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フェリエールの鏡翳

昨年発売されたsheeploreのアルバム"フェリエールの鏡翳"について今更ながら簡単なレビューを書いていこうと思う。コンセプトは"Moon Poetry"。リビドウについて表現した作品となっている。なお、このレビューは2019年に発行されたZINEに基づいて感想を書く非常に簡易的なレビューとなることをあらかじめ書いておく。 01.Entropy 月との融合を描いた曲。エレクトリックピアノで始まる、かつてのsheeploreからは考えられないサウンド。この曲と同名のカクテル

    • 残存/寫眞館ゼラチン・sheeplore

      2/14に寫眞館ゼラチン氏とsheeeploreの共作"残存"を購入した。 "残存"はCD付き写真集。台湾にて開かれた寫眞館ゼラチンの個展で展示された作品と、そのバックグラウンドミュージックに使われたsheeploreの音楽作品を合わせて販売されたものだ。音楽と写真と、わたしはバラバラに鑑賞したが、完全に二つが一つに結びついていた。新鮮で、そして大変美しい作品だった。  写真は全てモノクロ。フィルムで撮影、現像時には暗室で筆を使って絵を描くように画像を浮き出す作業を行って

      • Yesode e.p./sheeplore

         純粋なバンドサウンドの曲が多かったsheeploreが、シンセサイザーを加えて新たな一面を見せている。  今期のコンセプトは「Moon Poetry」。  表題曲の"Yesode"はピアノを中心としたエレクトリックなサウンドでリズミカルな一曲となっている。短調のAメロ、Bメロからサビに向かって明るく抜けていくのが心地よい。  "Lunatic"は、ピアノと歌を軸にした構成となっているが、シンセサイザーやギターの音色により優しい広がりのある曲だ。ちょっぴり変則的に感じるドラ

        • ハルトカナ/パスワードの人

           9/29のライブにて手に入れたパスワードの人のアルバム「ハルトカナ」。 ライブでは視覚的に驚くパフォーマンスが多かった彼女たちの音源は、単純に言えば、"どポップ"であった。   基本的にはピアノの和音で刻まれるリズムを軸とした曲が殆どだった。  歌声から表情が窺えるような"柑橘ポルノ"。男女混声で成される美しいメロディの"いないいないおばけ"や"トミーとミイ"。一見ばらついたような印象を受けるが独特の拍の取り方で不思議にまとまる"死体にキッス"など、一言でポップスといって

        フェリエールの鏡翳

          9/29 sheeplore@大塚Hearts Next

           あらゆる楽器を演奏する4人のメンバーと、ドラム、VJのサポートが加わった6人体制のバンド。前方の三名はそれぞれシンセサイザーやサンプラー等とギターを手にしていて、曲によってどちらを演奏するのか(或いはどちらも演奏するのか)が変わる。後方のベーシストはベースの他、タンバリンやシェイカーを曲によって手にするマルチなバンド。わたしの大好きなバンドだ。  最近は鍵盤の音を中心としたホーリーな雰囲気の曲が多い。しかし2曲目に演奏した"Yesode"は打って変わり、打ち込みのドラムとエ

          9/29 sheeplore@大塚Hearts Next

          9/29 tegakiLIFE@大塚Hearts Next

            女性ボーカルの4人組バンド。力強い演奏を見せてくれた。 曲は良い意味でアニメソングのような感じ。演奏姿は例えるなら泥付き人参のようだった。保身が全くない。本当の意味で全身全霊、一心不乱に演奏していた。  ボーカルの方は終始笑顔で歌を歌っていた。ライブをとても楽しんでいるように感じた。「tegakiLIFEは出来るだけみんなの近くにいたい、無力かもしれないけれど」という言葉にひどく心を打たれ、涙が出てしまった。わたしも無力だけど好きなバンドに力添えしたいという気持ちで音楽レ

          9/29 tegakiLIFE@大塚Hearts Next

          9/29 パスワードの人@大塚Hearts+

          ボーカル、キーボード、ベース、ドラムのギターレス編成の4人組。 ギターがなくても肉厚なサウンドで、4人の持てる力を最大限使って表現する独特の世界観があった。  ボーカルはほとんどピンボーカルで、コンテンポラリーダンスのような動きをしながら歌っていた。バンドのライブでここまで視覚的にインパクトを与えることが出来るのはすごい。  また鍵盤の方の高度なテクニックにも魅了された。片手で和音のリズムを刻みながらもう片方の手で曲の裏メロの役割を果たすメロディを奏でていたり、サティのジム

          9/29 パスワードの人@大塚Hearts+

          9/29 ノクターン@大塚Hearts Next

          9/29、大塚Hearts+および大塚Hearts Nextで行われたイベント「ONYOKU」にて。 男性ギターボーカルと女性ドラムコーラスの二人組バンド。 力強いポエトリーリーディングや澄んだ歌声、それに重なるコーラスが美しかった。「今日もまた生きてしまったよ」「窓ガラスに映る自分が苦しそうで」等のポエトリーリーディングからは切実な思いを感じた。  変拍子の曲が多く、数えられる限りで3,4,5,6,7,9拍子が出てきた(もしかしたら間違えているかもしれない、きちんと数えら

          9/29 ノクターン@大塚Hearts Next

          音楽レポートをします

           はじめまして、内臓と申します。唐突ですが、今日から音楽レポートを始めます。  わたしは普段好きなバンドからたくさんのものをもらっています。それは元気だったり頑張りたいなという気持ちであったり、或いは一種の動揺であったり様々です。こういったものがわたしの手元に届くのは、バンド側が伝えよう、魅せようという気持ちをきちんと持って演奏していてくれるからだと思っています。そういう気持ちにわたしは観客として答えられているだろうか、あちらが本気で聴かせようとしているものを本気で受け取って

          音楽レポートをします