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寿司屋に行こう!

ー刺身に寿司に正露丸

サンマやサバなどに寄生したアニサキスを誤って食べると発症する「アニサキス症(アニサキスによる食中毒)」ー。激しい腹痛や吐き気を伴い、タレント・渡辺直美やお笑い芸人・山里亮太らが相次いでかかったことでも知られている。治療には内視鏡を使ってアニキサスを取り出すほか、場合によっては外科手術が必要になる。ただ、ここに来て、治療薬としてラッパのマークでお馴染みの胃腸薬「正露丸」が注目されている。アニサキスによる食中毒を気にする刺身・寿司好きにとって強い味方になりそうだ。

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良薬は口に苦し

ライブドアニュース

アニサキスによる食中毒に正露丸が効くー。そう言われても特段驚きはない。想像の域を出ないまでも、どこか効きそう気がする。あの臭いにあの苦み。体内に入ったアニサキスも、さすがにイチコロだろう。

個人的な体験でも、正露丸は実によく効く印象だ。過去に旅行先のインドで水あたりし、お腹がピーピーだったところ、この薬だけで回復した覚えがある。文字通り、「良薬は口に苦し」と痛感したものだ。

だから、アニサキスによる食中毒かもしれないとなった場合、個人的に正露丸を試して様子を見ることにするだろう。医師ら専門家がこうした"素人判断"を一番嫌うのはよく知っている。

エビデンス

ちまたでも、アニサキスによる食中毒に正露丸が効くのではないかという話は過去にもあった。正露丸の主成分である「もくクレオソート」がアニサキスの動きを鈍らせたり、激しい痛みを改善することが報告されたりした。

正露丸を製造・販売する大幸薬品も動いた。2014年に木クレオソートを含む薬品を念頭に「アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤としての活用に関する特許」(特許第5614801号)を取得した。

ただ、この時点では、どうして木クレオソートがアニサキスに効くのか、さらに体内のアニサキスが本当に死んでしまうかも分からなかったそうだ。症例報告も少なく、医学的なエビデンスというのには弱かったらしい。

裏付け

そんな中、21年9月に、正露丸にアニサキスを死なせる効果があると伝えられ、話題になった。水産専門紙「みなと新聞」によると、高知大学の研究グループが薬理学の国際専門誌に公表した研究結果で明らかにしたようだ。

「正露丸がアニサキスによる胃の激痛を和らげる」といった症例報告を裏付けた形だ。治療薬にするには段階を経る必要もありそうだが、実に嬉しい。これまで通り、安心して大好きな刺身・寿司を食べられる。

刺身に寿司に、正露丸。早速、寿司屋に行こう!

(写真〈上から順に〉:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材を基にりす作成、ラッパのマークでお馴染みの「正露丸」=ライブドアニュース)

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