それを取り巻くサービス業、という構図になっている中で、実は今、農業が一番の成長産業だと考えています。

次回は、“これからの日本の農業”について語り合います。
5/2(木)に記事の公開を予定しておりますのでお楽しみに!

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