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  • さわやかの待ち時間

    日々、整理の仕事を終えてから、げんこつハンバーグを食べられるまでのあれこれ、今春から。

  • 初心に返信

    記者として現場に出て8月で2年半なので、良かったこと忘れないように記録していきたい。

  • 初心の記録

    春から社会人になります。10代の自分が抱いた初心が大人になっても色褪せないように、記録としてまとめました。よければ読んでください。

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初心の記録 怒り ― ”女性をおだてあげる使命”

それなりのエールならいらねえよ高校生のころ、ビジネス雑誌が毎週家に届いていた。 当時の私には、新聞に書かれている経済ニュースは難しくてなかなか興味を持てなかった。でもビジネス雑誌は気に入っていた。なぜなら面白くて理解しやすく書かれた内容ばかりだったからだ。 巻頭にある著名人の教訓めいた寄稿や、最先端の商品やサービスの特集や企業紹介、成功者ではなく失敗者へのインタビュー連載などが好きで、よくページをめくっていた。 私は経済学部出身で大学4年生になっても専門基礎科目の授業を

    • 現場出て以来、それなりの人から、性犯罪を巡って男性側の意見に同調を求められ、デリカシーのないことを聞かれる場面が度々あり、丁寧に反論するたび、法律は時代とともに変わったのに、権力を執行する立場でいまだ女性の視点に欠け、こんなに想像力に乏しいものなのかと失望することがありました。

      • すし居酒屋の板前

         昨晩、近所の某すし居酒屋に1人で入った。ようやく開催できた、支局の同期たちとの飲み会が終わり、余韻に浸って2軒目。カウンターに座ると、正面で70代手前ぐらいの男性の板前が迎えてくれた。  店にはときたま通い、しわの刻まれた手で黙々と寿司を握る板前の姿を目の前でよく見ていたが、注文と寿司にまつわる会話以外はしたことがない。店内が落ち着いた頃合いを見計らって、切り出してみた。「来月に引っ越して、静岡に行くんです」。  どんな反応が返ってくるかと思えば「静岡といえば、この間行

        • 強者がより強くなって成功した物語より 発達障害がある女性が、社会で自分らしく活躍するまでの物語とか 生活保護を切られた人たちが、行政に争いを起こすまでの話とか 認知症の男性が困っていたときに、心優しい親子に助けられた話とか そういう話を拾えて、形にできたときの方がうれしい。

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        初心の記録 怒り ― ”女性をおだてあげる使命”

        • 現場出て以来、それなりの人から、性犯罪を巡って男性側の意見に同調を求められ、デリカシーのないことを聞かれる場面が度々あり、丁寧に反論するたび、法律は時代とともに変わったのに、権力を執行する立場でいまだ女性の視点に欠け、こんなに想像力に乏しいものなのかと失望することがありました。

        • すし居酒屋の板前

        • 強者がより強くなって成功した物語より 発達障害がある女性が、社会で自分らしく活躍するまでの物語とか 生活保護を切られた人たちが、行政に争いを起こすまでの話とか 認知症の男性が困っていたときに、心優しい親子に助けられた話とか そういう話を拾えて、形にできたときの方がうれしい。

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        記事

          小さな自治体の地方面だけど、議会で出てきた行政課題のストレートニュースを書いたら、「書いてくれてありがとう」ってお礼を言っていただいた。今月担当が変わったばかりで必死で書いたから、嬉しかったなあ。そういう出来事が、今月は他にも2回くらいあって、これからはもっと大事にしていきたい。

          小さな自治体の地方面だけど、議会で出てきた行政課題のストレートニュースを書いたら、「書いてくれてありがとう」ってお礼を言っていただいた。今月担当が変わったばかりで必死で書いたから、嬉しかったなあ。そういう出来事が、今月は他にも2回くらいあって、これからはもっと大事にしていきたい。

          非常ボタン

          強盗殺人事件を追う約40日間が終わった翌日の夜。会社でぼんやり新聞を開き文字を追っていたら、ある文章から目が離せなくなった。 6月14日付の朝日新聞朝刊、広告大手「電通」に関する上智大教授の談話。見出しは「支配にあらがう仕組みを」。以下に引用する。 まるで今の自分の状況を言われているようだった。そうだ、私は「非常ボタン」を押したんだ。これ以上追い詰められないために。 非常ボタンを押しても、構造のそばにいる人の言葉や視線を気にして、また傷つくこともあった。救われたかったか

          非常ボタン

          初心の記録 #4 ― 鳥居、ピケティ、志

          セーラー服の歌人高校3年生になり、最後の大会を控えた剣道部の部活と、国公立進学クラスで課せられる毎日の補習や課題に追われ、ひいひい言っていた4月。 購読している新聞の夕刊のラジオ欄の上の段で、「鳥居」という名前の歌人についての連載が始まっていた。 高校3年生になってから余裕がなくて、毎日は新聞に目を通していなかったのか、4月からそんな連載が始まっていることを私は知らなかった。 鳥居さんは、セーラー服を着た歌人だ。幼い頃に親を亡くし、複数の施設で虐待を受けた経験から、中学

          初心の記録 #4 ― 鳥居、ピケティ、志

          初心の記録 #3 ― 平和より大切なもの

          「集団的自衛権の行使容認」高校2年生だった2014年7月1日、安倍内閣下でとある重要な閣議決定がなされた。 その閣議決定の内容は、「集団的自衛権の行使容認」だった。 7月1日火曜日、学校から帰宅するといつものようにリビングのテレビで7時のニュース番組が始まって、まずこの閣議決定に関するニュースが目に飛び込んできた。 ▼2014年7月1日付の「集団的自衛権の行使容認」閣議決定の内容について 憲法第9条のとらえ方を変えたこの意思決定は、日本にとっても自分にとっても間違いな

          初心の記録 #3 ― 平和より大切なもの

          初心の記録 #2 ― ブラジルに帰った友達

          友達との日々中学3年生のとき、クラスで1番仲の良かった友達は、ブラジル出身の女の子だった。 宇多田ヒカル似の大人びた顔立ちで、陽気なサンバの国出身にしてはシャイな子だったけど、笑うとふにゃってなる優しい笑顔が可愛かった。 教室の移動時間や放課には他愛もないことしか話ばかりしていて、芸能人の話や最近読んだケータイ小説の話や、彼女が好きだった同じクラスの男の子の話を聞いていた。 学校が終わって家に帰ってもメールや電話で恋バナを聞いたりしてた。彼女はやっぱり少しシャイだったか

          初心の記録 #2 ― ブラジルに帰った友達

          初心の記録 #1 ― おばあちゃんと戦争と新聞

          おばあちゃんと戦争小学生低学年のころ学校が終わると、隣に住むおばあちゃんが私と弟の面倒を見るために、家に来てくれていた。 おばあちゃんは私たちの姉弟の面倒を見ながら、おばあちゃんが小さかったころの話をよくしてくれた。おばあちゃんは田舎の地域でも海辺の地方の出身で、海辺や野山でどんな遊びをしたか、両親や兄弟とどんな生活を送っていたのかについて、いろいろ話を聞かせてくれた。 第二次世界大戦の話をしてくれることもあった。 おばあちゃんは、終戦当時7歳だった。 B29が青空に

          初心の記録 #1 ― おばあちゃんと戦争と新聞