島崎 紗都子

◆『霊能師・稜ヶ院冬弥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島社文庫) ◆エブリスタでも書いてます…

島崎 紗都子

◆『霊能師・稜ヶ院冬弥 憑かれた屋敷の秘密』(宝島社文庫) ◆エブリスタでも書いてますhttps://estar.jp/users/134723457 ◆よろしくお願いします😊

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  • とらねこ村<トランスミッション>

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  • 怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁

    いまだ余所者を受け入れない風習が根強く残る孤月村。その孤月村の名家である 利蔵家に町から嫁いできた雪子は 利蔵家に因縁のある曽根多佳子という女の存在に脅かされる。多佳子のことを調べていくうち 雪子は二十五年前 孤月村で起きた凄絶な事件を知る。

  • 私はあなたの引き立て役じゃない

    私は塔子の引き立て役。彼女は私の何もかもを奪っていく。 地味で目立たない井田依子は、社内でも美人と評判の塔子の引き立て役であった。だがある日、好きになった人を塔子に奪われ依子は彼女に殺意を抱く。そして、ある事件をきっかけに、二人の立場が逆転することに。そして依子の仕返しが始まる。

  • 伊月一空の心霊奇話 ―いわく付きの品、浄化します―

    霊が視えることが悩みの静森紗紀は わけあって 一軒の骨董屋を訪れる。店の名は『縁』。その店は店主である伊月一空の霊能力で 店に並ぶ品たちの過去の縁を絶ち さらに新たな縁を結ぶという不思議な店であった。だが一空は 霊が視えない霊能者で──。 霊が視えない凄腕霊能者 と 視たくないのに霊が視えてしまう女子大生が怪異を解く。

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『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第1話

第1章 村祭りの夜のできごと1 村の嫌われ者  その日は、孤月村でおこなわれる、夏祭りの夜であった。  祭りといっても、出店が並び、花火を打ちあげるといった派手なものではなく、村の空き地に櫓を組み、集まった村人が好き勝手に飲み食いをしながら、歌をうたい踊るというお祭りである。  赤い提灯が揺れ並ぶ櫓の下でめかし込んだ村娘が、一人の若者を囲んではしゃいでいる。  その華やかな集団を、曽根多佳子は祭りの会場から離れた木の陰にぽつりと立ち、食い入るように見つめていた。  彼女の

    • 【辛島信芳】さんより 創作大賞に応募した作品の感想文をいただきました

      創作大賞2024に応募中の『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』に【辛島信芳】さん が感想文を書いてくださいました。 ◆感想文はこちらです。ぜひぜひ、読んでみてください!!  出だしが楽しくて引きこまれます♪ ホラー小説は読んだことがないという辛島さんが このお話に目を留めてくださり、 そして、こうして紹介をいただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。 作品を深く読み取ってくださったことが伝わってきて、 丁寧で素敵に紹介をしていただき、 嬉しくて何度も読み返してい

      • 『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第48話(完結)

        ◆第1話はこちら 終章2 多佳子の執着  ふと、背中のあたりにざわりとした感覚を覚え、雪子は立ち止まり孤月村を振り返る。  山々に囲まれたその村は、変わらず陰鬱とした気配を漂わせていた。  本当にいろいろなことがあった。  今まで悪い夢を見ていたのではないかと思うほど、さまざまなことが。  この村で起きたこと、特に多佳子のことを誰かに話しても、きっと笑い飛ばされるだろう。  それほど、不思議で奇怪なことだった。  だが、すべて事実。  再び視線を戻した雪子の目に、高木の

        • 私はあなたの引き立て役じゃない 第3話

          ◆第1話はこちら ◆第2話はこちら 3 最悪の結末  安積との曖昧な関係はしばらく続いた。  好きだとか、付き合ってと言われたわけではない。ただ、誘われて食事をし、なんとなく体を重ねるだけの関係。  思っていた以上に安積はどうしようもないクズで、他にもも女の影が何人もちらついた。  安積との関係はもちろん隠していたが、それでも目敏く感づく者がいて、噂はあっという間に社内に広まった。  当然、塔子の耳にも入っただろう。  案の定、噂が広まってすぐに給湯室に呼びだされた。

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        『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第1話

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        記事

          私はあなたの引き立て役じゃない 第2話

          ◆第1話はこちら 2 変化 「え? ちょっと誰?」  始業時間のチャイムが鳴る少し前、職場に颯爽と現れた女性の姿に社内は騒然とした。 「もしかして、新しい派遣さん?」 「聞いてないけど」  みなが注目する中、その女性は軽やかな足取りで、ヒールの踵をかつかつと鳴らし、真っ直ぐに部長席へと向かい頭を下げた。  部長もまるで豆鉄砲を食らったような表情だ。  さらにその女は迷うことなく依子の席につく。  そこで、ようやく現れた女が井田依子だということにみなが気づく。 「え? ま

          私はあなたの引き立て役じゃない 第2話

          私はあなたの引き立て役じゃない 第1話

          1 私はあの女の引き立て役  井田依子は塔子の引き立て役だ。  おそらく誰もがそう思っているだろうし、事実、社内の人たちがそう言っているのを耳にしたことがある。  塔子とは職場の同期で、入社以来なにかと一緒に行動をする機会もあり、自然と仲良くなった。  慣れない環境に複雑な人間関係。  戸惑う依子に対し、塔子はすぐに周りとうち解け、仕事の覚えもはやく、あっという間に社内に馴染んでいった。  美人で社交的、存在するだけでその場の雰囲気が華やぐ塔子の側には、常に男女問わず人が

          私はあなたの引き立て役じゃない 第1話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第52話(完結)

          ◆第1話はこちら 第4章 思い出の酒杯3 あなたの呪いが解けるなら 「旅立ったようだな」 「よかったです」  一空と紗紀は空を見上げた。 「紗紀、僕たちもそこに座って飲まないか?」  一空はバッグから酒瓶と酒杯を取り出した。 「ええ! わざわざ持ってきたんですか?」 「あの夫婦がうまく浄化できなかったら、上にあがる道を開き手を貸そうと思っていた。だが、その必要もなくなった。きれいにあがっている」  確かに、心なしか空気が澄んでいる気がした。  一空は持参した酒杯に酒を

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第52話(完結)

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第51話

          ◆第1話はこちら 第4章 思い出の酒杯2 懐かしい酒杯   翌日、紗紀と一空は女性が指示した場所であるS神社に向かった。しかし、待ち合わせの時間になっても、昨日の女性は姿を見せない。  それでも待ち続け、約束の時間を一時間以上も過ぎようとしていた。  紗紀はため息をつく。  相手は死者。  酒杯を受け取りに来るはずがないのだ。  あと十分、さらにもう十分待ってみようと言いながら、二時間が過ぎた。 「一空さん、帰りましょうか」  そろそろ陽も沈もうとしている。  さすが

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第51話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第50話

          ◆第1話はこちら 第4章 思い出の酒杯1 死者も来る店   桜が咲く季節。  カウンターの側に置かれた椅子に座りながら、紗紀はぼんやりと店内から外の景色を眺めていた。  こうしていると、まるでバイトをサボっているように見えるが、お客さんが頻繁に来るわけではないから暇な時間が多いのだ。  今日も店の掃除はきちんとしたし、品物たちの埃も丁寧に払った。  やることをきちんとやっても時間が余ってしまう。  最初は掃除ばかりをやって時間を持て余していたが、最近は商品の勉強をするよ

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第50話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第49話

          ◆第1話はこちら 第3章 呪い人形13 再び役目を与えられた人形  いや、それはさすがに。  だが、一空は霊能者。  人の前世を霊視で視られる。  だから、少女が、姉妹の母親の生まれ変わりだと一空が感じ取ったのなら、きっと、そうなのかもしれない。  紗紀は口を開けたまま、一空が続ける言葉を待った。 「市松人形はお雛様と同様、その子に降りかかってくるであろう難を身代わりに受けてくれる身代わり人形とも言われていることは知っているな」 「はい」 「その子の一生を守るお守りとし

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第49話

          『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第47話

          ◆第1話はこちら 終章1 利蔵さんはわたしのもの  「お世話になりました」  というのも、何だかおかしいような気がした。だが、それ以外の言葉が浮かばなかった。  夫であった隆史の前に正座をする雪子は、うなだれる彼の前に離婚届を差し出した。  届けにはすでに自分の名前と印鑑を押してある。あとは、彼に必要な箇所を書いてもらい役所に届ければすべて終わる。  それを見た隆史は顔を歪めた。  雪子が屋敷を去ることを知っているのか、あるいは聞かされていないのか、この場に世津子の姿は

          『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第47話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第48話

          ◆第1話はこちら 第3章 呪い人形12 もう一つの人形にこめられた思い  母娘の姿が出て行ったと同時に、紗紀は一空に詰め寄った。 「一空さんどういうことですか? まだ浄化されていない物を売るなんて! 姉妹の命を奪った呪いの人形を! あんまりです」  いくらなんでも、呪いの人形をあの子に売るなんて酷すぎる。 「また、一空のバカ、とでも言うか?」  最初、ぽかんと口を半開きにしていた紗紀だが、すぐに先日のことを思い出し、口をあわあわとさせた。  聞かれていたのか。 「あれ

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第48話

          『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第46話

          ◆第1話はこちら 第5章 雪子の決意8 呪われた村の真実  高木の通報により、その後、県警の刑事が村にやって来た。  二十五年前の事件が明らかになった。  とはいえ、被害者も加害者もすでにこの世には存在しない。  唯一、その時の事件に関与したと思われる人物が、当時の利蔵家当主の母であり、隆史の祖母、世津子であった。  世津子は警察の取り調べで、素直に真実を口にした。  多佳子の死の真相も、世津子の口から初めて語られることになった。  二十五年前、多佳子に執拗に迫られた

          『怨霊が棲む屋敷 呪われた旧家に嫁いだ花嫁』 第46話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第47話

          ◆第1話はこちら 第3章 呪い人形11 人間国宝が手がけた  骨董屋『縁』に以前やってきたあの母娘が再び訪れたのは、藤白五十浪の工房から帰ってきてから五日後のことであった。  もう来ることはないだろうと思っていただけに、店に現れたときは驚いた。  母親の方もあの時、娘の手を引きそそくさと店から去って行ったことに対して何かしらの感情があるのか、紗紀の顔を見るなり苦い笑いを浮かべ会釈してきた。しかし、子どもの方は、そんなことなどまったくおかまいなしに、 「よかった。まだお人形

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第47話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第46話

          ◆第1話はこちら 第3章 呪い人形10 呪いを解くためには  一空は苦笑いを浮かべる。 「あいつか」 「はい、チャラ弁から聞きました」  うっかり、あの弁護士(いまだに名前を思い出せない)のことをチャラ弁と口をついたが、一空はそれについて、突っ込んではこなかった。 「大昔、私と伊月さんが喧嘩をして、私が呪いをかけたから、だから、その呪いを解けるのも、私だけだって」 「そんなことを言われたのか。それで、紗紀はあいつの言葉を真に受けた」  呆れたように一空は深く息をつく。

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第46話

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第45話

          ◆第1話はこちら 第3章 呪い人形9 一空にまとわりつく黒い影  突然、聞こえてきたその声に、はっとなって紗紀は肩にかけていたバッグから例の市松人形を取り出した。 「この人形」  紗紀は少女たちの前に人形を差し出す。すると、美優と柚希は目を輝かせた。 「探していた人形はお姉ちゃんが持っていたの」 「うん、ちゃんと見つかったんだね!」  頷いて柚希はポロポロと涙を流す。 「この人形の持ち主は、柚希ちゃんと美優ちゃんだったんだね」  紗紀は人形を柚希ちゃんに手渡した。 「あ

          伊月一空の心霊奇話 ーそのいわく付きの品、浄化しますー 第45話