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#5 適応障害って、何ですか?

派遣会社の担当者と話をするものの、モヤモヤ。
しかし、契約があるからと契約解除はできないのだそう。
そして、翌日に精神科に行くことに。

前回の話はこちら!

派遣会社との面談が終わった後、電車に乗って帰宅した。
いつもは満員電車とかは億劫だが、会社に行くためではない電車がこんなにも清々しいものなのか。

途中の乗り換え駅で、昔風の喫茶店があったので、
ナポリタンと紅茶をいただきながら、読書していた。

もちろん、仕事は休んでいるわけだから、お給料は発生しない。
それでも、毎日泣いていた時に比べたら、
行かないだけでもとても安心材料になっていたのだ。


そして、帰宅してすぐに精神科はどこがいいのか検索し始めていた。

内科とは違って、精神科や心療内科は、
オススメだよ!と口を大にして言えないもの。

行ったことがない人や言えない人が多いから、
自分で調べてみるしかなかった。

「地域名 精神科」で検索をかけて、GOOGLE評価の高いホームページを閲覧していった。(他の病院でも使えるので試してみてね!)


結局、一番評判が高い病院で予約を入れることになった。

「ウェブ予約できるから、今の時代は便利だな~」

そして、予約専門の公式LINEがあったのだ。
そこで予約を取り、基本情報を入力し、事前テストを受けて、自分の情報を送信しておく仕組みだ。

テストは心理テストみたいな感じで、ちょっと楽しい。

それにしても、テストの項目が多いのが気になったが、診断のためだから仕方ない。


合計で1時間ほどかかったので、時間がある今でよかった。


ーーーーーー翌日ーーーーーーーーー

朝に、派遣先の上長にメッセージで休みますとだけ伝えて、病院に向かった。今日は3月末だから、遊びに行くであろう学生さんたちが多い。

そして、病院に到着したものの、受付の方法が分からなくて、予約サイトで説明されているチェックインの方法で受付をした。

「意外と人いるんだなーー」

待ってる人でおよそ30人か40人ほどいた。
みんな意外と平日に来てることが分かって、安堵した。

待合室がなかったから、院内のアナウンスで呼ばれる仕組みだった。

「えのもとさん、〇番の診察室へどうぞ」

呼ばれたので恐る恐る入ると、
大きいデスクトップ型のパソコンを前に、優しそうな女の人が座っていた。

「本日担当するYです。宜しくお願いしますね」
「よ、宜しくお願いします。。。」

Y先生はパソコンの操作をしながら、私のデータを見ているようだ。

「昨日送ってくださった事前テストを確認しましたが…うつ傾向が強いね。最近ストレスがかかったこととか、あります?」

昨日回答した心理テストみたいので精神状態が分かるのか。
が、率直な感想だった。

「はい、実は………」

そして、今の職場での出来事、いつからどんな症状が出たのかを話した。
特に、一番の自覚症状として、
・通勤の帰り道で涙が出て止まらないこと
・職場での出来事が休み中や帰宅した後にもフラッシュバックすること
・フラッシュバックが起こったら、涙が出るようになったこと

を先生に話した。

「あーー…分かりました。
今のあなたは、適応障害ね。しかも、一歩進んだら、うつ病になってたわよ。」

ここで、適応障害という言葉を初めて聞いたので、きょとんとしていた。
「適応障害……??うつとは違うんですか…?」

「両方似てるけどね。
適応障害が進行したものがうつ病って言った方が分かりやすいかな。
うつ病になると本格的な治療が入って難しいんだけど、適応障害は特定の環境に対して体が拒否反応を起こしているの。
だから、ストレスの源となる原因から離れて、治療に専念すれば、完治の見込みがある
逆に、もう大丈夫ってところまで治療しないと、違う職場に行っても再発する可能性があるからね。
とりあえず診断書出しておきますね。」

「あ、ありがとうございます…。
うつまで進行してなくて安心しましたが…」

「それでも、あなたの場合は殆どうつ病の初期といってもいいほど進行してますよ。もう少し我慢してたら、危なかったかも。」

やはり、涙が勝手にあふれてくるというのは危険信号だったのか。
あと数か月だと我慢して頑張ってたら、うつ病になっていたのかもしれない。

うつ病は他人ごとではない、と思った。

「あと…適応障害は、頑張らないと!と真面目な人ほど発症しやすいです。それに、あなたはまだその職場に移って3ケ月だったのでしょう?そんな時期は失敗するのも、仕事の進め方が分からないのも当たり前。
新人なんだから分からなくて当たり前でしょ!って態度でいてもいいの。だから、今回のことは職場の上司が悪かったのだと思って、治療に専念してね。」

今まで、仕事で頑張らないといけない、周りの期待に応えないといけないと。それだけを軸にして働いてきた。

新人だから!と権利を主張しようとすることも頭になかった。
だって、そうじゃないと社会でやっていけないでしょう?と。

でも、頑張らなくてもいい。

それを、誰かに言ってほしかったのかもしれない。

頑張るほどみんなに褒めてもらえるから。仕事がしやすくなるから。

しかし、それはどこかでエンジンが切れたら崩れてしまう、とても脆いもの。

今回のことは、自分にそれを教えてくれるための教訓だったのかもしれない。

先生の前で、不思議と涙は出なかった。

「ありがとうございます。。なんだか、心が軽くなった気がします。。」

「お大事にね。動悸の症状も出ているので、お薬出しておきますね。」

そして、薬を受け取り、病院から出た。
帰りの道中でも、昨日と同じようにカフェに入ってお茶をした。

そこで飲んだコーヒーは、昨日よりも爽やかな味がした気がした。
(昨日飲んだのは紅茶です☕)



ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
診断を貰うまでで一旦は話は終わります!

みなさんは、適応障害を知っていますか?

この後、私は和田秀樹さんの著書「適応障害の真実」で、適応障害についての理解を深めました。
その著書には、近年流行している、うつ病とは違う、新型うつ病という病が流行していること。新型うつ病が適応障害であることが書かれていました。

最近の著名人が適応障害を発症した例として、
女優の深田恭子さんが2021年に一時休業していたようです。
それにより、再び適応障害という病名が知れ渡ることになりました。

しかし、それでも日本では「うつ病」に対しても理解が浅い国。
発症したと言えば、「うつ病なんて、なってる人多いだろ。それなのに、休むなんて、甘えの証拠だ!」と言ってしまう人、上司などが多いのではないでしょうか?
診断も受けていないのに、みんなうつ病だと主張する人もいるのです。

どうして、ここまで心の病気に対して無頓着で、
自分を守らない人が多いのでしょうか?

今回のケースで、私は精神科に行くことは自分の現状を把握するためであること、限界サインをスルーしてはダメだということを学びました。

今後は、治療中の回顧録、精神病についてのコラムも書いていきたいと思います。

えのもと

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