見出し画像

外食産業を救うのは日高屋かもしれない


今や外食産業は飽和状態と言っても過言ではないだろう。

都心に住んでいれば、行く先々でかなりの外食店を目にするし、なんならこの国はもう外食産業カンパニーに支配されている。
なにも批判する意図は全くないことを理解してほしい。むしろ1人暮らしなのに自炊が面倒と投げ出す筆者にとっては、感謝の念を禁じ得ないのである。

サンキュー、外食産業。

しかし最近は店舗なりジャンルなりが増えすぎてしまい、何とかして顧客を獲得しようと、水面下での競争が激化している。
戦略なんぞ考えようにも、だいたいの人間は「低価格であること」「いつも通っているなんか高価なところ」しか行かないもんだから、戦略もクソもない。
個人的には「ぶっちゃけとにかく安けりゃいい」。安さで勝てなければ雰囲気で戦うしかないが。
外食産業において安さvs通いなれた高価さというのは最も大きな派閥であると言える。

タリーズvsスターバックス
ガストvsジョナサン
マクドナルドvsフレッシュネスバーガー

これらが具体例として挙げられる。ああなんてわかりやすいの。
しかし最近はやはり価格競争が激化しているため、単純に「安けりゃいい」「高くても慣れてるから、、、」なんて甘っちょろいことを言ってられない。
どこもかしこも次の戦略をとらねばならない。

そう、次世代はエンタメ性が求められるのである。

某夢の国を想像してほしい。あそこにおいても、あの圧倒的なエンターテインメント性にはみんな水のように金を流し込んでいく。
あそこがエンタメ性が高いと言われる所以は、「圧倒的な世界観」だろう。

つまり外食産業においても、他の入る余地のない世界観をぶつけてしまえば、次世代の競争に勝てるかもしれないのである。

さて、そんな外食産業におけるエンタメ性の高い店は既に存在する。
皆さんはご存じだろうか。

画像1

熱烈中華食堂・日高屋を。

ここはただの中華料理屋ではない。熱烈中華なのである。
ゆえに、彼らに競合他社は存在しない。熱烈中華は、他にはないのだから。
見えるだろうか、誇らしげに書かれたあの文字を。

もはや中華料理という枠を越え、熱烈中華という新ジャンルを開拓した日高屋、彼らの「世界観」の作りこみはもはやプロフェッショナルのそれである。

まず前提として、熱烈中華食堂・日高屋は外食産業カーストのド底辺に位置しているのは共通認識で相違ない。
行ってみれば”理解できる”。
客の民度、雰囲気、クオリティの3点、いや全ての点において粗あkーーーごほん、「味がある」のだ。


これだけは忘れないでほしいが、筆者はこの熱烈中華食堂が好きだしファンだしなんなら愛してる。車のライトを5回チカチカさせようと思えばさせられる。


そもそも筆者がなぜ熱烈中華食堂・日高屋をこんなに推しているか、それについて話させてほしい。

それは簡単だ。筆者は、盲目的に日高屋のファンなのである。

前々から、「日高屋はヤバい」と聞いていたが、筆者はそれを信じていなかった。
そんなある日、五反田の日高屋に赴いた際、”それ”を目の当たりにした。

客全員が終わっている状態。
それだけではない。白昼堂々と眠っている奴がいたのだ。一応飲食店なのに、睡眠。
ここまで全員で「日高屋感」が作れるものなのかと、感動し、めちゃくちゃ笑った。

そしてあくる日、フーモアでのミーティング帰りに銀座の日高屋に行った。

銀座の日高屋ですら、アレなのだ。
全てがヤバい、フロアの客全員タバコを吸っている、あの環境。

しかもふと壁に目を向けると、壁掛けの時計ーーーが、止まっている。
人様が訪れる飲食店の時計が、止まっている。

もう、、、もうホント、、、、最高?
日高屋は、どこにあっても、日高屋だ(五・七・五)という気持ちが押し寄せていた。それ以上もそれ以下でもない。

これらの経験以降、我々は日高屋の虜になってしまったのである

そして今回は、皆さんにも熱烈中華食堂を知っていただきたく、日高屋感の1番強い 熱烈中華食堂・日高屋 西新宿店に足を運んだ。

まず外観から見てみよう。

画像2


店内メニューの食品サンプルがずらり。

ンン?

画像3


なんだかおかしい。違和感を感じる。

画像4


なんだこの邪悪な色は。そら豆よ、お前加工されたってのにそんな姿になってどういう感情を抱くのか。
初っ端からかましてくる、そんな世界観。これぞエンタメ。

次に店内に入ってみる。
ちなみにこの西新宿の熱烈中華食堂は、喫煙フロアとなる地下が存在する。
この世のディストピアと名高い新宿の中でも生粋のディストピア・日高屋の地下喫煙フロア。

今回は筆者(見た目は輩)と同期(目が死んでいる)、弊社人事(職質されてそう)の3人で来店した。
店員が挨拶と同時に、我々を一瞥する。

コンマ3秒。

「地下に降りていただいて案内受けてくださ~い」

ザ・人を見かけで判断。
おそらくバレていたのだろう、我々が日高屋を楽しみに来ていると。
熱烈中華食堂のエンタメ性にハマってしまった我々を、彼らは見透かしていたのだ。
さすが、日高屋っぽい外見を”解っている”。

地下のフロアは半分ほどの席が埋まっており、もちろん全員ちゃんと喫煙している。
ブラックデビルのバニラフレーバーという、味も匂いもクソ甘く、飯処で120%嫌われるタバコを吸っている人間も存在する。

この民度、さすがとしか言いようがない。

席に着くにあたり、2人用のテーブルをくっつけて3人で座ろうとした。

「あ、すみませんここでお願いします」

指さされたそこは、壁沿いの2人席。

画像5


?????????
こちら3人ぞ???????

店員の言うことはゼッタイ、渋々席に着く。
もちろん椅子が足りないので、近くにあったテーブル席の椅子を拝借
ーーーしようとしていた、

店員が近づいてくる。

「すみません、その椅子使わないでください」

は???
困惑する我々に対し、店員は倉庫に入っていく。

戻ってきた店員の手にあったのは、椅子ーーーらしきもの。

画像6


出た。熱烈中華食堂の本気がここで出てきた。
こんな序盤から世界観の真髄を見せてもらって良いのだろうか…。

だんだん楽しくなってきた。もっとこの世界観に浸っていたい。

何だかんだ食事もとりに来ているため、色々頼んでみる。
言っておくが熱烈中華のクオリティは半端じゃない。全てが”それっぽい”。

とんこつラーメンのようなもの。
餃子のようなもの。
チャーハンはギリギリ、しかしたかがチャーハンのようなものである。

外観から予想される世界観をここまで崩さないあたり、本気度合いが違う。

今回我々は、おつまみの欄のセンターに堂々と位置していた”銀杏のオリーブオイル漬け”を頼んだ。同期が「オレ銀杏好きなんだよね」と宣うからだ。

これが、悪夢の始まりだった。

ちゃんとマzーーーーパンチの効いた味。

何コレ。銀杏のようなものにしては銀杏要素が1ミリもない。衝撃的だった。

味変を試みて、コショウ、ラー油あたりをぶちまけて食べてみたが、その味すら感じないほどよろしくなかった。

スマン、素直な気持ちが抑えられなかった。


これでもオブラートに包んだ、はずだ。

とある人物に例を求めたところ、「これは怒られかねないだろ」というような言葉が飛び出てきたのでこれは自分の胸のうちに留めておこうと思う。


重ね重ねお伝えしているが、筆者はこの食堂を批判する気持ちは全くない。しっかりファンである。

好きな子に意地悪をしてしまう小学生男子だと思ってくれて構わない。


甘ったるいタバコの匂いが充満しているなか、劣悪な椅子で、なかなかにクリティカルなモノを食す。
このエンタメ性、最高と言わずして何と言うのだろう。

こうして、我々の「熱烈中華食堂レポ」は大満足のまま幕を閉じた。
今の時点、エンタメ性という点においてこの店に敵うものはないだろう。

外観から分かる世界観、空気、そして観客と作り上げるグルーヴ感。
これはもはや、コラボカフェや某夢の国と張ると言っても過言ではないだろう。

熱烈中華、略して熱中、、、。
熱中か。
そうだ。
我々は、この熱烈中華に熱中してしまっているのだ。

だからこそ今後も、中毒性の高いこの熱烈中華食堂を推していきたい。

だがしかし、

画像7

画像8


熱烈中華食堂ではない日高屋は、絶対に認めないが。



文責:根本

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?