濡れた本を冷凍庫へぶち込んだ話
昨日の大雨で、本を濡らしてしまった。
朝、通勤中に夢中になって読んでいたから、会社の最寄り駅に着いたことに気づかなかった。「あ」っと思って、リュックの外ポケットにぽいっと突っ込んで電車を降りる。
それがいけなかった。
帰りは、電車の中でぽちぽちnoteを書きながら自宅に向かう。ホームを降りて改札を出ると、土砂降りの雨だった。私は朝の天気予報で雨が降ることを知っていたから、折りたたみ傘をリュックから取り出す。
だけど雨は、思ったよりじゃんじゃん降りだった。ばちばちばちぃっ! と折りたたみ傘が破けるかと思うほどの雨。
家に着くまでに靴は浸水していたし、折りたたみ傘に入りきらなかったリュックの外ポケットも濡れていた。
外ポケットも濡れていた。
そこに本は入っていた。
ひぃぃい! 濡れてる! 本が! 濡れている!
リュックを降ろして、本が入っていたことを思い出す。
本好きの一大事。まだ読みきってないのに、ふにゃふにゃに波打ってしまっている。濡れてしまったのは文庫本なのだけれど、文庫本はページが薄く、中古だったのでちょっと黄色い。ページが濡れるとかなり変色するし、何より後ろのインクが写ってしまって読めなくなってしまう。
やばい! どうしたら!?
すぐにスマホを出して、「本 濡れた」と検索する。
冷凍!? 意味がわからない! だけどすぐに対処できそう!
そう思って、すぐさま本を冷凍庫に入れた。ふぅ~と一息ついて、あ、と思い出す。
靴、浸水してたんだった。私はびちょびちょの靴下のまま、玄関から冷蔵庫まで跡をつけてしまった。こういうこともある、と心を落ち着かせる。
それからご飯を食べて、お風呂に入って、髪を乾かす。そして寝る前、冷凍庫を開けてみた。かちかちに冷たくなった本が出てくる。
これで正解……なのか?
もう一度だけ、同じ単語で検索をかける。
ひぃぃい! ジップロック! 24時間以上!
全然何もわかっていなかった。自分が本を大切にしたいのか、本をいじめいたのかわからなくなってきた。
ちょっと遅いかもしれないけど、とりあえずジップロックにいれてもう一度冷凍庫の中へ。そして今日は、③の重しをのせた状態にしている。ここから5日間以上かかるらしい。
ああ、早く続きを読みたいのに……。
そう、重しにしている本たちのいちばん下にいる文庫本に思いを馳せる。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。