見出し画像

靴を足に合わせるんじゃない!足を靴に合わせるんや!

自衛隊の教育訓練が終わり部隊配属になって間もない頃。厳しい訓練で酷使された半長靴(革ブーツ)は底が擦り減り所々穴も空いていた。見かねた部隊の補給班長が新品と交換してくれた。しかし渡された半長靴を履いて見ると僕の足には合わない。サイズは前と同じ26cmだけど、硬く分厚い革を縫い合わして作る靴は公差が大きい。班長に交換をお願いしに行ったが、班長は笑いながらこう言った。

「靴を足に合わせるんじゃない!足を靴に合わせるんや!」

結果は分かる通り交換してもらえなかった。仕方なく合わない靴を履き続ける。最初は痛みや血豆が出来るがその内に足は靴に合ってくる。正確に言うと硬い分厚い革が柔らかくなり伸びてくる。

南米のガラパゴス諸島には独自の進化を遂げた動植物が多い。ガラパゴスのイグアナはサボテンを食べる。しかし異常気象などでサボテンが激減した。食べ物に困った一部のイグアナは海へと向かい、海底の岩に付く苔を食べ始めた。岩にしがみつく為の鋭い爪と指の間には水掻きが出来た。環境に合わせて体を進化させた。

僕らが生きている世界はテクノロジーの発展で全てが凄いスピードで変わって行く。世界のその変化に僕らも変化しなければならない。

半長靴の足やガラパゴスのイグアナのように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?