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2023年12月の記録

早いもので2023年が終わろうとしています。4月からスタートしたnoteので活動記録も何とか年内継続できました。12月はほとんど出張もなかったのですが、イベントに来客にと忙しい月でした。


イベント

ICT行動変容研究ユニット・オープン研究会開催

2014年くらいから、行動変容支援システムに関する研究を始めたわけですが、昨年から九州大学内にICT行動変容研究ユニットと呼ぶ研究グループを形成しています。人の行動を変えるためには、情報技術だけではなく、心理学や医学、経済学など様々な分野の研究を組み合わせる必要があるため、横断的な研究仲間を作ろうというのがこのユニットの趣旨です。日本最大面積を誇る伊都キャンパスを実証実験の舞台として活用するのはもちろんのことですが、企業や自治体での実験も重要となってきます。

そこで、参画研究者やその学生たちの研究成果を広く紹介する研究会を開いてみようということになり、12月に芸工キャンパスをお借りして、開催しました。おかげさまで70名近い方に参加いただき盛況に終わりました。

プログラムの詳細は、https://www.ict-bc.ait.kyushu-u.ac.jp/activities/open2023 を御覧いただけるとわかるのですが、かなり多様な研究が集まりました。行動変容と言っても本当に色々な切り口があるのだなと実感します。

学生によるショットガン発表&ポスターセッションも好評でした。

DX推進本部・第7回研究会

池田先生や岸本先生をお招きして、いとしま免疫村の構想についてお話を聞きました。何でも免疫と繋げて考えられるんだなと勉強になりました。

国際交流

今月は海外からのお客様が多く、国際交流が進みました。

韓国

私の研究室の先輩である千葉大・関屋教授からの紹介で、釜山大学からWon-Joo Hwang先生Kim Jong-deok先生Younghwan Yoo先生が来学されました。AIとIoTを組み合わせた研究に関して、2030年までの大型ファンドに採択されたそうで、国際連携を今後深めていきたいとのことでした。釜山大学は、福岡から見て、最も近い海外の大学で、研究室のチョイ助教も、釜山出身で、釜山大で修士号を取っているため交流したいねと話していた矢先の話でして、大変良いタイミングでした。Hwang先生は、阪大で学ばれていたため日本語も堪能ですし、何より、共通の知り合いが多く、大いに盛り上がりました。

1月末に別府で開催される国際ワークショップに参加されるということで、帰りに、Deanも福岡にお立ち寄りいただけることになりました。また、2月初旬には今度は我々が釜山大に伺うことになりました。

フランス

フランス・ポー大学場所)から、Christian Sallaberry先生と,Bessagnet Marie-Noelle先生が2週間滞在されています。ツーリズムインフォマティクスが専門で、現在、弊研究グループでポスドクをしているLandyが以前ポスドクをしていたという御縁で繋がっています。ちょうど、NICT委託研究で、観光データ分析をしていたため、ディスカッションは大いに盛り上がりました。

3月のPerComでフランス・Biarittzに行くのですが、その話をしたらPauは隣町くらいの感じということで、1日滞在を増やしてPau大学にも訪問させてもらうことになりました。よく見たら、PerComのローカルアレンジ担当Philippe Rooseさんは、Pau大学のChristian&Marie先生のグループとのことで、御縁が繋がった気がしました。

ドイツ

9月のABC2023でドイツに訪問した際に、教え子の教え子(孫弟子的な)となるAnkur Bhattくんが日本に留学するので、福岡にも来たいと言ってくれていて、本当に来てくれました。インドからドイツに留学し、さらに日本にも留学し、研究を頑張るバイタリティは凄いなと思います。軽く研究発表をしてもらい、こちらのラボを見てもらい、ランチまで。短い時間でしたが、楽しいひと時でした。

講義で後輩たちの講演

後期は、2年向けのオペレーティングシステム、3年生向けの分散システムという2つの講義を担当しています。この中で、各1回ずつ外部講師を招いていまして、前者はGoogle 8年目となった山本くんに長年担当してもらってます。後者は昨年はクアンドの下岡さんだったのですが、今年はPFNの清水くんに担当してもらうことにしました。二人共、私が0期生として立ち上げた慶應大学・山中研究室の後輩です。

山本くんは、エピソードが面白いのですが、話したいことが多すぎる&ペース配分ができないというところから、毎年進化し、今年はQAまで到達できるようになりました(パチパチ)。講義デビューの清水くんは、1年目の山本くん状態でした。意外と、90分、興味を持って聞かせるのは難しいんですよね〜。学生たちには、技術的な話だけではなく、キャリア的な部分で何かを得てほしいなと思ってます。来年もこの2人で継続ですので乞うご期待。

研究室

IEEE Internet of Things Journalに採択

D2のAyatくんの論文がIEEE Internet of Things Journal (IF=10.6)に採択されました。この研究は、7月のIEEE MDM2023のデモを考えていたときに出てきたアイデアで、エッジ端末の性能がバラバラな環境において、プライバシーを保護しながら効率的に連合学習に行う手法に関する研究です。個人的にもこのようなハイレベルなジャーナルに採択されたのは初めての経験で、良い記念になりました。

IEEE ACCESSに採択

こちらは、D3のHuangくんの論文で、自動運転車両のパスプランニングに関する研究です。特にカーブ形状の道路において、障害物の回避と乗り心地の両立を図るパス計算アルゴリズムを提案したものです。Huangくんは、この半年で2本目のIEEE ACCESS (IF=3.9)採択です。凄い!

阪大で発表 & 神戸で実証実験開始

長年取り組んでいるグループミーティングの定量化について、大阪大学で開催されたiLDi拠点会議で発表しました。今年は、実際の企業の会議室にも設置できるように、実用性に力を入れてシステムを開発しています。簡単に設置でき、簡単にデータが取れ、プライバシーやコンプライアンスの問題がない会議室のセンシングを目指してます。

今回の内容は、DPSWS2023やIoT2023、ICMU2023で発表したものになります。

そして、ちょうど、この日の午後、神戸のとある企業を訪問し、学生とともに装置を取り付けてきました。

情報処理学会IoT行動変容学研究グループ 第6回研究会(BTI6)で2件発表 & 受賞

今回は、Captive Portal(WiFiアクセスポイントに接続する際にポップアップしてくる画面)やスクリーンセイバーなど、普段よく見かける機能の中に説得文脈を組み込んだ研究を2件発表してきました。

スクリーンセイバーを用いた手法はありがたいことに研究奨励賞に選んでいただきました。

ICT行動変容研究ユニット・オープン研究会で優秀ポスター賞受賞

イヤフォンをセンサとして用いて、食べている食品を推定し、その結果をアートに反映させて食の行動を変容させるシステムを開発しているM2の大平くんが優秀ポスター賞を受賞しました。

ITS研究会・研究奨励賞受賞

11月に発表したITS研究会からもM2の斎藤くんが研究奨励賞を受賞しました。

EFC Awardで学生が受賞

福岡市が推進するEngineer Friendly Cityの取り組みの1つとして行われているEngineer Driven Dayに応募していた弊グループの学生が表彰を受けました。

チャレキャラで学生チームが優勝

上記チームは、九州アプリチャレンジ・キャラバンで、最優秀賞も受賞!

博士論文説明会

現在、研究院最多の博士が在籍している弊グループですが、2023年度は、早期卒業も含め、4名の博士が公聴会に向けて動き出しました。まずは、年内に3名の論文説明会。主査、副査の先生方に、論文を説明する会議から。

研究室忘年会

今年も1年お疲れ様でしたってことで、ラボの大忘年会。人数が多いのと、飲み残しのアルコールが大量にあるということで、今回も研究室内開催です。やっぱりラボの中にバーカウンターを設け、イベントスペースを大きく取っているのは大正解。卒論・修論まであと2ヶ月。頑張れ〜。

その他

熊本の未踏的人材発掘プロジェクトIPPOの発表会に参加

12月は #福岡未踏 のイベントはないのですが、熊本IPPOで中間発表が開催されるということで、福岡未踏採択者を引き連れて遊びに行ってきました。

IoTII総会

地方大学の弱みとして、共同研究でもしない限り、企業の人と接点がないというのがあります。教員にとっては、国プロなどに応募する際にすぐに声をかけられる仲間がいない、学生にとっては社会人に触れたり、IT企業での気軽なノリのインターンがない(就活サイトから申し込むお決まりのインターンしかない)、というのが都会との違いです。そうした状況を打破するためには、待ってても仕方ないと思って、もっと企業の人たちが九大に立ち寄れる仕組みを作りたいなと思って始めたのがIoTII(IoT INNOVATION from Ito)です。

東京、大阪、北九州、福岡の、気の合う企業の方々が集まっていただき、アイデアソンをやったり、私の講義に評価委員として入ってもらったり、学生向けインターンをやってもらったり、アプリコンテストのスポンサーになってもらったり、色々な活動をしてきましたが、2023年は何と言っても、福岡未踏です。

公募期間が2週間程度、採択後も事務局の立ち上げ、実際の運営など、一人では到底できない取り組みができたのは、IoTIIの下地があったからに他なりません。今年の活動は、未踏だけで手一杯という感じだったのですが、また次年度は、通常のイベントも復活させて、企業と教員・学生がもっと繋がって行く活動をしたいと思います。

九州大学・NTT技術交流会

毎年恒例の九州大学・NTT技術交流会に参加してきました。確か、昨年は私が講演した(すでに忘れている)のですが、今年はお友達の岡安先生。IT農業に関する講演でした。NTT側は、昨年講演された古閑先生と共同研究が進んでいるプラズマ農業。どちらも面白い。

この会が良いのは、懇親会を九大卒の若手社員さんたちが仕切っていること。全く接点の別の学科の学生さんたちですが、こうして就職して活躍している姿を見るのは何だかほっこりして嬉しくなります。

中国ビザ申請

年明け、中国・上海で開催される国際会議に参加することになり、ビザ申請。コロナを契機に、日本人もビザが必要となり、まだ解除されていません。ビザを取って海外に行くのは久しぶりですがやっぱりめんどくさい。

年末休暇

年末は休暇を取って、家族旅行でハウステンボスに行ってきました。ほぼ目的はイルミネーションを見ることだったのですが、意外にも色々アトラクションもあって、丸一日楽しめました。帰りは、長崎まで足を伸ばして、社会科見学で出島、中華街、オランダ坂、グラバー邸と定番を回って帰宅。


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