Yesode e.p./sheeplore

 純粋なバンドサウンドの曲が多かったsheeploreが、シンセサイザーを加えて新たな一面を見せている。

 今期のコンセプトは「Moon Poetry」。
 表題曲の"Yesode"はピアノを中心としたエレクトリックなサウンドでリズミカルな一曲となっている。短調のAメロ、Bメロからサビに向かって明るく抜けていくのが心地よい。
 "Lunatic"は、ピアノと歌を軸にした構成となっているが、シンセサイザーやギターの音色により優しい広がりのある曲だ。ちょっぴり変則的に感じるドラムのリズムに、柔らかいミックスボイスで歌い上げられるロマンチックなメロディが耳に心地よい。「世界は狂っているから 穢れのないあの月へと帰ろう 手を繋いで そして死ぬまで愛して」というある種狂気的にも感じられる歌詞が切実に訴えかけてくるように感じて、胸をぐっとつかまれた。
 "ニヒルの椅子で"は昨年発表されたアルバム"オラドゥールの幻燈"より再収録されたもの。各々に動く二本のギターの旋律が絡み合って一本の旋律に編み上げられていくのが美しい。後奏で様々なボーカルが泳ぐように織り交ぜられているのは、まるで幽霊の浮遊のようで、当時のコンセプト「"Flow My Tears",The Ghost Said」を思わせる。


 昨今の曲を厳選して作られた6曲入りのこのCDは、現在タワーレコードの渋谷店のみで取り扱っているとのこと。販売期間が未定のようなので、気になる方には是非早めに入手していただきたい。

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