学歴と仕事の関係2
前回のお話
2013年春〜夏。慶應在学中の私、就活ナメてたら4月の有名メーカーは全て撃沈。気持ちが落ち込んで薄毛になるが、改めて自己分析を行い、7月に現職である、社員食堂や学生食堂の運営会社に内定をいただく。しかしここからが本当の戦いの始まりだった…!
慶應なのに外食?
ようやく欲しくて欲しくてたまらなかった内定を得たものの、めでたしめでたしとはならなかった。なぜなら内定先は外食産業だから。
一般の大学で(医歯薬系など専門の学部以外という意味)就活した方ならわかるだろう。避けられがちな業界がある。その一つが飲食業だ。アルバイト先としては良いが、ブラックだから正社員で就職するのはあり得ない、というイメージが一般的ではないだろうか。私自身も、飲食で働くなんて卑しい、そう思っていた。アルバイトも碌にしたことがなかったから余計に。
それでもこの会社に入りたいと思ったのは、社食や学食の「公共感」と、オフィスが休みの時は食堂も休みという「ホワイト感」と、食を通して人の健康に貢献できるというところが魅力だったからだ。(厳密に言えば、ホテル運営や病院や老人ホームの食事提供もしているので年中無休店もある)
さらに、そんな綺麗事だけではなく、私は高学歴だから現場研修が終わったらすぐに本社配属になるはず、という傲慢な思い込みがあった。(そして実際その通りになった)
そんな感じでふぅ、やれやれ…となっていたところに母が横槍を入れてきたのだ。要約した内容を記す。
①あなたは慶應なんだから受かって当然。
②飲食のアルバイト経験もないし、普段料理もしないくせに食に興味があるなんて嘘じゃん。
③どうして〇〇社(内定先)なの?就活続けなさい。
今思い出しても悲しい。食道のあたりがキュッとなる。この時私は、何も言い返すことはできなかった。飲食のアルバイトも普段の料理もしたことがないのは事実だったし、入社後についての不安も大きかったから。結局私は、無言の抵抗をした。つまり、追加の就活をしなかった。
入社を決めたからといって、私の中のモヤモヤは晴れたわけではない。本当にこれで良かったのか?慶應卒のカードを棒に振ったのではないか?という考えはずっと付き纏っていた。
とりあえず、就活を終えて、秋から飲食のアルバイトを始めることにした。半ば諦めたのだろう、今後を心配した母からの勧めだったと思う。(自分からはそうする勇気?やる気?がなかった)
私の飲食現場でのポンコツっぷりは今思い出しても恥ずかしいほどだ。人見知りで接客の経験がないので、まずお客さんが怖い。気が利かないのでドリンクのお代わりを聞きに行けない。その他お客さんにお酒を掛けてしまったり、注文を伝え間違えたり、色々やらかした。
ある日、アルバイト先で就職先の話になった。
「どうして〇〇社にしたの?」
この質問に私は何と答えたか。
「ここしか受からなかったので…」
今、当時の私が隣にいたらこう怒鳴っている。
もっと誇りを持てよバカヤロウ!!
飲食の会社に入るのに、本社勤務を希望するというちぐはぐな考えを持っていることに戸惑いながら、私は大学4年生の後半を過ごしたのだった。
ちなみに、本社に行きたかったので入社前に簿記3級を取った。
そして2014年4月、私はようやく会社員になる…。
まだまだ続く!
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