四万十川_Photo_AC

四万十川と仁淀川

ーオレとアチキの西方漫遊記(3)

高知県の西部を流れる四万十川は「日本最後の清流」と言われて久しい。そこで川遊びなどして自然に溶け込めば、きっと癒しを得られるはずだ。そう安易に考えていた。ところが、そこに待ったをかけたのは奥さん。どうせ川遊びするなら、仁淀川(高知・愛媛県)が良いと言って譲らない。四万十川を遊び尽くそうと思い描いていた当初計画は、早々に崩れることになる。

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:「オレとアチキの西方漫遊記(1)ー激走2500km」「オレとアチキの西方漫遊記(2)ー淡路SAと大観覧車

"仁淀ブルー"推し

奥さんが仁淀川を強烈に推した理由は、この川が国土交通省による最新(2018年時点)の調査で「水質日本一」だったからだろう。また12年以降、5年連続で水質トップだった実績もあり、その水の美しさを讃えて"仁淀ブルー"という呼び名も生まれている。

仁淀ブルー003_Photo AC

東京から四万十川までの距離を考えれば、四万十川から仁淀川からの距離など"お隣さん"の近さで、移動に大きな負担もない。それも踏まえ、奥さんが「どうせ川遊びするならば、できるだけきれいな水のところで」という気持ちは理解できる。奥さんが手術から1カ月しか経っていない事情もある。

埋められた"外堀"

こんなときの奥さんは、実に手回しが良い。仁淀川にアクセスしやすい民宿を幾つかすでにピックアップして見せてくる。いずれも趣きがあり雰囲気がある宿だ。クレジットカードが使えず、この日のために貯めた楽天ポイントが利用できないことを除いては拒否する理由も浮かばない。

すっかり外堀"は埋められた。しかも今回の旅行の主人公は奥さんだ。やむなく四万十川の滞在を短くし、仁淀川を長くすることに。東京から運転すること、20時間。寄り道しつつ、予約した四万十川周辺のホテルに着いたのは22時ごろ。夜の闇に浮かぶ四万十川の水面は、ただ黒いだけだった。(続く)

(写真〈上から順に〉:「日本最後の清流」四万十川=Photo AC、「水質日本一」仁淀川の水中=同)

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:


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