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ワインの味わいを何倍も引き立たせる!僕的デイリーユースグラス 用途別4選


前回の予告でワインの格付けについてお話しすると申し上げましたが、最近、「お勧めのワイングラスを教えて!」と聞かれることが立て続いたので、予定を変更させていただきます。

今回は僕個人が使ってみて、特にコスパに優れたグラスをそれぞれの利点に触れながら、ご紹介したいと思います。

あくまで個人的な使い心地で、使ったことないグラスも多数存在しますので、ご了承くださいね!


グラスでワインの味わいは変わるの?


断言させてください。180度変わります!

何故かと言いますと、グラスの形によって、口の中にワインが入るスピードや広がり方が異なります。リム(飲み口のことです。後述しますのでご参考ください。)が狭いものは、口に入るワインの量は少ないものの、勢いよく舌の上を中心に流れます。逆にリム の広いものは、少しの傾きでより多くのワインが口に入りますが、入るスピードはゆっくりで、ワインが口全体に広がりやすいです。

イメージし易いように例えるならば、前者はペットボトルで、後者はお椀です。ペットボトルのように口が細いものは、勢いよく飲みたいものに合います。他にもビール瓶やラムネの瓶などもそうです。逆にお椀のように口が広いものは、口全体で味わってから飲み込むものに合います。コーヒーやスープなどがそれに当たりますね。

また厚さや重さによっても感じる印象も異なります。薄い方が液体の温度を感じ易いですし、飲んでいて唇が疲れません。

少しマニアックな話だと思うかもしれません。僕もワインを勉強しはじめて間もないころ、この説は半信半疑でしたが、今では「ワインはまずグラスから」という布教運動に努めております。

オシャレな絵画でも額縁がダサいと残念ですよね。綺麗なお花はそれに合った花瓶があると相乗効果で、さらによく見えます。日頃飲むワインのランクが1段階上がるので本当にグラスは大事です。



ワイングラスの各部位の名称


グラスの説明をするにあたり、グラスの各部位はそれぞれ何と呼ばれるか、下の画像をご覧ください。(画像はサントリーさんからお借りしました)

ワイングラス名称


馴染みのない方は、ややこしいと思いますが、頭に軽く入れながらご覧いただけると分かりやすいかと思います。「持つところ」「口付けるところ」「石原裕次郎が持つところ」では、逆にややこしいので・・・笑



基本的なワイングラスの選び方


ワインは味わいだけでなく、色や香りも楽しむお酒です。

ですから無色透明で、香りをより感じやすいようボウル部は中が広く、リム部にかけて狭まっている、卵型のものがお勧めです。なるべくグラスの外に香りを逃がさないような形がいいでしょう。勿論、例外もありますが基本はこれでOKです。

製造方法は、ハンドメイドとマシンメイドがあり、勿論ハンドメイドの方が良質で高級です。ハンドメイドは、本体がとても薄いので、洗浄時などに力の入れ方を間違えると簡単に折れたり、割れてしまうことがあります。マシンメイドは量産型で、比較的厚いですがその分割れにくいです。最近は技術力が上がり、薄めのマシンメイドも増えてきております。

ワインの味わいやブドウ品種に合わせて、ひとつのグラスメーカーから様々な形のものがリリースされておりますが、いきなり全タイプのグラスを揃える必要はありません。まず1脚目には、中くらいの大きさである「ボルドー型」をお選びいただけますと、より多くの種類のワインを万能に楽しめると思います。

それでは、さっそく1つ目のお勧めからご紹介したいと思います。



<オススメ1>王道RIEDEL社が手掛ける 「Oシリーズ」


泣く子も黙るワイングラス最大手のRIEDEL社は、何種類ものワイングラスを作っています。超高級なハンドメイドから、大量生産で質の高いマシンメイドまでラインナップは豊富です。

その中でもお勧めは「O(オー)シリーズ」です。(画像はRIEDLストアから)

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知名度もあるため、見たことある方も多いと思いますが、写真のように、ボウル部しかありません。「なんかワイングラスぽくない・・・」「高級感がない」といった声が聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください。飲むシチュエーションによっては、かなり重宝します。

メリット① 背が低いため、破損のリスク半減!

どんな時に、グラスを割ってしまうことが多いでしょうか。洗浄していて~、何かに引っ掛けてテーブルから~、などが多いのではないでしょうか。僕自身もたまにやってしまいます。経験上、グラスの各パーツの繋ぎ目は弱く、割れやすいです。特に、ステム部は細いので、ひねったら簡単にポキッといきます。泣

ですがこのシリーズは、ステムが存在しないので、洗浄時もリスク半減です。さらに、グラスの重心が低いので安定します。テーブル奥の料理を取ろうと、肘やお腹で倒し「やってまった!」なんていうことも減ります。

「何回、買い変えればいいの…」と凹み気味のあなたにおすすめです。

メリット② 小さいので、持ち運び用に最適!

僕は、国内外問わず、旅行先で必ずワインを飲みたくなります。「あの旅行で飲んだワイン」といった具合に記憶に残りますし、同じワインを飲んだ際に当時の思い出も蘇ります!

滞在先のホテルにもよりますが、今まで自分の納得いくワイングラスを用意してもらったことは、ほぼありません。おちょこのような小さいボウルのものや、辞書のように厚いリムのものばかりでした。(言い過ぎ)

そんな旅先にも、このグラスは重宝します。ステムがないので破損リスクも減り、かさばらないので荷物にならず、運びやすいです。旅行先で色々なタイプのワインを飲みたい方は、「カベルネ / メルロー型」が万能でお勧めです。僕はこの形と、「シャンパーニュ型」の2種類を持っています。

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<オススメ2>松徳硝子の日本製ハンドメイド ステムレスグラス 「うすはりシリーズ」


松徳硝子さんの「うすはり」シリーズも非常にお勧めです。こちらもRIEDELさんのOシーリーズ同様、ステム部無しのデザインです。(画像は公式HPから)

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驚くべきはその軽さと薄さです!さすがはハンドメイド。口にワインが流れる時も非常に心地がいいです。

旅先のお部屋で、ハンドメイドのワイングラスで乾杯なんて最高すぎますね… 付属の木製の箱も軽くて丈夫ですので、そこに入れて旅のお供にしましょう!

Oシリーズ「カベルネ / メルロー型」と、うすはり「ボルドー」を比較すると、前者の方が大きく、気持ち厚め(香りをより楽しめ、割れにくい)。後者の方が軽くて、薄い(口に付けてわかる高級なやつです)。

輸入品のハンドメイドグラスは、配送コストが高く、かなり高額なものが多いですが日本製ということもあり、質が良いだけでなく、とても良心的な価格です。



<オススメ3>絶対に割りたくないという方には…


ご家庭に小さいお子様やペットがいて、ガラス製は気が気じゃないという方も多いのではないでしょうか。そんな方には、プラスチック製もしくは合成樹脂製のグラスをお勧めしています。

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これは、僕がサンフランシスコでワイン留学をしていた際、ワインフェスティバルにて無料でもらったものです。ボウル部が卵形になっているので、しっかり香りも取れます。絶対に割れず、しかも軽いので、破損をご心配の方だけでなく、旅行へ持参したい方にもおすすめです。

購入したことはないので、どのメーカーがお勧めと明言できませんが、楽天やAmazonでたくさん販売されています。とてもリーズナブルなので大人数のパーティーにも重宝しますよ。



<オススメ4>ワンランク上のワイン体験を。ハンドメイドなのに高強度なzalto社の 「Bordeaux」


僕個人が数年、自宅用として愛着を持って使用しているzalto社(画像は公式HPから)

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これまでレストランやワインバーで色々なワイングラスを試させていただきましたが、やはり職人が一脚一脚手作りで造るハンドメイドには圧倒的な魅力があります。あの軽さ、薄さはマシンメイドでは再現できません。

ただ、先ほど申し上げたように、ハンドメイドグラスは非常に割れやすく、高額なのです。「割ったらおしまいだ・・・」と震えながら飲むのも嫌ですし、洗浄なんか怖くて寿命が縮まりそうで、どうしても購入までに至りませんでした。そんな葛藤の中、数年前に発見したのがこちら。

先ほどご紹介した松徳硝子さんの「うすはり」シリーズには価格面では敵わないものの、ステム付きで、オーストリアからの輸入に伴う破損リスクを考慮すると、かなりリーズナブルだと思いますよ!

ちなみにzalto社のグラスは、全てハンドメイドです。ワイン用のグラスは全6種のみで、ワインの種類や味わい別になっており、選び易いラインナップです。ハンドメイドにかける想いやこだわりも感じます。

メリット① 食洗器でも洗えるほどの強度!

非常に軽く、薄いハンドメイドにも関わらず、なんと食洗器で洗えます!

その秘密は、カップ内部の歪みのなさです。1300℃まで熱されたガラスを、職人が手吹きで成形した後、専用の窯で冷却、24時間かけてゆっくり常温に戻されます。急激に冷やすと歪みや小さな傷になり、割れやすさに直結します。またzaltoのワイングラスは、酸化鉛を加えずに製造されており、曇りがつきにくくなっています 。

メリット② 宇宙規模の徹底的なこだわり!

ボウル部の曲線は24°、48°、72°の傾きで造られ、これらの角度は、地球の傾きから導かれています。古代ローマ人は、食料の新鮮さや美味しさをより長く保たせるために、先ほどの3つの重要な角度で設計された容器に食料を貯蔵していたそうです。この傾きで地球は回っているのかと、浪漫を感じながらワインに浸るのも粋ですね!

メリット③ 専門家、評価誌も大絶賛!

2009年ドイツにて、世界で有名な10社のグラスメーカーが一堂に会し、その質を競い合う大会が行われました。公平を期すため、審査をする専門家19名が「目隠し+手袋」の状態でワインを飲み、各社のグラスを評価するというものでした。結果は「ボルドー」「ブルゴーニュ」「リースリング」3部門全てで、zalto社が1位。圧勝でした。この他にも、ワイン専門誌や評論家からも絶賛され続けています。



このグラスのおかげでよりワインを知れ、より好きになったと思いますが、注意点がひとつだけ。プレートの直径が他のグラスより長く、グラスをひっかけ吊るすワインラックに入りきりませんでした。僕の家のものだけかも知れませんが泣

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こんな感じです・・・かなり凹みました。色々な業者を探しましたが、なかなかサイズやデザインで気に入るものが見つからず、最終手段、金鋸でやってやりました。

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一緒に探していただいたメーカー担当の方にこちらを報告したところ、原始的な解決方法に笑っていただけたので、大満足です!


以上が、現時点で僕がお勧めするワイングラスです。何度もしつこいと思いますが最高のワイン体験には、それに合った良いグラスは必須です!ご紹介したものは一部ですので、お店に行って詳しい方に聞くのも良いと思います。皆様のお勧めあれば、是非お聞きしてみたいです。

最後までご覧いただき誠にありがとうございます。