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【短編】宇宙人だって怖いんです
またはじまったよ……。
真島健吾は、ランドセルを背負いながらため息をついた。
「だから宇宙人なんていないって!」身体と声が無駄に大きい少年が叫ぶように言った。
「いやいるね。宇宙はこんなに広いんだから」小学六年生にしては小柄な少年が言葉を返す。
最近流行っている、クラスでの宇宙人談議。最終的に喧嘩みたいになって終わってしまうのだが、今日もまた白熱しているようだ。
宇宙人談議が始まったのには
【短編】いつも凄いよな
浅倉はいつも凄いよな。
浅倉慎吾は顔をあげた。柔軟体操を終え、バスケットシューズの紐を確認しているときだった。
慎吾に声をかけたのは、バスケ部部長の六平健太郎だ。慎吾より背は低いが俊敏で、巧みなパスに定評があった。
「そんなことないですよ」慎吾は謙遜ではなく、思ったことを正直に口にした。
いやいや、そんなことはない、と健太郎は笑った。「一年で浅倉ほど上手い奴はいないぞ」
「そうですか。早川
【短編】打倒すべき相手
「実は、彼女ができた」
高浜明彦のスプーンから、学食のカレーがぼろっとこぼれ落ちた。「うわっ」あわてて白いカッターシャツに目を向けた。さいわい、カレーははねていない。
目の前にいる友達……桜木幸司は、大きな身体を丸め、恥ずかしそうにしている。高校に入ってできた友達だが、豪胆で知られる柔道部員のこんな姿を見たのははじめてだ。
「え、何で?」明彦は間抜けな返事をしてしまう。
「俺の方から、つきあっ