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熟達職人の繊細な技と感性が光る!イノベーションと働き方改革とブロックチェーン技術!?から考える歴史と未来

余寒お伺い申し上げます。
「学び続けることで、愉しく未来を創る」をテーマにお届けしているウィズダムスクールブログ、今回も学びを生活の一部にすることで、日々感じて、気づいて、考えて、発信して、実践して、振り返っていく何層にも重なる学ぶ愉しさを一緒に味わっていただければ嬉しいです。

今回は、江戸時代から革製品を扱うところが多かった墨田区両国にある「袋物博物館」を見学して、お話をお聴きし、外側にあるモノやことの発見というよりも、内側にあるモノやことを再発見するようなプロセス、生み出し続けている人の感じている世界観に触れてきました。

袋物・革小物の歴史、熟達職人技と後継者課題、イノベーション、働き方、ブロックチェーン技術!?、両国の昔と今とこれからなどなど・・・

人類に歴史に沿うよう綿々と育まれてきた道具の一つに袋物があります。
人々の生活と深く関わりながら波及していく様は、まさに人と道具の関わりを象徴する人の叡智の歴史のたまものといえます。袋物博物館館長|木戸好子さん(東屋4代目社長)

「袋物の歴史とこれからの発展に寄与したい」「革小物の魅力を多くの人に伝えたい」という想いから誕生した袋物博物館は、100年以上この両国で革小物製品を作り続けていらっしゃる有限会社東屋さん(革小物製品の製造・卸・販売)が運営されています。

大正3年(1914年)に現在と同じ場所にて(東京大空襲も逃れ・両国地域の中でも唯一残った地区です!)木戸商店として創業、創業90年を記念して袋物博物館が生まれました。(墨田区からの認可)

*この袋物博物館も、前回ご紹介した「NTTドコモ歴史展示スクエア@両国」と同じように、”ものづくりの素晴らしさや大切さを伝える” すみだ3M運動・墨田区小さな博物館運動に参加されています。

東屋さんの現在の建物は、昭和41年(1966年)竣工の東屋ビル、玄関のガラス扉を開けて螺旋階段を上ると、2階にある袋物博物館に到着です。
一昨年からは、ギャラリーショップも同じ2階にあります。(詳細は、ブログ後半でご紹介!)

ありがたいことに、6代目社長の木戸麻貴さんがご案内してくださいました!
(木戸社長、貴重なお時間とお話を本当にありがとうございました!)

館内には、これまで東屋さんが長年携わってこられた歴史の中で収集された袋物製造販売に関わる資料やもの、江戸時代の煙草入れ、江戸後期頃の小銭入れや札入れなどの袋物、手動ミシンや小手などの製作道具が展示されています。


また、仔牛から成牛まで牛革の違いや特徴、革の色、素材の感触など、裁断加工される前の牛革を直接手に触れて体感することができます。

熟達職人の繊細な技と感性が光る!見えないひと手間までもきめ細かな工程を実感

繊細な技と感性から生まれる工程について、革を縫い合わせる前の長財布と完成品とともに、6代目社長の木戸さんからお聴きすることができました。

どの工程においても、熟達職人さんの手によって、高度な技と想いを込めて、1つ1つのパーツを大切に丁寧に作っていらっしゃること。

熟達職人さんの働き方から考える未来
熟達職人さんは、それぞれのご家庭で、ご自宅で、1つ1つ作っているっしゃるとのこと。
「働き方改革」が話題となっていますが、以前から”それぞれ”にあった働き方を実践されていらっしゃることもお聴きすることができました。

残念ながら、革製品を扱う業界も他の業界と同じように、国内の革製造工場も職人さんも激減しているとのこと。
東屋さんの熟達職人さんたちも80代〜60代とのことで、後継者がいない状態、人財を育てていくことは今後の課題とのことでした。

「顔の見える化」品質と信頼をブロックチェーン技術!? から考える未来
東屋さんと熟達職人さんと商品愛用者との信頼関係があるからこそ、高品質な革小物製品が誕生し続けている反面、、、残念ながら業界の中には、どこぞのものかもわからない革を素材として、誰がどこで裁断加工や縫製加工、検品をしたかもわからない、最後の部分仕上げの工程だけを日本で行っていたとしても「Made in Japan」の商品として世に出てしまっているモノもあるとのこと。

野菜の生産販売では、ブロックチェーン技術による品質流通販売管理が始まっているように、「顔の見える」安心できる製造販売は革製品業界でも大事になってきますよねと、木戸さんとの対話の中でも話題になりました。
ブロックチェーンは「農業革命」の火種となりうるか|WIRED 20170213

東京オリンピック前後の景観、東日本大震災時の水門、そして春の息吹

隅田川支流の堅川沿いにある袋物博物館では、これまでの歴史について感じる機会にも恵まれました。
・6代目社長の木戸さんのお祖母さまが体験された東京大空襲の記憶(目の前の堅川、バケツリレーで、東屋さんと数軒は残ったそうです)
・隅田川の花火も、以前はここで打ち上げ(花火の火の粉が降ってくるような近さだったそうです)
・1964年東京オリンピック前の首都高速建設で、堅川沿いの景観も様変わり

・袋物博物館の窓から見える堅川の水門の先に隅田川、東京湾と続くため、東日本大震災発生直後には水門が閉鎖(通常は開いているそうですが、現在は工事のため一時閉鎖中)
・上の写真、左下に映る梅木には、膨らんだ蕾と少し咲き始めた梅の花
・この堅川でも花筏を愛でることができるまで、あともう少し。(隅田川沿い桜並木の花びらがこの水門を通ってくるそうです)

小ロット生産、質が良く愛着もわき、身も心も満たされる革小物の実現
袋物や東屋さんの歴史、両国の歴史、業界の歴史についてお話ししてくださった6代目社長の木戸さんからは、東屋さんに関係する人たちが持っている技と感性が、世界のどこに接点があるのか常に見定めてきていると感じました。

熟達職人さんの技と感性、自分たちの想いや価値が世に和えるように、どのように世の中に伝えていくかを常に考え、変化し続けてこられた覚悟を感じました。
歴史を大事にしながら、付加価値を生み出し、新しいものをつくっていくイノベーションのすばらしさを実感しました。

創業100周年記念|自社製品立ち上げ!オリジナル革小物 AZUMAYA made in Ryogokuをスタート
袋物博物館と同じ2階にありますギャラリーショップでは、東屋さんの自社製品を手にとって見る、触れることができますよ。

まるあ柄シリーズ|すみだの川面に映り行く水面の美しさや表情をイメージした柄の革小物シリーズ(すみだモダン2016認証|あたらしくある。なつかしくある。)

まるあ柄のminiクーパーも、東屋さんのビル車庫に駐車されていました!

made in RYOGOKU 粋 HOKUSAIシリーズ|葛飾北斎の描いた「両国橋」を内側に施した東屋さんと熟達職人技と感性が光る革小物シリーズ第11回TASKものづくり大賞 奨励賞受賞!
同じく墨田区の企業さんが持つ優れたインジェクトプリント技術と一つ一つの隠された部分にも丁寧に柄合わせがされている仕上がり!

墨田区公式チャンネル #6 〔きらっとすみだモダン〕東屋&Sumida River Kitchenより(2017年7月31日)

袋物博物館では、来館者限定本革のしおりをプレゼントしてくださいます!

そもそも、日本の袋物の発祥は、大黒様の大きな袋から始まったのではないかと云われていることも今回初めて知りました。

何を感じ、思い、どう響くのか、人それぞれですが、いつどこで何が学びになるのかは、自分次第ですね。
次回も両国の”どこか”からお届けします!
三寒四温の時節、皆さま体調管理にお気をつけくださいませ。

参考|
袋物博物館
(東京都墨田区両国1-1-7 2F|月曜日~金曜日13時~16時開館・土日祝日予約制|入館料無料)

「enjoy」楽しんで作る
そして、触れる度に喜びや満足を感じ、楽しんで使っていただける革小物を・・・
・・・創業100年の経験と繋がりを生かした確かな素材選びと少量生産による希少性、進化し続ける革小物の作製を目指します。 東屋さんコンセプト

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