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宇多田ヒカルの孤独と「安心な居場所探し」からの脱却

6月30日に放送された、宇多田ヒカルのNHK『SONGSスペシャル』は、とてもよかった。

ピース又吉との対談の中で話されたのは、彼女にとって「家族」というコミュニティが普通の人とは違ったものであったということ。

特に母親である藤圭子が本人曰く全く「油断ならない」というか、予測のつかない人だったらしく、彼女にとって、家族とは決して「安心なコミュニティ」ではなかった(だろうね~とは思ったw)。

「明日、ニューヨークに行くから」→即引っ越し

「もうお父さんとは会えないから」→即離婚

そんなことの繰り返しな日常は、彼女には絶えず緊張と驚きのある毎日だったろう。それに振り回されないようと必死に生きてきた少女宇多田ヒカルが辿りついた境地がこれだった。

「安心したら傷つく」「何も信じないようにしよう」

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だからといって絶望しかないわけではない。

そう思うことは、彼女なりのリスク回避であって、決して「安心したくない」「誰も信じたくない」というわけではない。だからこそ、彼女が作り出す歌には「願い・祈り・希望」が込められているという話は、鳥肌が立った。

なぜなら、この宇多田ヒカルの言う「安心できない社会」「信じてはいけない社会」がまさにこれからやってくる「個人化する社会」でもあり、私たち全員が今後生きるために必要な考え方でもあるからだ。

勘違いしないでほしいのは、ここでいう「安心できない」「信じられないい」のがディストピアなんじゃなくて、そうしたリスクを前提に考えることこそが自立への第一歩という意味です。

親に安心しきっていたり、学校や会社にまかせっきりだったらそんな考えは出てこない。かつての強固な共同体に支えられていた安心社会はそうでした。でも、それって完全なる親依存・学校依存・会社依存なんですよ。それはもはや自立とは言えない。

親依存が悪いわけではありません。子どもの頃はそれでいい。しかし、彼女の場合は、既に子どもの頃からそういう考えに達する環境に置かれていたということです。

それはアメリカ生活という環境もあるだろうし、他人の目を気にしない同調とは無縁の母親と一緒だったことも影響しているでしょう。そうした環境が、図らずも彼女の「ソロで生きる力」を誰よりも早く目覚めさせたのではないかと思う。


もう一人の対談相手は、ライターの若林恵さん。そこでも、彼女の抱える孤独感が吐露される。

「常に外部者だった。どこにも属していない」

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学校においても、デビュー後多くのスタッフに囲まれていても、彼女は「どこに行っても所属感のない孤独」という感覚だったのかもしれない。

しかし、また、この孤独感も、

※ここから先は有料ですが、拙著「ソロエコノミーの襲来」にも同様のことを書いています。

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宇多田ヒカルの孤独と「安心な居場所探し」からの脱却

荒川和久@「結婚滅亡」著者

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