夢の観光鉄道尾瀬観光線第9回後編 いまさらですが「尾瀬がはるかな理由」
「尾瀬に行ったことがある人がほとんどいない」
それが答えだ!・・・・・・ろう。
2023年度はコロナ明けの観光需要復活により
前年より入山者数が増加している。
2024年は更に増加が見込まれおよそ18万人が入山したと
推計される。
18万人が多いのか少ないのかは
議論の分かれるところだろう。
ほかの観光地はどの程度観光客が訪れているのだろう?
その疑問を解消するための
全国観光地別 入込客数ランキング
は少なくとも公的には存在しない。
どういうことかと言えば
各観光地が発表する観光客数のデーターは
「基準がまちまちだ!」なのだ。
観光庁という役所は存在するが
彼らの仕事は「訪日客への魅力化対策」
それに尽きる。
「観光を産業として成長させ雇用や地方創生を確立する」
その趣旨で設立された役所のため
「観光地ごとにどの程度来客しているのか」
明確なデータや統計資料が存在しないのが
日本の現状なのだ。
民間が作成した同種類のデータは
「あるにはある」が
都道府県魅力度〇〇〇〇〇のように
「データの信頼性が担保されない」商売臭がプンプンの
ランキングは・・・
「箔付け」のために存在するといっても過言ではない。
例えば熱海市が発表する観光客数は
これは何によって出された数字なのか
記述のとおり入湯税を払った宿泊客の総計だ。
ご存じの通り熱海は「日本随一の温泉地」
と称される有名観光地だ。
熱海を目的に訪れる観光客は当然多いが
①訪問客全員が泊まる訳ではない。
②伊東や湯河原に宿泊するが熱海に立ち寄る観光客も多い
③東京から日帰りが可能なのでそもそも宿泊を目的としない観光客も相当数存在する。
それなのに
「熱海の観光客数」を調べると
「熱海市は泊まってくれるお客様中心」と
暗黙の了解を求めているような
人数統計と傾向や対策のオンパレードである。
以前神奈川県平塚に住んでいたので熱海や箱根は
「片道1時間でいける温泉」というイメージが強く
熱海や箱根にはほとんど泊まった経験がない。
小学生がバス遠足で訪れるほど身近な「熱海」
は湘南エリアの泊まらない観光客など「らち外」だ。
尾瀬の入山者数集計は
「赤外線センサーの計測による」数値である。
比較できる数値の範囲でも平成8年をピークに
右肩下がりである。
それは
①尾瀬が魅力的な観光地ではなくなった?
②マイカーの入山規制により観光費用が高騰した?
③環境意識の高まりにより物見遊山の観光客が減った?
④登山やハイキングを楽しむ人々が減った?
⑤「夏の思い出」を小中学校で歌わなくなった?
どの理由にも因果がある・・・が
明確な理由は不明だ。
ただし①については承服しかねる。
尾瀬は手軽に訪れることができないから
魅力的な場所ではあるが・・・・
その魅力を知らずに・・・
その魅力を知っていながら訪問の困難さによってあきらめる・・・・
どちらも不幸だと思う。
「尾瀬の空気を吸わないと死んでしまう」
という特殊な方以外にとって
尾瀬は観光地であり
行かなくても特に困ることはない。
「自宅と職場や学校・病院」などの往復は欠かせない実需だが・・・観光地に行くのは「生活には不要なこと」だ。
実需には無縁な場所が観光地だ・・・
観光で生計を立てる人以外の実情である。
・・・移動はすべて実需
それでは「つまらない毎日が二乗倍に積み重なる」
旅行を好まず・・・自宅が楽しい方を
「ドアを開けよ!旅に出よ!」などと
鼓舞するのは「余計なお世話!」
ただし
「尾瀬に行きたい」と思いながら
接触機会を逃している人へ
「適切な交通機関を提供する」ことは
「インバウンド偏重の観光政策」とは
若干異質だが・・・国民の幸福度を上げて
今はやりのQOLを上質へ変位させる
という面で効果的な施策だ。
貴殿のQOLを高める場所
それが「尾瀬だ!」
尾瀬訪問者の多くはリピーターだ!
「二度とこんな場所へ来るか!」という人は
当然リピートしないので・・・
ますますリピート者が多くなる。
「尾瀬のどこに魅力があるのか1000字以内で説明しなさい。」
と小論文のような設題があったら・・・
小生は1000字くらいあっという間に書く自信はあるが・・・
あえて書かない。
尾瀬の魅力はその風に触れなければ
「表現しようがない特別の成分を含んでいる」
きらびやかな電飾
映える風景
美味しいたべもの
温泉
海
・・・・
観光地とは
自分の心が求めるている
「不足する成分を補うサプリ」に似ている。
接種せずとも・・・すぐには死なない・・・が
幸福度は確実に下がっていく。
年間18万人しか訪れない尾瀬は
「環境破壊」を招かないというキャパシティーから考えても
「十分お釣りがくる」ほど来客数が希薄化している。
山小屋で1200円の豚丼はいたって普通の味だが
「そこで食べるから・・・ハイキングの後だから美味しい」
という部分が値段と価値を決める。
富士山頂で800円のカップヌードルは
「ぼったくりだ!」
という人はその人の価値観として高価なのだろう。
3700メートルまでカップラーメン運び
沸騰温度が低い高山でお湯を沸かす・・・
その手間まで含めて・・・
夏でも20℃を超えない山頂で
冷えたからだにしみいる
「普通のインスタントめん」の味
個人の価値観以外に比較する尺度は存在しない。
9回目の前にまえがきをはさんだ理由は
なぜ人は旅にでるのか?
という問いに対する答えが
この文章だからだ・・・
なぜ尾瀬に行くのか・・・・
なぜ尾瀬に鉄道会社が必要なのか・・・・
それは小生が決められない話だ。
多くの人がその価値を認めてくれれば
「尾瀬観光鉄道」は実現できる。
それが・・・小生がながながと言い訳している
理由なのだとおもう?