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音楽・コーヒー・クルマ。読書や美術など… さまざまな分野を通して、一人のへっぽこが自分…

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音楽・コーヒー・クルマ。読書や美術など… さまざまな分野を通して、一人のへっぽこが自分のきもちを見つけるものがたり

最近の記事

この世は美術で溢れている ーカルダー展を見てー

コーヒーを飲み歩いていると、素敵なお店にたくさん出会う。 そして、素敵なお店というのは味が美味しいだけでなく、美しい空間を伴っていることが多い。 良いものに出会った時、いかにその良さに反応できるかは、実は味わう側の感受性も試されている…気がする。 そんな感受性を刺激してくれそうな展覧会を見つけ、鍛えるために麻布台ヒルズギャラリーまで足を運んだ。 今回の主役であるアレクサンダー・カルダー(1898〜1976)はアメリカの彫刻家で、機械工学を学びエンジニアを経験した後に芸術

    • 「わからない」の強さ

      ありがたい事に、三十数回目の誕生日を迎えて、友人からおめでとうと今年も声をかけてもらえた。 この歳になると、もう割と本気で別にめでたくはないと思うが、友人が少ない私にとっては、今でも気にかけてくれる人がいるということは幸せな事だなとしみじみ思う。 と、同時に歳を重ねるにつれて"わからない"ことに恥を感じる場面も多くなった。 同級生達も力をメキメキとつけ、下からは立派な才能が次々に現れる。 そんな中で、自分が生き残るには分かることが多くないとあっという間に埋もれてしまう気がし

      • モネが見たもの ーモネ 連作の情景を見てー

        この度の令和6年能登半島地震で被災され、今でも避難生活等で大変な思いをされている皆様に、まず心からお見舞い申し上げます。 2024年は大変な幕開けとなりました。 新年の挨拶について思うと、どんな言葉にも「おめでとう」という意味を含むものがほとんどで、代わりの言葉が見つからない事をとても残念に思います。 一刻も早く、全ての皆様が「あけましておめでとう」という気持ちを持てる時が来る事を祈っています。 どんな物にも、表と裏があります。 今回の地震では、ここ最近ではありえなかった

        • 魔法使いの先生

          ある絵画の展覧会へ赴いた。 連休最終日だと言うのに朝から激しく雨が降り、季節の変わり目特有のムワッとした暑さが身体を包んだ。 その何とも言えない不快感を、僕は体感だけでなく心の中にも潜めていた。 展覧会には、僕が小学生の頃に担任だったK先生が絵を出している。 僕は昔からK先生の絵が大好きで、先生が黒板に書くただ一本の線すら力強く、まるで魔法を使っているようだと思っていた。 どうしたら自分もあの線がかけるものかと、魔法使いの弟子さながら、紙にひたすら線を引いていた程だった。

        この世は美術で溢れている ーカルダー展を見てー

          9年付き合った彼女にフラれた。

          20代のほとんどを共にした彼女だった。 いわゆるフリーで仕事をしていかなければならない職種である僕たちは、大変なこと、やるべきこと、わからないこと、わかること色々を共にしてきた。 力になれることは基本的になんでもしたいと思っている僕は、自信をもって”惜しみなく”言葉にし、行動にしてきたつもりだ。 しかし、30代になって自分たちそれぞれのやり方が確立されてくると、もっと広々と色々な事を試したくなるものだろう。 いや、何かを変えたいと思った時、そうしなければいけないだろう。 き

          9年付き合った彼女にフラれた。

          コーヒーの違いがわかるようになる方法

           私はコーヒー屋さんでもなければ、飲食関係の仕事をしているわけでもない、いわばコーヒーについてはど素人です。  そんな私に本当に「コーヒーの違い」がわかるのか?  結論から言うと、わかるし、わからない。  それってつまりどう言うことなのかを探りながら、「コーヒーの違い」に迫ってみようと思います。 なぜコーヒーを飲むのか  おそらく、この文に目を通してくださっている方の大半は、コーヒーの違いを理解して、それが良いコーヒーなのか、そうでもないコーヒーなのかを判断できるように

          コーヒーの違いがわかるようになる方法

          ミモザが好きになった日のこと

           まだ少し肌寒いある晴れた日のこと、一仕事終えた私と連れは、休息場所を探して歩き慣れぬ街をフラフラと歩いていた。  かなり急な丘を登ったところに、木々茂る公園とそのふもとに佇むカフェを見つけた。隠れ家的な佇まいに惹かれた私たちは、そこで暖をとることにした。  こじんまりとした扉を開けると、洒落た帽子を身につけた初老の夫婦が働いている。  丘に沿うように建つ中二階建てで、空に続くようなこれまた急な階段を持つ店内はとても小さく、我々は言われるがまま一階席に腰掛けた。  コーヒー

          ミモザが好きになった日のこと

          珈琲を通してレトロの正体を探る

           「平成レトロ」という言葉が流行り始めた昨今、平成初期生まれの私としては予想より早い言われように「レトロな味」が少しでも自分に備わって来ているのだろうか、と焦りを隠せない。 しかし、人々がレトロという言葉を使って昔を懐かしみたいという気持ちは、私にもわかる。 外出が制限・自粛傾向にあっても、喫茶文化がじわりじわりと流行しているのは、その証拠なのではないかと思う。 珈琲への興味  私が珈琲に興味を持ったのは、紛れもなくそこから古い雰囲気を感じたからだ。 転じて、その苦い液

          珈琲を通してレトロの正体を探る

          隠れた月から現れた思い

          2022年11月8日火曜日。 今日は、皆既月食が起こる日だった。 月食とは... 特に、今回の月食はただ月が暗くなるだけではなく、月食中の月の裏に天王星が隠れるという、「天王星食」という現象が起こり、これが実に442年ぶりということでいつも以上に注目を集めた。 朝からテレビやラジオではそのことが伝えられ、詳細な月食の時間と、今日の日本の天候は観測するのにとても良い条件であることも付け加えられていた。 当の私は、月食の時間である19:00〜20:30で見事に用事が丸かぶ

          隠れた月から現れた思い