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⭐️WIMednesday Interview⭐️     #8 : Migiwa Miyajima

Women In Music Japanが音楽業界で活躍する女性を紹介する
⭐️ウィメンズデイ⭐️

第8回はニューヨークを拠点に活動する作曲家・ピアニスト・プロデューサー、宮嶋みぎわさん。
会社員の経験を経てからプロフェッショナルミュージシャンとして活動を始め、2012年よりニューヨークに移住されています。

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宮嶋みぎわ(みやじま・みぎわ)
作曲家・ピアニスト・プロデューサー

茨城県生まれ、上智大学文学部教育学科を卒業後、(株)リクルートにて住宅広告制作、ITエンジニア、旅行雑誌編集者、デスクを経験。2004年30歳で音楽家に転身、音楽大学に行かず独学でプロの道へ。プロ転身5年目にして、米国NYで51年の歴史を持つThe Vanguard Jazz Orchestraに見出され、同バンド日本ツアーを2009年より毎年プロデュース、2011年・2014年には副プロデューサーとしてグラミー賞ノミネートを経験している。2018年 自己の創作活動に集中するために同業務は引退。
2012年9月、文化庁新進芸術家海外研修制度・研修員として米国NYに移住、自らの楽曲を演奏するビッグバンドを率いるほか、世界的なサックス奏者Steve Wilsonなど他アーティストへの楽曲提供なども行っている。2017年7月、NYの老舗ジャズクラブBirdlandに秋吉敏子さん以来14年ぶりの日本人女性ビッグバンドリーダーとして出演、初公演を満員にし、業界を驚かせる。2018年NYの名門レーベルArtistShareに日本人作曲家として初参加、デビューアルバム「Colorful」を同レーベルより発表。2019年米国のジェローム基金によるジェローム・ヒル・アーティストの一期生に選出される。音楽を通じた社会貢献に強い情熱を持ち、プロデューサー、教育者、講演者、国際交流の推進者としても精力的に活動している。

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1. あなたにとっての成功とはどういう意味ですか?

成功という言葉は、人によって示す意味があまりにも違うので、私はあまり使っていません。なのでこれはお返事が難しい質問ですね笑

・音楽的にはとにかく死ぬまで成長したいので決まったゴールはないですし
・お金持ちになるのを成功だと定義する方も多いですが私はそうは思わないですし
・”いつもご活躍ですね”と皆様から言っていただく状況…それも一種の成功に見えるかもしれませんが、それはね、ソーシャルメディアにそう見せているだけなのである意味ウソですし笑

つまり、成功というのは、実態のないなんだか分からないものなので、目指すべきではないものだと思っています。自分で定義が分かっていないものを目指すほど危険なことはないですからね!走っているけれど、行き先が見えていないわけですから。

私が人生で目指しているのは
・音楽的な成長を止めないこと
・良い人間になり、自分の人生を通じて皆さんに希望や幸せをお配りすること
・自分も幸せであること
この三つだけのように思います。もちろん生活に必要なお金は要りますし、世の中に大きな影響のあるお仕事ができたら光栄ですが、成功するとかしないとかいう物差しでは一切物事を考えていません。

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2. あなたと同じように音楽業界で働きたいと考えている女性に対してどんなアドバイスがありますか?3つ教えてください。

アドバイスはないですが笑、個人的に大事だと思っていることはシェアできます。
1-自分は他人とは全く違う存在なのだと知ること
2-賢くあること&より賢くなることを常に目指さないといけないこと
3-専門ジャンルでは世界一を目指すべきであること
の三つが、私が大事にしていることです。

1は音楽家としていつか必ずぶち当たるポイントですね。自分に嘘をついていてもある程度までは音楽活動はできますが、どこかで行き詰まります。自分についてよーく知って自分を丸ごと音楽に入れ込まないとコレ以上進まん!という時期が必ず来るので、最初からそのつもりでいる方が良いですね。

2は成長したいならマストですね。正しい判断をするために&間違った時に即修正するために、私たちはいつも冷静で賢くないといけない…音楽家は自分で自分を制御しないといけない仕事ですからね。

3は別に人を蹴落とすとか誰よりもアルバムを売るとかそういうくだらない意味ではありませんよ。そうではなくて自分がプロであると宣言している以上その技術や専門知識についてはワールドクラスでいられるようにしなきゃだめ、そのくらい自分に厳しくありたいですね、という意味です。

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3. 仕事やプライベートでのどのような経験が今の成功に結びついていると思いますか?

私は自分を成功しているとは思っていないですが、皆さまが羨ましいと思ってくださるような体験ができている理由があるとしたら、ちゃんとした人間でいようといつも心がけてきたからでは?と思います。
私は真面目で勉強熱心でコツコツ努力するタイプなんです。それと”売り込み”をされるとされる側は大迷惑だと知っているので決してしません。人を出し抜いたり騙したりもしません。助けを求められたら必ず助けます。そういう性格を何があっても変えずにいたら周囲の皆さんが助けてくださって、今に至ります。どんなに優秀でも天才でも、人間である以上独りで大きなゴールを達成するということはまずまあ、ありません。大きなことを成し遂げている人はチームで働ける人や、人の助けを受け入れられる人だけだ、というのは、知っておくと良いことかもしれないですね。

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4. あなたが経験した中でも大変だった事を教えてください。

アメリカと日本は尊敬の表現方法が違うんですね。なので、アメリカ人ミュージシャンと仕事を始めたばかりの時、尊敬を込めてやったことが物凄く失礼なことと取られて相手に叱られたり嫌がられたりしたことがありました。これは辛かったですねー!かなり泣きました苦笑

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5. その経験で得た一番の学びは何ですか?

自分の知っている世界なんてちっぽけなんだ!私が常識だと思っている世界の外側にもっともっと広い世界があるんだ!と痛感したことです。

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6. あなたが今住んでいる地域で音楽に携わる女性達が直面している一番の課題は何だと思いますか?

ニューヨークにも女性に対する差別、偏見、セクハラなどはもちろんありますが、正直日本よりマシです。日本の方が社会の中で女性に対する無言の圧力がすごいですよね。かなり問題のある社会だと思っています。女性は静かに黙っていろ、男性に従え、飲み会ではグラスが空いたらつげ、などなど。重い荷物を持つとか席を譲るとかいった”男性が女性を守る”行為もほとんどないですしね。

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7. 誰からインスピレーションを受けますか?その理由は何ですか?

誰からでも受けますよ!生徒さんからでも、街中で出会う子どもからも、ジャズ界のレジェンドからでも!インスピレーションというのは、自分の側の受容器さえ作動していれば、いつでもどこでも何からでも誰からでも受けられるものではないですかね。

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8. 来年の目標は?

今年大きな賞を頂いたので、メディアに少し注目していただきやすくなったかと思っています。この機に、以前から続けているキャリア形成についての講演を増やせたらいいですね。(メディアに出る回数が増えると講演って増えるんですよ!)
私は脱サラして音楽家になっているし、別の国への引越しもしているし、キャリアパスが面白いのでね、そのことを話して!というご依頼が以前から多くて、中高生向けから大人向けまで色々やってきているのですよ。

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9. Women In Music Japanの活動に興味はありますか?

とってもあります!海外で暮らしていることで、日本の女性が自己肯定感が低い方が多いことに気づき(これは私が感覚的にそう思うだけでなく、統計でも出ているそうです。)ここ何年かずっと、日本で女性がいきいきと活躍していくために役に立てることはないかしら、と考えてきました。女性ミュージシャンたちが日本でのびのび自分らしく活動していくために、何かお手伝いできるようなことがあったらいいなと思っています。

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10. あなたの最終目標とその為の次のステップを教えてください。

人生で目指していることは上に書いた通りです。多分これは一生変わりません。良い人間になって周囲に幸せになっていただきたい…できる限りそれを音楽でやりたいから音楽力を向上させるべく努力しているわけです。
そんな中で今年やろうと思っている”ステップ”は、自己肯定感を高く保つために音楽がどう貢献できるか、の研究です。はい、意味わからないですよね笑 言い換えるとですね。
人が幸せな人生を送るためには、自分で自分を大切にできることがとても大事な訳ですが(自己肯定感)、音楽でそれを手助けするためにはどーしたらいいのかなぁ?というのを研究して、私の音楽を通じてやりたいんです。
あーいい音楽聴いたなー!とコンサートの後に思うことはあっても、”私、自分を認められるようになった気がする”とはなかなかならないでしょう?そのうわべだけ感がなんか、嫌になっちゃったんですね最近。音楽はもっと人を助けられるのでは?と思い始めて。なのでこれを今年の研究テーマにして一月から色々調べたりやってみたりしています。

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