一人焼肉という瞑想法。

ヨガのレッスンの時に、いつも言われることがある。

「自分の呼吸に耳を澄ませてみましょう。そうすると集中しやすくなります。」

雑念にまみれた人間たるもの、ただ「無」になろうとしても難しい。

だから、「無」になるのではなく、「呼吸」という一点に的を絞ってみる。それだけで、余計なものがそぎ落とされるというわけだ。

だから私も、耳を傾けてみた。肉の呼吸に。

画像1

※は?と思うだろうけど、ちなみに言っておくと、某鬼のアニメは見ていない。

じゅ〜っ

肉の焼ける音(ここでは呼吸という)に耳を澄まし、焼き上がりの色をじっくり観察する。

ここだっ!というタイミングでひっくり返し、今じゃっ!というタイミングで網から引き上げる。

この一連の流れを追う私には、一分の隙もなかった。太陽礼拝ならぬ、焼肉礼拝。

そうして8枚の肉を焼くうちにどんどん焼くのが上手くなり、最終的にベストな焼き具合の1枚でランチを締めくくることができた。

「自分にとって心地良いものを選ぶことが大切」

これもまた、ヨガでよく言われることなのだが、焼き加減を見極める作業は、まさにこの言葉に通ずる精神ではないか。

そうか、一人焼肉って瞑想だったんだ…!と、すべての点が線になり、悟りを開いた昼下がり。

すべてのきっかけをくれたのは、他ならぬソロ活女子の五月女さんだった。

冒頭の一人焼肉。
「とりあえず塩タン」「焼肉はカルビ」
あらゆる「焼肉あるある」に疑問を呈し、それって自分にとって本当に心地良いの?と見つめ直す五月女さん。

「自分を大切にする」って、きっとそんな、小さなことの積み重ねなんだと改めて気付かされる私。

「みんな」を否定するわけではなく、対抗するわけでもなく、「みんなもいいけど、一人もいい!」と丸ごと愛しちゃう五月女さんの姿がとっても魅力的なドラマだった。

だから来週も見るし、自分を空っぽにしたくなったら、また一人で焼肉礼拝に勤しもうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?