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福祉業のマネジメントにもビジョンやストーリーが大切

年度変わりを控えて、事業計画を考える時期なんですが改めて自分自身のマネジメントについても現在地を確認しながら整理していこうと思い先週からマネジメントについての自分の考えをnoteにまとめています。
 
 
僕は福祉業です。対人援助の現場のマネジメントをしているので、色々と経営的なことももちろん考えていかないといけないんですが、やっぱり中心に据えているのは「人」です。
 
 
僕らの仕事は「人」が業務の担い手であると同時にサービスを提供する商品(言い方はアレですが)です。だからこそ「人」との向き合い方に多くのカロリーを割いていかなければ当然いいチームになんてなりません。
 
 
noteに書く内容についても一見「人」から関係ないような話も交えていくと思いますが、僕にとっての経営やマネジメントは必ずその先に「人」を置いているつもりです。
それを踏まえてお読みいただければ幸いです。
 
 
 

 
 
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「何のために」と「どこにどうやって向かうのか」
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今までいろんなところで働いてきましたが、どの会社も「理念」を掲げていました。
理念だけでなく、それに付随した指針みたいなものも大体どこにもあったような気がします。
 
 
そしてその理念に従って経営の方針が定められている、というのが一応本来的な在り方なんだろうと思います。
 
 
ただ、これは僕の主観でしかないのかもしれませんが、多くの場所で僕はその理念と実際に下される方針やアクション、あるいは価値観みたいなものに一致性を感じにくくなることが多かったような気がしています。
 
 
こういう仕事ですから、国の法律が変われば多少の方針転換を余儀なくされることはあるんだろうと思いますし、時代が変われば社会に求められるものも変化するのは重々承知のつもりなんですが、それでも「あれ?」と思うことがよくありました。
 
 
掲げている理念とその時の方針がえらく相反しているように捉えられることもあれば、理念自体が形骸化してしまっていて、なんか言葉尻だけ唱えられていることだったり、そもそも制度が変わっていく中でそもそもの理念とは全く違う経営がなされてしまっていたりとか。
 
 
いや、もしかしたら本当はそうではなくて、僕が違和感を感じて見ているものとの間にきちんとした文脈があるのかも知れないんですが、少なくとも僕はそれを感じることがあまりできていなくて、「理念はこうなのに今はどこに向かっているんだろう?」と感じることが少なくありませんでした。
 
 
現場でのマネジメントはいつも「事業所の収益」をいかに担保するか、と「事業展開のために人材育成を急ぐ」ということにいつも集約されていて、そこに立てられている事業計画も理念やビジョンをどのように叶えていくか、というアクションに繋がるものではなく、何というか「カイシャ的」な数字と取り組みについて述べられているものばかりでした。
 
 
実際に自分もそういった中でマネジメントをしてきました。
数字は残してきたつもりですし、人も育ててきました。
でも、その途中で一体何のためにやっているのか、どこに向かっていくために今事業を行っているのか、しょっちゅう見失いました。
 
 
気がついたら僕自身も「カイシャ的」な思考の中でマネジメントを行なっていたのかもしれないなぁ、と思います。
 
 
 
それが今の僕のマネジメントのある意味での原点かも知れません。
 
 
今自分がやっていることが「何のため」にやっていることなのか。あ、もちろん対人援助の仕事なので、利用者さんのため、というのは大前提です。ここで述べているのは、全体のビジョン、という意味です。
それができるだけくっきりと分かるようにしておくこと、つまり「ビジョン」を分かるように示すことって大事だな、と思うようになりました。

 
 
ビジネスパーソンとしてはもちろん事業性は担保しなきゃいけないのは当然なんですが、少なくとも「数字」のために人を働かせる、というのはやっぱり温度が伴っていないと思うので、まずはその温度たるものをきちんと明確にしておくことが大事なんじゃないでしょうか。
 
 
それと同じくらい大事だと思うのは「ストーリー」です。
 
 
理念やビジョンはあるんだけど、それこそ制度が変わったり社会自体が今みたいに急激に変化していく中で、方法論や進み方ってやっぱり変わると思うんです。でもそれが全員同じように必ずしも認識しているわけじゃないはずで、当時の僕みたいに、ビジョンと現状の間に文脈があったとしてもそれが分からなくて、違和感や不納得な思いを産んでしまうのはやっぱりあまりよくない。
 
 
だから、ビジョンだけじゃなくてストーリーもきちんと伝えていくことって、多分マネジメントをしていく上での芯、みたいなものになるんじゃないかと思うんです。
 
 
「何のために、何を叶えるために」を明確にしたビジョン。
「どこにどうやって向かうのか」を示したストーリー。
 
 
ビジョン、とかストーリー、っていうとなんかカッコ良さげですけど、要はそういう事をきちんと立ててお伝えした上で初めてマネジメントなんじゃないか、というのが僕にとってマネジメントの作法です。
 

 
 
 
 
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スタッフは大事な登場人物であること
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僕が過去に働いていたところで、このビジョンだとか経営方針だとかを自分の部署だったり自分の仕事や役割に落とし込んでいく上で時々気持ちを掠めていたのは、「自分はこのビジョンや方針のどこにいるんだろう」ということでした。
 
 
まぁ割と大きな会社だったんで、会社全体のビジョンだとか方針からそれを明らかにすることはなかなか難しいのかも知れないんですが、とは言え自分との関連性をあまりに感じにくいような壮大なビジョンや方針だと、正直あまり気持ちが乗らない、ということもありました。
 
 
これは自分がマネジメントされる側としての気持ちだったりもするんですが、僕は自分が一体今このビジョンや方針の中のどこにいて、何をしたらいいのか、どういう役割を期待されているのか、自分が叶えたいと思っていることがどのように受け止められて扱われるのかっていうことを伝えられると嬉しいな、と思うんです。
 
 
なんとなくいちスタッフとして現場の1人でいるのか、一人一人にきちんと意味も役割もあるのか、では随分思い方が変わるなぁ、と思うし、ノルマ的なものはちょっとしんどいけれど、何か自分に役割を与えられるとなんかちょっと「気にしてもらえているんだなぁ」と感じられたりします。
※人によりけりだと思いますが。
 
 
そして、自分がやってみたいと思っていることがあったとして、それが表明できるかどうか、という心理的安全性もありますが、もしそれを伝えた時に、「そんなの計画にないから」とあしらわれるのか、きちんと検討のテーブルに乗せてくれるのか、みたいなことをフィードバックしてくれたりすると、やっぱり自分の存在を大事に受け止めてくれているんんだなぁ、と感じやすくなります。
 
 
 
まぁ、要はビジョンやストーリーっていうものは経営をしていく上でもそもそも大事なものですが、マネジメントをしていく上では、スタッフがそのビジョンやストーリーの登場人物であるか、ということ、もっと言えば、スタッフからした時に、自分ごとと感じられるものとして伝えられるかどうか、自分の仕事や役割との関連性を感じやすいかどうか、という事が大事なんじゃないかと思うんです。
 
 
 
僕は今小さなチームで運営とマネジメントをしています。
ある程度僕が事業のビジョンを描いて、そこに向かうためのストーリーを紡がなければいけませんし、それを伝えるのも僕なんで、割と直接的に個々のプロセスを行う事ができるんですが、これが大きな屋台だったとしても基本は同じなんだろうな、と思います。
 
 
ビジョンがあって、そこに向かうためのストーリーがある。
その中で部署だったり部門だったりが大きなチャプターで、その中で働くスタッフさん達が登場人物であることが、きちんと繋がってくると、スタッフさん達にとっても自分がやる事や担うものが少し見えやすくなるんじゃないかと思うんです。
 
 
現場でマネジメントしていく上で柱にあるものは、ただの人材運用ではありません。
それこそスタッフさん達が何のためにこの場にいるのか、どこにどうやって向かうためにお仕事をしてもらっているのか、それを明らかにする梁のようなもの、土台のようなものがビジョンやストーリーなんじゃないかと思っています。
 
 
 
ちょっと長くなり過ぎてしまったので、続きはまた書こうと思います。
今日はここまでで。



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