[スイス 子連れ旅行記](4)ラントヴァッサー橋梁〜サン・ベルナルディーノ ( 「教育発想源」番外編)
「教育発想源」の番外編としてお届けしている「子連れ旅行記」。子どもを連れて海外旅行に行く時には、どんな用意をしたり現地でどんな感じでやったりしているのかをお伝えしています。
今から約7年前の2017年、当時6歳だった長男と二人でスイスを車で一周したのですが、「スイス 子連れ旅行記」としてその時の様子をお伝えしています。第1回、第2回、第3回はいずれも好評の声をいただき嬉しい限り。
今回は第4回をお届けします。前回の第3回ではリヒテンシュタインでしたが、今回はスイスに戻ってきました。それではどうぞー。
■[スイス 子連れ旅行記](4)ラントヴァッサー橋梁〜サン・ベルナルディーノ ( 「教育発想源」番外編)
リヒテンシュタインの首都ファドゥーツに一泊し、ヨーロッパ100名城の一つにも数えられるファドゥーツ城を見てから、ライン川を超えて再びスイスに入国し、高速道路に乗りました。
高速道路13号線に乗って南を目指します。この日はとっても快晴。第1回でお伝えしたようにスイスは高速道路代が一括年払いで、レンタカーの場合はレンタカー会社がもう払ってくれているから、実質タダ。どこで降りても一緒だから、かなり気がラクです。あ、もちろんスイスは日本と逆で車は右側通行。
ラントヴァッサー渓谷に向かいます。スイスの紀行番組や観光ガイドブックなどでよく、とてつもない高さの鉄道高架橋を目にしませんか。それがラントヴァッサー橋(Landwasser Viaduct)。普通の人は氷河急行で有名なレーティッシュ鉄道で通って満足する橋なんですが、僕と長男は「電車で渡るより、橋そのものを下からみたい」と思っちゃって。
冠雪の山々が美しかったので、クール(Chur)というインターチェンジで高速道路を降りて、山道をのんびり行くことにしました。ところが……
田舎なのでほとんど車が通っていないから、ついスピードを上げがちで、山道なものだからカーブが多く、助手席に乗っていた6歳長男が次第に車酔いに……。そうだった、山道は気をつけないと同乗者が寄ってしまうんだった。2年前のイタリア旅行でも、車での山道越えで妻が車酔いでダウンしちゃったんですよね。気をつけないと……。
車酔いですっかり元気をなくした長男。ホテルの朝食ビュッフェをたくさん食べたしね。ゆっくり気をつけて走ったものの、やっぱり辛そうなのでちょこちょこ路肩の駐車スペースに停めて休憩しながら。かなりの標高なので、山道の脇には冷たい滝が流れていたり……
ふと見上げると古城が建っていたりと、なかなか良い風景があちこちに広がっています。あとで地図を見たら、これはBurgruine Belfortという名前の城跡でした。
で、休み休み走っていましたが、目的地まであと10分ぐらいかな、という直前頃に、長男は酔いに耐えられなくなって、カーブの路肩に停めようとしたら間に合わなくなって、ドアを開けて外に出る前に車内で嘔吐してしまいました。
長男は外に出るモーションだったので、助手席の扉の内側に嘔吐してしまい、自分の着ていた洋服も汚れまくり。間に合わなかったっ。とりあえず、あと10分ほどで着く目的地のラントヴァッサー橋は渓谷で川があるはずだから、そこで改めて洗ったり拭いたりしようと、長男には申し訳ないが汚れはちょっとの間我慢してもらって、先に進むことに。
ということで、10分後に目的地に到着。ラントヴァッサー橋に近いと思われる駐車場(Parkplatz Landwasser Viadukt)です。すでに何台か泊まっていますね。詳しい場所は、下のGoogleMapに目的地として記しておきました。
で、この駐車場、左側をよくみるとまだ道が続いているんですね。行き止まりの標識がついていますが、この先1kmほどでラントヴァッサー橋に着くのは、すでに事前にGoogleMapで確認済み。
本当はここに車を置いて歩いていくつもりだったのですが、直前に長男が車内で吐いてしまったから、早く車内や長男の服を洗ってあげたくて、川に車で近づくためにも、思い切って車で進むことにしました。
離合スペースが全然ないので、対向車が来たら大変だからドキドキしていましたが、この時は幸運にも対向車は来ませんでした。先へ進んでいきます。
1kmほど進むと、石の巨大な橋が見えてきました。ラントヴァッサー橋だ! しかも下を流れる川のすぐ近くに車も停められる!小さな見張り小屋のようなものがあり、周囲に誰もいなかったのでそこに車を停めさせてもらい、川へ。美しい!
スイスの紀行番組などでは、ラントヴァッサー橋を氷河急行で通る映像としたから見上げる映像を併用しているのをよく見ますが、わざわざこうやって山道を通って撮影しているんだなあとその大変さが改めて分かります。
で、僕も長男もこの橋のデカさに衝撃を受けて写真を撮りまくったのですが、帰国してからさらにもっと大きな衝撃の事実を知ってしまうことになります。それは……
なんとこの橋、ラントヴァッサー橋じゃなかった(!)。いや、後から思うとラントヴァッサー橋の高さはこんなもんじゃないはず。でもこの時はこれでも十分に大きいので全然気づかなかったんです。
GoogleMapで確認して分かりましたが、先ほどの車一台分の山道を通って行くと、小さな橋を超えるんですね。その時に左手側にこの偽物の巨大橋がドーンと見えてくるので「ここだ!」とつい左に曲がって橋に向かったのです。でも右の道路のまだ先をよーくよーく見ると、もっとデカい本物のラントヴァッサー橋の片鱗が見えてますよね……。
つまり、あとちょっとで着くところで間違ってその隣りの橋に行っちゃったわけです。そっちの橋が先に見えてしまったこと、さらには長男が嘔吐して汚れちゃってたのが可哀想で早く行かなきゃと焦ったことが、確認が疎かになり間違った最大の理由でした……。
GoogleMapで見ると、Schmittnertobel-Viaductという名前の橋だそうです。クチコミでも僕らと同じように、ラントヴァッサー橋と間違えて見ていたという人がいるみたいですね。残念すぎる……。
というわけで、ここからの橋の写真は全て「ラントヴァッサー橋だと思って喜んで撮った、そのすぐ横の違う別物の橋」の写真になります(笑)。
車酔いで吐いて汚れてしまった長男は、服を全部新しいものに着替えて、汚れた衣類は全部ここで仮洗いをしておきました。天気がいいので岩肌に干したりして。汚れたレンタカーの車内も、ここで全部キレイに洗いました。
遠くから電車の音が聞こえてくるなあ、と思ったら、数分後に橋の上に氷河急行が通る合図。1時間に3本ぐらいの間隔で通って行きます。絵になるなあ。
橋の下に、対岸に渡る小橋があったので、渡ってみることにします。
ちなみに先ほどまで車酔いに苦しんでいた長男は、吐いてしまうとめちゃくちゃスッキリしたらしく、ものすごく元気に生まれ変わっていました。どんどん先に進みます。奥には特に何もないのですが、キャンプをする人がいるのかベンチやかまどが一つ設置されていました。こんな場所でキャンプなんて素敵だなあ。
長男は東京生まれの東京育ちなので、こういう渓谷の景色が珍しいようで、時間を忘れて遊んでいました。今ではよく子どもたちとキャンプや山登りに行くのですが、この頃はあまり行ったことがなかったのです。やっぱり子どもはもっと自然の中で遊ばせないといけないなー、と思いました。
ということで、ひとしきり遊んだところで、ラントヴァッサー橋(の偽物)とお別れ。洗った服はさほど乾かなかったのですが、ビニール袋にまとめて入れて持って帰り、次のホテルで洗うことにします。
1台分しか通れない山道、幸運にも帰りも対向車に遭遇することなく、最初の駐車場に戻ることができました。ラントヴァッサー橋、結局本物を見たわけではないのですが、いつかまた見に来れたらいいな。
峡谷から西に10kmほど戻って、トゥージス(Thusis)のインターチェンジから再び高速道路13号線に乗ります。この日に泊まる予定のホテルがある場所は、標識にあと63kmと書いてあるベリンツォーナ(Belinzona)の街。でも、朝食を全部吐いてしまった長男はすごくお腹が空いた!というので、あと18kmと書いてあるサン・ベルナルディーノ(San Bernardino)あたりで食べようか、ということに。
ちなみに、これまでに日本各地でも様々な高速道路を走り、海外でもいろんな国で高速道路に乗りましたが、このスイスの高速道路13号線は人生の中でもとても印象的な高速道路の一つです。この時は9月ですが、ずっと雪山に囲まれて、のどかな放牧地が続き、この日は特に快晴とあって本当に気持ちがいいドライブでした。
サン・ベルナルディーノのICで降りて、すぐにあったガソリンスタンドで給油。前述の通りスイスの高速道路は料金が年払いだから料金所を建てる必要がない。だから日本でいうサービスエリアも普通に一般道に降りる形のものが多く、高速道路だけに付随したSAというのは少ない感じ。
海外でレンタカーを借りると迷うのが、このノズル。どれを入れていいのか分からなくなる。基本的にヨーロッパのガソリンスタンドはセルフで、併設するコンビニのレジにお金を払いに行くようになっています。さすがにD
(DIESEL)ではないだろうけど、95なのか98なのか……。
クソッ分からないっ!と思って給油口を開けたら、内側に黄緑色のラベルが貼られてあって、「95」と大きく書かれていました。助かったー。これはもう、日本のレンタカー会社も全部これやっておいてほしい。
ということで、サン・ベルナルディーノにやってきました。とはいっても、この時は給油のために昼食ついでに寄っただけなので、街の名前なんかは帰国後に確認して知ったのだけども。コンパクトなかわいらしい町。川沿いに無料駐車場があったので、車をそこに留めておきました。
たまたま見つけたホテルレストランで、ランチを食べることに。この辺りはイタリア語圏のようで、メニューはイタリア語のみで全く分からなかったのですが、いつものごとく何となくこれかなという料理を頼んでみたら、すごく美味しそうな料理!
鶏肉のムニエルだったと思いますが、お肉もソースも付け合わせもどれも美味しかった。普段は自分からは野菜を食べない長男も、この料理の野菜はどれもあっという間に完食。めちゃくちゃ美味しかったらしいです。
給油と昼食に寄っただけの町なので、特にやることはないのですが、のどかな上に標高も高いから本当に空気がおいしくて、街中をぶらぶらするだけでもすごく気持ちが良かったです。
ちなみにこのあたりは、今は高速道路が通ってすぐに通過できるものの、それ以前は山々に阻まれて交通の難所だったらしく、また神秘的な谷や湖なんかが点在していて、登山やハイキングには最高のロケーションなんだとか。
さて、再び高速道路13号線に戻って、今日の宿泊地であるベリンツォーナまで南下していくことにします。あと70kmぐらいなので1時間ぐらいでしょうか。でもここからはかなり険峻な山ばかりで、高速道路も急カーブが多くなっていきました。アルプスにどんどん近づいていきますね。
* *
さて、今回はサン・ベルナルディーノで長男とランチを食べた話が出てきましたが、海外のレストランに子どもと行った時に、どう注文するかという話を。
この時点の長男は6歳で幼稚園児ですが、私は子どもが小学2年生ぐらいの時までは、親の一皿をシェアする形にしていました。つまり、私が一皿で子ども用の一皿をそれぞれ注文する、という形にはしないということ。
というのは、7歳ぐらいまでの子どもは「これを食べたい」と言ったから出しても「やっぱりいらない」という心変わりがよくあって無駄が多いからです。私は美味しいからと子どもの余らせたものもつい食べてしまうのですが、当初はこれをずっとやっているうちに親の体重が激増してしまいました。
また海外では日本のファミレスなどのように、「お子様ランチ」的なメニューってほとんどないんですよね。
だから親と一皿をシェアして、足りなければ次の一皿を注文する、というようにしていました。私は料理の写真は撮るので、料理はまず親のほうに置いてもらって子どもには待ってもらい、撮ったら分けるという感じ。
この辺りはイタリア圏だからシェアは普通の文化。ただフランス料理や高級店などだと、シェアしにくいと思われる方も多いかもしれません。でも7歳児ぐらいまでの小さい子なら喜んで小皿を用意してくれます。ちゃんと子どもの分も一皿注文するのは、小3ぐらいからにしてました。どうしても気まずいと思ったら、子ども用の飲み物だけはオーダーするといいでしょう。
ちなみに今回の旅行では、注文した食べ物はどれも美味しくてシェアしても長男がほぼ食べていましたが、私は普段は昼食を食べない人間なので、シェアでちょうどよかったのです。
それにしても、海外のレストランで出てくるパンって、何であんなに美味しいんでしょうね。あれもついパクパク食べてしまって、後から実は有料だったという店も結構あったりしますね。
あと、子どもには「美味しい」の現地語は教えておくといいでしょう。ここはイタリア圏だから「Buono」。子どもから言われたら、店員さんも嬉しいし、店員さんが嬉しそうにしてくれると子どもも嬉しいのです。
ということで、「スイス子連れ旅行記」、好評のようでしたら、第5回へと続きます。
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「スイス子連れ旅行記」、第5回はこちらからどうぞ!
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