DAHON K3 PLUS〜日本未発売の折りたたみ自転車を入手して旅に出よう〜
DAHON K3 PLUS 購入
この記事では、2020年当時に日本未発売だったDAHON K3 PLUSの入手に至るまで、輪行旅で日本全国を走り回った旅日記、カスタムについて記述します。なおこの記事を書いている2024年現在、K3 PLUSの改良型であるK9Xが販売されている為か、K3PLUSは日本未発売のままです。新しいガジェットに飛びつく時もそうですが、バグ出し上等!人柱上等!の心がけは必要かと思います。もちろん自転車は軽車両ですので、安全第一に考えないといけません。筆者はショップ経由で入手してますが、購入後に消耗部品交換などメンテナンスは自分で行なっていますので、そういった事は自己責任である事を留意下さい。
DAHON K3 PLUS とは
折りたたみ自転車ではポピュラーな米国DAHON社が販売している"K3 PLUS"というモデルで、型式or型番は"KAA693"です。同社が販売する"K3"という14インチ折りたたみ自転車の発展型で、K3と似通ったフレーム形状ながら16インチのホイール、ディスクブレーキ搭載したモデルです。
2020年9月当時、購入の参考にした香港DAHONのwebサイト。旧モデルと新モデルが比較されていて分かりやすいです。
DAHON K3 PLUS(KAA693)スペック
コンポーネント: DAHONオリジナル。
サイズ: 16インチ(ホイールサイズ305)
フレーム: アルミフレーム
ブレーキ: メカニカルディスクブレーキ
クランク:55T
スプロケット: 11-28T
サドル:DAHONオリジナル(SELLE ROYAL?)
変速: 9スピード(リア)
重量: 9.8 kg
折りたたみサイズ: H62cm X W68cm X D45cm
2024年現在、K3PLUS現行モデルはK9X同様のフロントフォークに置き換わっていて、フロントのディスクブレーキが進行方向右側に、ハンドルは中折れ式→折りたたみ時のスペースがコンパクトに&フロントハンドルポストが伸縮する&フォーク部ダボ穴増と改良されています。
新しい自転車を購入するに当たり想定したスペック
輪行しやすい折りたたみ自転車
長距離アップダウンも走れる多段変速
できればディスクブレーキ希望、機械式レバー引き
予算20万円程(ブロンプトンやOX bikeを想定してた為)
パンク時にチューブ交換し易い(スルーアスクル・クイックリリース)
筆者はDAHON DOVE フレームOEMの14インチ折りたたみ自転車を購入、カスタムして、日本全国へ輪行旅して1万km以上走ってました。本来想定していないスピードUP改造をしている為、フレーム寿命が気になる事、4年間14インチに乗ったので新しい自転車が欲しいと感じました。
2020年7月当時、DAHON K3 PLUSはAliexpressにて660$弱、DAHON香港では4800HKD≒当時のレートで7万円弱(送料込みで7万円ほど)で販売されていましたが、日本のDAHON販売代理店は取り扱わないモデル。「欲しい!」と思いましたが、Aliexpressで購入した場合、専用工具でアルミフレームの補正やBBやディレイラー取付部のフェイシング(切削)、コンポート組付け・調整を全て自分でやらなければならず、加えてDAHON K3 PLUSのカスタムに関しては圧倒的に情報が無く、筆者の自転車カスタムスキルでは不足すると思いました。アキボウなどの日本代理店が一枚噛んでいれば、このあたりの品質担保はしてくれるのですが、現地から個人輸入だと自分で面倒を見なければなりません。
筆者は14インチDAHON Dove OEMフレームをカスタムしていますが、2016年時点でもネットを探せば改造事例が多くあり、参考にできる事も多々ありました。また同年に中古の105コンポを貰い受けて、700Cのロードバイクを組んでいますが、ピボッドブレーキでした。K3PLUSはディスクブレーキなので、ローターやキャリパー調整や取付のノウハウは無く未知の世界だった為、どうしたものか…躊躇していました。
自転車歴4年目にして初めてサイクルショップで自転車を買う
2020年の秋を過ぎた段階でも、DAHON日本代理店からK3PLUSの販売アナウンスは無く、どうしたものか…と逡巡していると、知ったショップで「ウチで取り扱い始めますよ」とのアナウンスがあり、飛びつきました。カスタム情報が出回ってない自転車のフレームこそ、自分で購入して弄るよりも、プロにお任せした方が早くて安全です。一台目の14インチ自転車ではヨドバシで購入した素体を自らカスタム、二台目の700Cロードバイクは中古完成車購入→コンポ想総外し→組付・調整できたのは、WEBで情報が豊富にあったから自転車歴半年足らずの人間でもどうにかなりましたが、餅は餅屋です。
ショップで「ハイ、乗れますよ!」という自転車を買うのは初めて。週末旅がてら、自ら試乗と購入に当たって相談の為、仙台のサイクルショップ ”銀輪舎 改良修繕工廠”へ向かいます。コロナ禍の当時はJR東日本の新幹線が半額で乗れたり、GoToクーポンで宿泊費が激安だったり、金銭的に旅行がし易い時期でした。
店頭で準備されたK3PLUSは、中国等で販売されているものとほぼ同じままの仕様。今までフレームがゴリゴリに固く、路面の振動をダイレクトに腕とお尻に感じるDOVEフレームに慣れきったワタシには、非常に快適すぎる乗り心地でした。即決で購入決定です。
カスタムにあたり、要望は以下の通り
装飾不要・基本的に使えるものはDAHON純正品でOK
雨天峠込み100km走る為事を考慮したブレーキ性能希望
油圧でなく機械式ディスクブレーキ
太いタイヤ・登坂に対応した大きなスプロケット
輪行重視で速度は求めない&普段遣いできる(要キックスタンド)
サドル、ペダル等の細々したパーツは自分でやるので適当でOK
価格や納期に関しては、ざっと工賃やパーツ代をヒアリングしたうえで、丸投げ・お任せです。自身、初めてショップで買う自転車でしたが、なにしろ日本でK3PLUSは「仙台のお店」でしか購入できないのです。仮にふっかけられても言いにくい立場ですが、信頼しているショップなので「まぁ平気でしょう」と構えてました。
自宅へ完成した自転車が納車されたは翌々月。コロナ禍でサプライチェーンがズタズタでしたから、パーツ供給が滞ったりで、コロナ禍は自転車趣味の人間には、焦らされる日々でした。
同じ時期に同じショップからK3PLUSを購入されている方のブログが参考になりました。日本未発売フレームだと日本語の情報も少ないので、非常に貴重な記事かと思います。→
DAHON K3 PLUS 輪行旅
近場をサイクリングして調整
2~3ヶ月ほど近所を乗り回して、サドルやハンドルやシートポストなど細々したパーツを調整していきます。とはいえ、14インチDAHON DOVE OEM車で使用していたパーツとほとんど同じです。サドルバックやライトはなど装備は既に持ってますから。シートポストもハンドルもDAHONですから規格も同じゆえに流用できますし、折りたたみ自転車の乗り方と用途も同じなので、似たようなカスタムになってしまいました。
タイヤ:DURO デューロ160-01601 [DB-7023 ELECTRIC 16×1.75]
チューブ :Panaracer 16 x 1.5~1.75 仏式
ハンドル:GORIX GX-849AD3-L1-G2 エルゴグリップ
シートポスト:MicrOHERO 軽量 シートポスト330g Φ33.9/600mm
サドル:VELO ベロ レーサー 穴あきタイプ
シム:アルミ製品から樹脂製へ交換(シートポスト音鳴り対策)
14インチDOVE OMMバイクに比べると、K3PLUSは+1kg程。輪行袋は、ちび輪バッグを使用していますが、意図せず引きずってしまうのか消耗が早いです。具体的にはフレーム等が袋に当たる箇所の摩耗して穴が空きます。
VAUDE製のサイクルザック(Bike ALPIN 25L+5L)は、背中部分の通風が良くなるようにフレームで空間が開いていて、バック外側にはサイクルヘルメットが掛けられるように樹脂製フック付。ジッパーを開くと5L内容積が広がる造りです。ロングライドする時は荷物は背負わず、サドルバックなど利用して自転車に積載させた方が楽ですが、自分はゆっくり100kmを走る程度ならザック背負ってもよいかな、との考えです。もちろん、重い荷物はサドルバックに移したり、修理工具はツールボトルに収納し自転車に積載し、できるだけ背中の荷物は軽くするよう努めます。
広島空港~とびしま海道・呉→岩国
広島空港へ飛び、そのまま竹原港へ自走し船で大崎上島へ渡り、平坦基調のとびしま海道100km程のサイクリング。呉と岩国の街をポタリング。
とびしま海道は、しまなみ海道に比べると、ロードバイクライダーが多いです。ライトな層も取り込んでいる、しまなみ海道とは雰囲気が違いますね。
青森・弘前・函館
北海道・東北新幹線を利用し北上、帰路は函館から飛行機利用。青森・弘前と函館の街をポタリング。自転車は観光のスパイスでオマケです。
弘前は2016年4月初訪問以来5年ぶり。当時はレンタサイクルのママチャリで史跡や弘前城を巡りましたが、やはり自分の自転車だと楽しいですね!
秋の函館は、程よく涼しく、花が鮮やかで爽やかな陽気です。函館は中心市街地に路面電車が走っていますが、これくらいの街規模感が気軽にポタリングするにはちょうど良いですね。
熊本~阿蘇・天草
熊本空港へ飛び、自走し熊本市内へ。阿蘇は阿蘇駅から大観峰へのヒルクライムと、天草へ至る60km程のサイクリングに挑みます。
阿蘇駅までJRで輪行し、大観峰へ登ります。阿蘇山麓は景色も良いですからオートバイでツーリングしている人が多かったです。阿蘇周辺は公衆温泉もあり、汗を流したら馬肉を舌鼓を打ちます。
天草中心市街への道はアップダウンが多く、走りごたえがあります。景色が良い海沿い、橋などは極々一部で、殆ど山の中を走ります。起伏も激しく道路舗装状況も悪いので、ミニベロには正直走りにくいコースです。
天草に宿泊し、レンタカーで観光したのち熊本市街に戻る事になったのですが、その日は悪天候に。天草→熊本へは、公共交通機関は都市間バス(産交バス)のみとなります。幸い、このバスは折りたたみ自転車に限り、輪行袋に入れた上で床下収納スペースに預け入れる事ができました。もしロードバイクだったらバス輪行できないので、レンタカー片道乗り捨てを利用するか、雨天装備の上で自走するしかなかったです(2022年5月当時、熊本・天草間を運航する天草エアラインへの自転車預け入れは不可でした)
バス輪行の可否は、天草に限らず日本各地域のバス会社によって異なります。また、空港連絡バス・都市間バス・路線バスそれぞれでルールが違うこともあります。WEBページに記載されてない事もあり、都度問い合わせが必要です。
宮古島
宮古空港へ飛び、平坦な宮古島エリアを走り回るサイクリングなバカンス。帰路は青い海を眼下に橋を渡って下地島空港へ至る30km。ホテルで、のんびり過ごしサンダルでウロウロできるよう、片面SPD・片面フラットペダルになっているWELLGOのペダルです。クイックリリース式なので、両面SPD・フラットペダルと差し替えができます。ただ、SPDで使うには片面しか無いし、バネ強度調整できないので面倒で、イマイチな買い物でした(2024年時点では商品は廃盤の模様)
平坦基調なので、島ゆえに交通量も少ないですし、車道をのんびり楽に走れます。
宮古島の中心街は平良港で、近くにパイナガマビーチという浜辺があります。波打ち際でのんびり足を水に浸かって、南国の空気を楽しみます。
帰路は宮古島から伊良部大橋を渡り下地島へ移動し、下地島空港から東京に向かいます。
石垣島・八重山諸島・日本最西端の与那国島
石垣空港へ飛び、自転車をお供に八重山諸島を船で点々と周遊する旅。ハイライトは日本最西端の与那国島へ自転車で到達すること!
石垣島は面積も広くアップダウンもあり、折りたたみ自転車で島内回るのは過酷に感じたのでレンタカーで回りました。ここを自転車で走るならロードバイク一択ですね。港のある中心街から石垣島北端の平久保灯台までは片道50km程ですが…獲得標高含め相当のトレーニングになると思いました。
西表島へはマングローブのクルーズツアーが来島目的です。観光客向けにバスがあったり、レンタカーも利用できますが、道は平坦基調なのでフェリー乗り場からクルーズツアーの船着き場までMY自転車で少し走りました。
竹富島は少面積ゆえ島内をレンタルサイクルで観光している方が多いのですが…舗装されてない砂地の道も多く、ママチャリだとちょっと厳しいかと。無論、ミニベロでも厳しいです。少々料金高めですがファットバイクがレンタルされているので、ソレのほうがだいぶ快適でしょうね。
石垣島から与那国島へは飛行機で30分ほど。アクセスは容易ですが、与那国島にある3つの集落のうち。主に宿泊施設があるのは北側2つの集落です。
与那国島内はアップダウンがあり、走りごたえがあります。そして自販機は無く、島の売店は3つの集落にしか無く、商店ゆえに開店時間も限られるので、補給には気をつけましょう。
与那国島の日本最西端之地モニュメントは午前は雨でした。久部良港の近隣なので、アクセスは容易です。南側へは陸上自衛隊の与那国駐屯地、放し飼いにされている与那国馬を脇目に、Drコトー診療所の舞台になった建物が一般公開されていますのでそこを目指します。
K3PLUS使用中での改良点・カスタム
スプロケット交換
一番大きなスプロケットは、36Tから32Tへ換装しました。
DAHON純正フロントクランクが55Tで、リアが36Tだと走行中にチェーンがフレームと干渉してしまう為です。
前:CS-HG50 10スピード 11-36T MTB カセットスプロケット
後:CS-HG500-10スピード カセットスプロケット ギア:11-32T
チェーンがフレームに当たる問題は、700Cなどどんな自転車フレームでも起こることですが、ミニベロのようにフレーム形状に余裕がないと、フロントチェーンリングの大きさ・BBのフェイスに対する位置によっては、チェーンをインナーローにしたらフレームにあたってしまう、という例はよく聞きます「このフレームだったらフロントは最大〇〇T、ローは最小〇〇Tが入る」というのは、自転車界隈ではノウハウですが、カスタムの事例が少ないとこういった事も起こります。
普段乗っててリア36Tは滅多に使った事ないですが(阿蘇の大観峰、秦野のヤビツ峠を登った時に使用した記憶)ノコギリで柔らかいアルミをゴリゴリ削るようなものです。
ショップで組んでいる時は気が付かなったようで、納車されて自分で弄っていても、宙ぶらりんにしてギアの変速確認してる分には当たる素振りがなかったので、見逃していました。
安価で簡素な造りのリフレクターに交換
輪行時にハンドルが回転してしまう
リアステー取付のリフレクタが破損しやすい
私のK3PLUSは初期型で、ハンドルが外折れ式です。なので、ハンドルの外側が手羽先の用にちょこんと突出していると、ダメージを受けます。輪行袋が破れて穴が開いてしまったり、規定トルクでアルミ製ハンドルバーに締め付けていても、ハンドルが回転してしまいます。
テールリフレクターも畳んだ際に外側の位置になるので、曲がってしまったり、取付金具が変形してたりしやすいです。CATEYEの暗所で赤色点灯するリフレクターを取り付けていましたが、輪行中にリフレクターが割れ、ボタン電池が外れて破損したので、それ以降は安価なリフレクターを取り付けています。
その代わり、前後のブレーキディスクは折りたたみ時に内側になる為、輪行時に倒れたりしても、ディスクが歪んだりする事はありません。
現行のK3PLUSとK9Xは、ハンドルボストが内折れ式になっていて、フロントホイールのディスクブレーキが外側に位置します。折りたたみ時に省スペースになりますが、ブレーキディスクが外側になるので、輪行袋を傷つけてしまったり、転倒時にディスクが歪むのでは…と不安になりますが、そういった事例をあまり聞かないので、おそらく大丈夫なのでしょう。
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